ECサイトを作る前に読んでほしい!ネット販売を始める時に受けることのできる補助金や支援を紹介しています。ECサイトや越境ECの意味なども解説しています。
ECサイトとは
ECサイトとは、ネットを使ったモノやサービスの販売サイトです。
ECサイトにはモール型と自社サイト型があります。
モール型とは「楽天市場」「Base」「Yahoo!ショッピング」などのモールに出店するタイプです。
自社サイト型は自分でECサイトを構築するタイプです。
ECサイトは、世界中の国や地域とビジネスができることから「越境EC」という言葉も出てきました。
営業時間や休業日の概念がなく、いつでも販売し利益を上げることができるようになります。
コロナ禍で使えるECサイト制作の補助金4選!|初めてのネットサイト制作【2022】
ECサイトは、ネットを使い商品やサービスをインターネット上で販売するサイトのことです。商品やサービスを多くのページで紹介する必要があり、サイトが複雑化しやすく、大きなコストがかかってしまいがちです。
補助金の額が最も大きいのは、事業再構築補助金です。
補助額が大きい分、事業・業態転換や新事業展開などの思い切った事業再構築が対象となります。例えば、店舗販売のみだったお店が、ECサイトを作りネット販売をするなど。
IT導入補助金は、「ITツールを導入することによる、事業者の業務効率化・売上アップのサポート」を目的としています。
このサイトでは自社や事業の課題や、補助金の内容を確認し選んでください。
補助金1.事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウィルスの影響を受けて売上が減少している企業が、新分野展開、業態展開、事業・業種転換などを行う事を支援するための補助金です。
補助額が大きく、従業員数や計画によっては最大8,000万円の補助金が受けられる可能性があります。
例えば、今まで対面ビジネスを行っていた事業者がITを活用し、オンラインビジネスに事業や業態を転換するケースが補助金の支給対象となります。
対象者
新型コロナの影響を受けた中小企業・個人事業主
主な申請要件
1.コロナ禍の影響によって売上が減少していること
2.新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す「事業再構築」を行うこと
3.認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定すること
支給額
通常枠(中小企業)の補助額
従業員数 | 補助額 |
20人以下 | 100万円~2,000万円 |
21~50人 | 100万円~4,000万円 |
51~100人 | 100万円~6,000万円 |
100人以上 | 100万円~8,000万円 |
対象経費
●建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。
●広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)
補助対象外の経費の例
●補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
●不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
●フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費
※補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
申請期限
2022年6月30日
補助金2.IT導入補助金
IT導入補助金はITツールを導入することにより、業務の効率化や売上増加を支援するための補助金です。
単にホームページを作るツールは不可となり、IT導入補助金事務局に登録されたITツールのみが対象となります。
ECサイトに関しては条件を満たせばIT導入補助金の対象となります。
対象者
中小企業・個人事業主
主な申請要件
IT導入補助金支援事業者が提供するITツールを導入すること
支給額
通常枠A類 | 30万~150万未満 | 補助率 2分の1以内 |
通常枠B類 | 150万~450万以下 | 補助率 2分の1以内 |
デジタル化基盤導入類型 | 5万~350万円 | 補助率 2分の1~4分の3以内 |
対象経費
通常枠 | ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等 |
デジタル化基盤導入類型 | ソフトウェア費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等 + ハードウェア購入費 |
申請期限
2022年3月31日 ~ 終了時期は本事業のホームページにて公開。
※ 株式会社CAREARC はIT導入補助金のITベンダー・サービス事業者です。
補助金3.小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、自社の経営を見直し、自らが経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。
ECサイト制作についてはECサイトの構築費用、ウェブサイト制作費などが挙げられます。
注意点は
ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の4分の1が上限になる
例えば、補助金の申請金額を50万円とした場合、そのうち12.5万円までがウェブサイト関連費として計上可能です。
ウェブサイト関連費のみの申請はできません。
対象者
中小企業・個人事業主
主な申請要件
10か月以内に、持続化補助金をもらってないこと(一般型、低感染リスク型ビジネス枠含む)
支給額
通常枠 | 上限 50万円 | 補助率 3分の2 |
対象経費
ウェブサイト関連費
・ウェブサイトやECサイト等の構築、更新、改修をするために要する経費
・インターネットによる受注システムの構築費用、及び補助期間中のランニング費用
・対人接触機会の減少に関連したショッピングサイトの商品サンプル製作、加工費用
・対人接触機会の減少のためのECサイト構築費用及びクラウド利用料
・EC事業構築のためのウェブサイト制作費
申請期限
2022年9月20日締切
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:原則2022年9月12日(月)
補助金4.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者を対象に、新商品や新サービスの開発にかかる費用を補助する制度です。
使用用途が幅広く、ECサイトの構築やリニューアルに利用可能です。
活用事例は
・感染症拡大防止のための販売方法システム構築と商品供給体制の拡充
・EC市場参入による店内飲食に依存しない飲食店の新たな市場創出
などがあります。
対象者
中小企業・個人事業主
主な申請要件
以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行
・給与総額を年1.5%以上増加させること
・最低賃金を地域別最低賃金の+30円以上の水準にする
・付加価値額を年率平均+3%以上増加させる。
※付加価値額は企業の生産活動によって新たに生み出された価値のことで、営業利益と人件費、減価償却費の合計額です。
支給額
一般型では通常枠やデジタル枠での補助が見込めそうです。また、海外事業であればグローバル展開型が申請できそうです。
一般型
通常枠 | 100万円~1,250万円(※) |
回復型賃上げ/雇用拡大枠 | 100万円~1,250万円(※) |
デジタル枠 | 100万円~1,250万円(※) |
グリーン枠 | 100万円~2,000万円(※) |
グローバル展開型
1,000万円~3,000万円
補助率 2分の1、小規模事業者等3分の2
対象経費
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
申請期限
2022年8月18日17時締切
モール活用型ECマーケティング支援事業
中小企業基盤整備機構で、初めてのECサイト出品を支援してもらえます。
気になる出品先は
国内モールでは「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「47CLUB」、
越境モールでは「アメリカ(AmazonもしくはeBay)」、「シンガポール( Shopee)」の
特設するページに出品することが可能です。
必要書類を提出した後は、売れた分の発送だけ!
お客様及びECサイト側との窓口業務・受発注管理はすべて事務局がしてくれます。
国内モールの出品期間は3カ月、越境モールの出品期間は4カ月です。
※出品期間が終了した商品ページは削除されます。
出品期間が終了した後も、継続してモールに出品をしたい場合は自社で各モールに申し込めば新たに出品することが可能であり、初めてのECサイト出品ではおすすめの支援事業です。
対象者
新型コロナウィルスの影響を受けた中小企業・個人事業者
主な申請要件
電子メールでの連絡が可能。
販路拡大に意欲のある。
対象経費
モール月額使用料
アフィリエイト原資
商品ページ制作費用(翻訳含む)
商品画像リサイズ費
受発注・出荷管理費用
カスタマーサポート費用
各種プロモーション費用
その他運営費用全般
申請期限
2022年7月29日
ECサイト制作に使える地方自治体の補助金まとめ
地方の各自治体では、独自にECサイト制作に活用できる補助金を用意しています。各自治体が独自に行っている補助金は、支給額や対象経費もまちまちですが、要件さえ満たせば審査に通りやすいので、検討する価値があるでしょう。
ここでは6つの自治体をご紹介いたします。
また、ECサイト制作に使える補助金はないかをお住まい、仕事場の住所がある自治体に問い合わせてみるのもおすすめです。
地方自治体 | 補助率 | 補助額 | 期限 |
ECサイト活用補助金【東京都 中央区】 | 補助対象経費の10分の10 | 上限6万円 | 補助予定件数 50件(先着順) |
ホームページ作成支援【東京都 豊島区】 | 補助対象経費の2分の1以内 | 上限5万円 | 2023年2月22日まで |
グローバル展開支援事業補助金制度【神奈川県 川崎市】国際的な電子商取引(越境EC)の取組 | 補助対象経費の3分の2以内 | 上限40万円 | 2023年1月31日まで |
販路拡大ECサイト活用補助金【愛知県 瀬戸市】 | 補助対象経費の2分の1 | 上限3万~10万 | 2022年12月28日まで |
ECサイト制作に利用できる補助金で確認しておきたいポイント
自社にあった補助金の申請を検討している方にお伝えしたいことが5つあります。
まず、自社がその補助金の対象か確認してください。同時にほかの補助金の申請をしていると受け付けないなど要件には細かく指定が載っています。
次に対象経費の確認をしてください。汎用性の高いパソコンなどは補助金によっては対象外になることもあるので注意が必要です。
最後に補助金の申請期限をしっかりと守ってください。1日でも過ぎてしまいますと受け付けてもらえません。
補助金は後払いが原則で、申請しても審査に落ちることがあるので注意が必要です。
ポイント1.対象事業者か確認する
補助金の対象事業者は主に中小企業・個人事業主になります。業種や組織形態で資本金や従業員規模の基準が違います。
コロナ禍では前年度に比べて売上がどのくらい減っているか、制度の目的にあった経費を申請しているか、この補助金を使ったらどのように生産性を伸ばせるか、などの事業計画書の提出を求められる場合があります。
地方自治体の補助金はこれらに加え、税金の滞納がないか、を見ています。
詳しくは申請要件をよく読み、事前確認をしっかりしましょう。
ポイント2.対象経費の適用範囲を確認する
ECサイトの制作に利用できる補助金は、制度によって対象経費は異なります。
補助金 | 対象経費 |
事業再構築補助金 | 業態転換や新サービスの開始に要する経費 |
IT導入補助金 | 生産性の向上を目的としたITツールの導入に要する経費 |
小規模事業者持続化補助金 | 事業の持続化につながる販路開拓などに要する経費 |
ものづくり補助金 | サービスや商品開発などの取り組みや生産プロセス改善に要する経費 |
ECサイト制作やリニューアルで補助金を利用する場合、制作目的や制作方法を明確にし、そのうえで対象経費を確認し、補助金を選びましょう。
ポイント3.対象期間を確認する
補助金には申請受付の締切が設定されています。1日でも期間を過ぎると申請を受け付けてもらえません。期限に間に合うように申請準備を進める必要があります。
小規模事業者補助金の申請には商工会・商工会議所による事業支援計画書(様式4)の発行及び補助事業実施における助言等の支援を受けることが必要になります。
商工会議所の事業支援計画書の発行は、補助金の受付期間より1週間前に発行受付締切があります。それぞれ余裕をもって申請しましょう。
ポイント4.補助金は後払い
補助金はすぐに受給できるわけではありません。
補助金は費用面を補助してくれる有用な制度ですが、後払いが基本です。申請している経費は、自分で用意して先に支払う必要があります。
また、補助金の入金タイミングに関しては自分でコントロール出来ないため、入金されるまでの資金繰りがやや難しくなります。
これらを理解したうえで補助金を有効活用する必要があります。
ポイント5.審査に落ちることもある
補助金は申請したとしても、必ず審査に通るわけではありません。
補助金の種類によって審査内容は異なり、補助金の目的や趣旨をよく読み、内容が自社の事業計画と合致しているかがポイントになります。受給要件を満たし、さらに優秀な提案と判断された場合に審査が通るなど、ハードルが高いといわれています。事前に補助対象となる経費や、補助の割合、上限額などを確認しましょう。
また、補助金には採択枠や予算が決まっているため、他社よりいい事業計画書を提出するように心がけましょう。