テレワークや在宅勤務に使える補助金・助成金
テレワークを本格的に導入するときに使える補助金・助成金をご紹介します。
人材確保等支援助成金とIT導入補助金がおすすめです。
「人材確保等支援助成金」は新たにテレワークに関する制度を規定した就業規則や労務協定を整備しなければなりませんが、対象経費にテレワーク用通信機器等の導入・運用がありますので、自由度の高い使い方ができるのが魅力です。
「IT導入補助金」はIT導入補助金支援事業者が提供するITツールを導入しなければなりませんが、補助金額が高いのが魅力です。
最初は人材確保等支援助成金でテレワークの設備を整えてから、足りないところをIT導入補助金で考えてみるのがいいのではないでしょうか。
補助金・助成金1. 人材確保等支援助成金(テレワークコース)
良質なテレワークを制度として導入・実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主が助成対象となります。
対象者
テレワーク勤務を、新規に導入する事業主の方及び試行的に導入している又は試行的に導入していた事業主の方が対象
主な申請要件
支給要件 | 支給額 | |
1.機器等導入助成 | 新たに、テレワークに関する制度を規定した就業規則または労働協約を整備すること。 評価期間に1回以上対象労働者全員がテレワークを実施すること、 又は評価期間に対象労働者がテレワークを実施した回数の週平均を1回以上とすること。 労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組を行うこと。 | 支給対象経費の30% ※以下のいずれか低い方の金額が上限額 ・100万円 又は ・20万円×対象労働者数 |
2.目標達成助成 | 評価期間後1年間の離職率が、計画提出前1年間の離職率以下であること。 評価期間後1年間の離職率が30%以下であること。 | 支給対象経費の20% 〈35%〉 ※以下のいずれか低い方の金額が上限額 ・100万円又は ・20万円×対象労働者数 |
対象経費
ネットワーク機器(16万5千円)
サーバ機器(55万円)
NAS機器(11万円)
セキュリティ機器(33万円)
ウェブ会議関係機器(1万1千円/対象労働者1人)
サテライトオフィス利用料(33万円)
テレワーク用サービス利用料(初期費用5万5千円、利用料38万5千円)
※()内は上限額
申請期限
テレワークを可能とする取組の実施予定日のうち最も早い日の1か月前の前日
補助金・助成金2. IT導入補助金
IT導入補助金はITツールを導入することにより、業務の効率化や売上増加を支援するための補助金です。単にホームページを作るツールは不可となり、IT導入補助金事務局に登録されたITツールのみが対象となります。
テレワークや在宅勤務ではITツールを導入することで、部署ごとに違うソフトを使って管理されていたものを一元化することができます。また、出先でもスマートフォンやタブレットで閲覧・操作できるものもあります。
対象者
従業員が300人以下の中小企業・個人事業主
主な申請要件
IT導入補助金支援事業者が提供するITツールを導入すること
支給額
通常枠A類 | 30万~150万未満 | 補助率 2分の1以内 |
通常枠B類 | 150万~450万以下 | 補助率 2分の1以内 |
デジタル化基盤導入類型 | 5万~350万円 | 補助率 2分の1以内~4分の3以内 |
対象経費
通常枠 | ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等 |
デジタル化基盤型導入類型 | ソフトウェア費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等 + ハードウェア購入費 |
申請期限
2022年3月31日 ~ 終了時期は本事業のホームページにて公開。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
6次公募締め切り
2022年7月11日(月)17時予定
※交付決定日:8月12日(金)予定
7次公募締め切り
2022年7月25日(月)17時予定
※交付決定日:8月25日(木)予定
※ 株式会社CAREARC はIT導入補助金のITベンダー・サービス事業者です。
テレワークで使える東京の助成金
在宅勤務を考えたとき、おすすめはテレワーク促進助成金の活用です。
従業員が2人以上999人以下で活用でき、30人未満であれば上限150万円まで助成されます。対象経費も幅広く、パソコン、タブレット、スマートフォンにも活用できる魅力があります。
テレワーク推進強化奨励金は週3日、テレワーク対象の従業員7割以上を1か月もしくは2か月実施するともらえる奨励金です。
また、東京都はテレワーク課題解決コンサルティングを無料で5回まで訪問して助言してもらえます。助成金を上手に使いコロナ禍を乗り切りましょう。
東京の助成金1. テレワーク促進助成金
都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等がテレワークの活用促進に向けて、在宅勤務、モバイル勤務等テレワークの実施を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境の整備を行う場合に、当該整備に係る費用の一部が助成られます。
対象者
従業員が2人以上999人以下で、都内に本社又は事業所を置く中堅・中小企業等
主な申請要件
1.支給決定日以降に申込、契約、購入等を行うこと
2.支給決定日から4か月以内にテレワーク環境を整備し、テレワーク実施対象者全員にテレワークを6回以上実施させた実績が必要。
支給額
事業者の規模(常時雇用する労働者数) | 助成金の上限 | 助成率 |
30人 ~ 999人 | 250万円 | 2分の1 |
2人 ~ 29人 | 150万円 | 3分の2 |
対象経費
科目 | 内容説明 | 例 |
消耗品費 | 物品購入費等 ※ 税込単価1,000円以上10万円未満に限る | パソコン、タブレット、スマートフォン、周辺機器・アクセサリ等 |
購入費 | 税込単価10万円以上の業務ソフトウェア | 財務会計ソフト、CADソフト等 |
委託費 | システム機器や物品等の設置・設定費等 システム機器等の保守委託等の業務委託料等 システム導入時運用サポート費等 | VPN環境構築の初期設定費用等 VPNルーター保守管理費用等 研修費用・研修時テキスト費用等 |
賃借料 | 機器リース料、レンタル料等 | パソコンリース・レンタル料等 |
使用料 | ソフトウェア利用料等 | ソフトウェア利用に係るライセンス使用料等 |
申請期限
2023年1月31日(火)
東京の助成金2. テレワーク導入ハンズオン支援助成金
テレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた都内の中小企業・個人事業主が在宅勤務、モバイル勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境整備のために取り組む事業に対して、助成金を支給します。
対象者
都内の従業員2人以上999人以下の中小企業、個人事業主
主な申請要件
東京都が実施する「テレワーク導入ハンズオン支援コンサルティング」を受けていること
支給額
事業者の規模(常時雇用する労働者数) | 助成金の上限 | 助成率 |
30人 ~ 999人 | 250万円 | 2分の1 |
2人 ~ 29人 | 150万円 | 3分の2 |
対象経費
消耗品費、購入費、委託費、工事費、賃借料、使用料
申請期限
2023年3月31日
東京の助成金3. テレワーク推進強化奨励金
オミクロン株等による感染症の拡大防止と経済活動の両立に向け、人流の抑制に有効なテレワークの更なる普及と定着を図るため、都内中小企業等が取り組む下記に掲げる事業に対して奨励金を支給します。
対象者
都内で事業を営んでいる従業員300人以下の中小企業等
主な申請要件
テレワーク推進強化期間中において、テレワーク実施可能な社員数のうち、「週3日・社員7割以上」、1か月・2か月間のテレワークを実施していること。
支給額
1か月(31 日間) | テレワーク実施期間2か月(62 日間) | テレワーク実施期間|
70人以上 | 25万円 | 50万円 |
50人以上 | 15万円 | 35万円 |
30人以上 | 10万円 | 20万円 |
1人以上~30人未満 | 7万円 | 13万円 |
小規模企業特例 | 5万円 | 7万円 |
対象経費
科 目 | 内 容 | 例 |
人件費 | テレワークに係る手当て | ・在宅勤務者が負担する自宅の水道光熱費及び通信費用等、テレワーク規定等に定めている経費 等 |
役務費 | 機器の通信に係る費用 | ・携帯電話通話料 ・Wi-Fi 月額料 ・インターネット回線使用料 ・プロバイダ料金等 |
委託費 | システム導入時運用サポート費 | ・テレワーク実施に向けたコンサルティングやテレワーク手当導入のためのコンサルティング経費 ・テレワーク利用クラウドの使用方法研修費 ・テレワーク利用に伴う機器等の設置・設定費用 等 |
賃借料 | 機器リース・レンタル料 | ・サーバー利用料 ・パソコン等機器のリース、レンタル料 等 |
使用料 | サテライトオフィス利用料 ソフトウェア利用料 クラウドサービス利用料 | ・サテライトオフィス施設利用料(本社・事業所として利用している施設にかかる経費は対象になりません) ・ソフトウェア利用に係るライセンス使用料 等 ※1年単位のライセンス使用料の場合、テレワーク実施期間分(1か月・2か月)に按分した経費のみ対象経費となります。 |
※奨励金の対象経費例
携帯電話通話料など、テレワーク利用と通常業務(テレワーク以外)での利用が想定される場合は、対象経費に含めることが可能です。ただし、テレワーク利用と通常業務(テレワーク以外)での利用にかかる経費区分が明確な場合は、テレワーク利用に係る経費のみを対象としてください。
申請期限
2022年7月31日
テレワークのメリットは?
テレワークのメリットは長い目で見れば経費の抑制ができ、育児や介護など従業員のライフスタイルの変化に対応することも可能になります。テレワーカーの割合は2021年全国で27%で、首都圏では42.3%でした。
テレワークをしている従業員の約89%が今後も継続したいと答えています。また、企業規模が大きくなるほどテレワーカーの割合が高い傾向にあります。
新型コロナ感染症の対応にも適しており、是非導入を考えていただきたい制度となっております。
メリット1. テレワークは89%の従業員がが継続したいと考えている
国土交通省が2022年4月に発表した調査データによると雇用型テレワーカーのうち、約89%が今後の継続意向があり、その理由は、「新型コロナウイルス感染症対策として」が約49%で最大でした。
また、新型コロナウイルス感染収束後の継続意向は約84%で、その理由は、「通勤時間の有効活用」(約43%)に次いで、「通勤の負担軽減」(約30%)でした。
通勤時間が長い人はテレワークを導入することで週の出勤回数が減少し、生活と仕事の両立がしやすくなったりします。
業務の見直しを行うことで、訪問営業からオンライン商談への切り替えなど生産性の向上も期待ができます。商談件数を増やせるため、売上向上につながりやすくなります。
メリット2. 経費を抑制できる
助成金の種類によってはPC、タブレット、スマホなどのハード面の経費が助成されるものがあります。設備構築の負担が軽減されるためテレワークを導入しやすくなります。
また、テレワークの導入により、交通費や出張費用などの人材の移動に関する費用やオフィスの賃料、設備代などのの経費削減にもつながります。
オフィスに出社する社員が少なくなれば、オフィス使用時に発生する光熱費などの削減にもつながります。場合によってはオフィスとして借りているフロアを減らしたり、より規模の小さなところにオフィスを移転することで、賃料を減らせる可能性もあるでしょう。
メリット3. 人材流出防止
テレワークの導入に成功している企業を見てみると、最初は育児や介護中の従業員に限定導入して、利用者の声を反映しながら改善していっているところが多いみたいです。
従業員がもっとも効率の良い働き方を選択でき、活用される仕組みを作ることで従業員のライフスタイルが変化したときの離職防止につながっていきます。
テレワークの導入によって、新型コロナの対応や通勤をはじめとする移動時間の削減、育児や介護に使える時間を増やすことが可能となります。