運輸業で使える補助金|個人事業主やトラック協会会員情報まで

補助金オタク

運輸業で使える補助金を知りたい方へ。本記事では運送業の方が使える補助金からトラック協会の助成事業までを紹介していますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

目次

運輸業で使える補助金

運輸業にはタクシー業、代行業、運送業など、多くの業態があります。共通する悩みもありますが、業態により抱える悩みはさまざまです。

新型コロナウィルス感染症の流行によって宅配需要が増加していますが、ドライバーに負担が押し付けられる形になり、他業種よりも長い労働時間になっています。

運輸業界は今後、業務の効率化に踏み切った対策が求められてきます。

自社が抱える悩みから、導入すべき設備や機能を見つけてください。

IT導入補助金は情報を共通することで業務の効率化を目指す場合に活用しやすいです。
ものづくり補助金は機械などの設備投資に活用しやすい補助金です。
事業再構築補助金は断端に事業を再構築する場合に補助されるの補助される金額が大きい魅力があります。

それぞれの活用例を記載しましたので、ぜひ参考にしてください。

補助金1. IT導入補助金

IT導入補助金はITツールを導入することにより、業務の効率化や売上増加を支援するための補助金です。単にホームページを作るツールは不可となり、IT導入補助金事務局に登録されたITツールのみが対象となります。

【運輸業の導入例】

  • 顧客管理と配車管理を連携させるツールを導入。その上で全運転手にスマートフォンを用意し、予約情報や位置情報を送信する環境を整備。
  • GPS追跡機能などを導入することで、最適な運行計画や運賃を設定できる環境に。
  • 顧客情報や商談情報を社内で共有できるシステムを導入。
  • 運送業に特化したバックオフィス業務を支援するツールを導入。
  • デジタルタコメーターの情報とドライバーによる運行状況の報告を連動させるツールを導入。
  • アナログタコグラフを読み取り、デジタルデータ化できるツールを導入。ドライバーの稼働時間の自動認識を実現。

対象者
従業員が300人以下の中小企業・個人事業主

主な申請要件
IT導入補助金支援事業者が提供するITツールを導入すること

支給額

通常枠A類30万~150万未満補助率 2分の1以内
通常枠B類150万~450万以下補助率 2分の1以内
デジタル化基盤導入類型5万~350万円補助率 2分の1~4分の3以内

対象経費

通常枠ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等
デジタル化基盤導入類型ソフトウェア費・クラウド利用料(最大2年分補助)・導入関連費等
+
ハードウェア購入費
※デジタル化基盤導入枠においては、ITツールと併せて使用するハードウェア(PC・タブレット・レジ・券売機等)も対象

申請期限
2022年3月31日 ~ 終了時期は本事業のホームページにて公開。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

6次公募締め切り
2022年7月11日(月)17時予定
※交付決定日:8月12日(金)予定
7次公募締め切り
2022年7月25日(月)17時予定
※交付決定日:8月25日(木)予定

株式会社CAREARC はIT導入補助金のITベンダー・サービス事業者です。

補助金2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助事業

ものづくり補助金は、小規模事業者が複数年かけて行うさまざまな制度変更(設備投資、働き方改革や賃上げなど)への支援策として用意された補助金です。

この補助金は、設備投資のための費用(機械装置費)が中心になるという魅力的な内容になっています。
例えば、1,875万円の装置を導入して業務革新を展開する際に1,250万円まで補助されるというものです。

【運輸業の導入例】

  • 経営革新のための設備投資などに使える補助金を給付
  • IT技術を駆使した先進自動車対応型整備の提供と迅速化サービスの提供
  • 電気自動車に搭載される座席シートフレームの最適加工の実現
  • クラウド型新システム導入による混載輸送事業の販路拡大
  • 非常時やテレワークに対応した新物流管理EDIシステム導入による作業工程の軽減と作業時間の短縮
  • タブレットを活用した革新的な運行管理による経営効率の向上
  • 最適な配車体制による他の追随を許さない緊急配送サービスの実現
  • AI顔認証技術を活用した運行管理での点呼支援システムの構築
  • 運送業者の課題解決のため、DPFマフラー洗浄・尿素水の出張サービス

対象者
中小企業・個人事業主

主な申請要件
以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行
・給与総額を年1.5%以上増加させること
・最低賃金を地域別最低賃金の+30円以上の水準にする
・付加価値額を年率平均+3%以上増加させる。
※付加価値額は企業の生産活動によって新たに生み出された価値のことで、営業利益と人件費、減価償却費の合計額です。

支給額
一般型

1.通常枠100万円~1,250万円(※)補助率 2分の1、小規模事業者3分の2
2.回復型賃上げ/雇用拡大枠 100万円~1,250万円(※)補助率 3分の2
3.デジタル枠100万円~1,250万円(※)補助率 3分の2
4.グリーン枠100万円~2,000万円(※)補助率 3分の2
※従業員規模により補助上限の金額が異なります。

グローバル展開型 1,000~3,000万円
補助率 2分の1、小規模事業者3分の2

対象経費
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

申請期限
2022年8月18日17時締切

補助金3. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、自社の経営を見直し、自らが経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。

対象者
中小企業・個人事業主

主な申請要件
受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていないこと

支給額
通常枠50万円 特別枠最大200万円
補助率 3分の2

対象経費

補助対象経費科目活用事例
1.機械装置等費 製造装置の購入等
2.広報費新サービスを紹介するチラシ作成・配布、看板の設置等
3.ウェブサイト関連費ウェブサイトやECサイト等を構築、更新、改修するために要する経費
4.展示会等出展費展示会・商談会の出展料等
5.旅費  販路開拓(展示会等の会場との往復を含む)等を行うための旅費
6.開発費新商品・システムの試作開発費等(販売商品の原材料費は対象外)
7.資料購入費 補助事業に関連する資料・図書等
8.雑役務費 補助事業のために雇用したアルバイト・派遣社員費用
9.借料機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
10.設備処分費新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等
11.委託・外注費店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼(契約必須)

申請期限
2022年9月20日締切
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:原則2022年9月12日(月)

補助金4. 事業再構築促進事業

事業再構築補助金を活用するためには、「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」または「事業再編」のいずれかの事業再構築類型に該当するよう事業を計画する必要があります。

補助額が大きく、従業員数によっては最大8,000万円の補助金が受けられる可能性があります。

運輸業にとって事業再構築補助金が良い点は建築物・建物改修費が対象となることです。例えば、トラック輸送業で長距離中心だったものを配送センターを立てることで近場の共配に参入することが可能になります。

また、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスの参入なども可能です。

対象者
新型コロナの影響を受けた中小企業・個人事業主

主な申請要件
1.コロナ禍の影響によって売上が減少していること
2.新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す「事業再構築」を行うこと
3.認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定すること

支給額

従業員数補助額補助率
20人以下100万円~2,000万円中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2
21~50人100万円~4,000万円中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2
51~100人100万円~6,000万円中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2 (4,000 万円超は 1/3)
100人以上100万円~8,000万円中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は 1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000 万円超は 1/3)
通常枠(中小企業)の補助額・補助率

補助対象経費
補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります。
●建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。
●広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)

2.補助対象外の経費の例
●補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
●不動産、株式、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
●フランチャイズ加盟料、販売する商品の原材料費、消耗品費、光熱水費、通信費

申請期限
2022年6月30日

トラック協会の助成事業

運輸業の補助金で検索しますとトラック協会の記事が多くヒットしました。

ここでは、全日本トラック協会と地方の代表として東京都トラック協会の助成事業を記載しています。お住いの都市での助成事業とは違うかもしれませんが、参考にしていただければと思います。

車載カメラやアルコール検知器、高機能な血圧計、ドライブレコーダー、アイドリングの代わりになる機器の購入などの助成金や、ドライバーの安全教育訓練促進助成制度はぜひチェックしてください。

トラック協会の助成事業1.安全装置等導入促進助成事業 

東京都トラック協会では(東ト協)では、交通事故防止対策事業の一環として、全日本トラック協会(全ト協)が定める標記助成事業、及び東ト協で定めるアルコールインターロック装置導入に係る助成事業について、以下のとおり東ト協会員事業者に対して申請受付をします。

支給額

助成対象装置全ト協助成枠東ト協助成枠
後方視野確認支援装置(バックアイカメラ)2万円を上限
側方視野確認支援装置(サイドビューカメラ)2万円を上限
呼気吹込み式アルコールインターロック装置2万円を上限4万円を助成
IT機器を活用した遠隔地で行う点呼に使用する
携帯型アルコール検知器
2万円を上限
※取付工賃、消費税は取得価格に含まない。

【全ト協助成枠】
 2万円を上限 助成額1/2までとし、1会員事業者、装置30台分まで。
 
【東ト協助成枠】
 「呼気吹込み式アルコールインターロック装置」1台につき、4万円を助成。なお、1会員事業者、装置5台分まで。

申請期限
令和4年4月15日から令和5年3月21日(必着)まで

トラック協会の助成事業2.ドライバー等安全教育訓練促進助成制度

トラック運送業界においては、ドライバーの安全意識の⾼揚や安全運転技能の向上が課題となっており、業界を挙げた従業員教育の充実強化への取組みが要請されています。

本制度は、都道府県トラック協会の会員事業者が、全ト協が指定する研修施設に、⾃社のトラックドライバー⼜は安全運転管理者等を派遣し、所定の研修を受講させた場合に、その費⽤の全部⼜は⼀部につき助成を⾏うものです。

対象者
都道府県トラック協会の会員事業者

主な申請要件
ドライバー等に対する安全教育訓練で、全ト協が指定する研修

支給額
【一般研修】
 1泊2日:1万円
【特別研修】
 2泊3日:受講料の7割を助成(Gマーク認定事業所の場合は全額助成)

申請期限
令和4年4月1日~令和5年3月31日

トラック協会の助成事業3.血圧計導入促進助成事業  

東京都トラック協会では、過労死や健康起因事故につながる、脳・心臓疾患発症の要因となる高血圧の予防には血圧測定が重要であることから、血圧計の普及を図るため、全日本トラック協会が実施する乗務前点呼における血圧測定に活用できる高機能な血圧計の導入助成事業の取次を行っています。

対象者
東ト協会員で、会費の滞納が無い中小企業。

主な申請要件
全ト協指定の対象機器を購入し、設置してください。

支給額
5万円を上限として、取得価格の2分の1とする。

対象経費
高機能な血圧計の導入費

申請期限
令和4年5月23日~令和5年2月28日

トラック協会の助成事業4.環境対応車導入促進助成事業

温室効果ガスの排出削減と地球環境の保全を図ることを目的として、環境対応車の導入を行う各都道府県トラック協会会員事業者に対し、必要な経費の一部を助成いたします。

対象者
各都道府県トラック協会協会員の中小企業者

支給額
車両総重量2.5トン超の貨物自動車運送事業の用に供する自動車

国等との補助制度と併用するもの
1.CGNトラック(天然ガス自動車)(新車新規登録自動車に限る)
 ※CNGとは「Compressed natural gas」の略で、天然ガスの事を指します。

最大積載量価格差全ト協東ト協
2トンクラス730,000243,000122,00091,000456,000
4トンクラス2,750,000916,000459,000343,0001,718,000
※国の助成額は価格差の1/3、 全ト協1/6・東ト協は1/8

2.ハイブリッド自動車(新車新規登録自動車に限る)

最大積載量価格差全ト協東ト協
2トンクラス770,000256,00097,0000353,000
4トンクラス2,680,000893,000335,00001,228,000
※国の助成額は価格差の1/3、全ト協1/8

3.CNGトラック(天然ガス自動車)(使用過程にあるディーゼル車からの改造)

最大積載量価格差全ト協東ト協
2トンクラス730,000243,000100,00050,000393,000
4トンクラス2,750,000916,000100,00050,0001,066,000
※国の助成額は価格差の1/3、全ト協・東ト協定額

国の補助金を併用することを条件としないもの(新車新規登録自動車に限る)
1 .天然ガス自動車

車両総重量全ト協(定額)東ト協
25トンクラス1,000,000500,0001,500,000

2 ハイブリッド自動車

車両総重量全ト協(定額)
25トンクラス300,000


3 電気自動車

車両総重量全ト協(定額)
2.5トン超300,000

申請期限
事前申請:令和4年4月1日(金)から令和5年1月31日(火)
事後申請:令和4年7月29日まで

トラック協会の助成事業5.アイドリングストップ支援機器導入促進助成事業

省エネ・地球温暖化防止対策のため、CO2を始めとする温室効果ガスの削減及び省エネルギー対策の一環として、エコドライブの実施、アイドリングストップの励行など排出抑制・再利用・省資源化を支援するもの。

対象者
東ト協会員で、会費の滞納が無い中小企業。

主な申請要件
当該年度(令和4年4月以降)に新たに導入(装着)したものについて対象とする。令和5年2月28日(火)までに導入(装着)及び支払いが完了し、補助申請関連書類一式を提出できること。

対象経費

蓄熱マット等上限15,000
エアヒータ上限60,000
車載バッテリー式冷房装置上限60,000
導入する機器の価格(税別)の2分の1以内の額または上限額のいずれか少ない額とする。


申請期限
令和4年6月1日(水)から令和5年2月28日(火)まで

トラック協会の助成事業6.ドライブレコーダー導入に対する補助金

ドライブレコーダー導入に対する補助金

対象者
東ト協会員事業者の中小企業者

主な申請要件
東京都内の事業用貨物自動車に初めて、本年度、導入(装着)する3年度要綱に定めるEMS用機器またはDR用機器。

対象経費

エコドライブ管理システム(EMS)用機器(リース、買取り)EMS用機器  
上限10,000
ドライブレコーダー(DR)用機器(リース、買取り)標準型・運行管理連携型  
上限10,000
※但し、EMS用車載器とDR用車載器を合わせて1社15台まで(補助数制限)

申請期限
令和4年6月1日(水)から令和5年2月28日(火)

トラック協会の助成事業7.トラック運転者の「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」スクリーニング検査助成事業 

検査機関から送られた検査機器を、装着して睡眠することで、睡眠時の呼吸状況が記録される。その機器を返送すると、検査・医療機関がSASの可能性を分析・診断する検査。

対象者
東ト協会員事業者の都内事業所に勤務している運転者

支給額
1社30名まで、1人上限4,000円(全ト協助成額2,500円+東ト協助成額1,500円)
※ 検査費用は概ね1人5,500円で、助成額は検査費用を上限とします。

申請期限
令和4年4月20日(水)~同年12月23日(金)

運輸業の補助金・助成事業まとめ

運輸業で使える補助金や助成事業をこれまで見てきました。原油高でガソリン価格が高騰していますので、これらの補助金や助成事業を活用して設備を整え、アイドリングを減らすなどで燃費をよくして費用の抑制につなげてください。

また、運送業界ではドライバーの安全意識の⾼揚や安全運転技能の向上が課題となっており、業界を挙げた従業員教育の充実強化への取組みを行っています。安全教育訓練に要する時間やコストの負担は⼤きいので、安全教育訓練促進助成制度の活用を考えてみてください。

まとめ1.助成事業からチェック

運輸業に使える補助金と助成事業がありますが、まずしていただきたいのは助成事業です。

助成事業は予算の範囲内で申請に不備がなければ助成されやすいものになっています。予算の上限や機器の上限個数があったりしますので早めに申請してください。

トラック協会の助成事業は結構手厚くされている印象でした。運送業で必要な機器類は助成事業でかなりまかなえます。

大きな事業転換やITを導入して業務の効率化を考えるのであれば補助金の申請を考えてください。

まとめ2.申請書はわかりやすく書く

自社にあった補助金が見つけられたら、補助金・助成金の要件に合った申請書を作成します。

その制度の趣旨に合致しているか、課題の解決ができる内容なのか、事業として成り立つのかがポイントになります。
せっかく申請しても要件を満たしていなければ受給できません。

また、審査する担当者はその道のプロではないため、専門用語や業界用語で書かれているとわかりづらいかもしれません。申請書はわかりやすさを重視して作成しましょう。

まとめ3.専門家に相談しよう

補助金・助成金には予算の上限がありますので、申請したもの全てが助成を受けれるわけではありません。

補助金の審査は、同じような内容であれば、より優れたものが採用されるという特徴があります。補助金、助成金に詳しい方がいない場合は専門家を活用することがおすすめです。

専門家には税理士、社会保険労務士、中小企業診断士やコンサルタントがいます。確定申告の時にお世話になっている税理士などお近くの専門家に相談してみましょう。

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