東京都の「カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金」は、都内の対象事業者がマニュアルの整備・周知と実践的な対策を行い、審査を経て定額40万円を受け取る制度です。カメラやAI議事録アプリを購入するだけで受給できる制度ではありません。

令和8年度第2回の事前エントリーは、2026年11月4日10時~11月18日17時です。実践的な取組と必要な周知も11月18日までに完了してください。受付件数は5,000件で、先着順ではありません。支給申請の受付は抽選により複数回に分けて行う予定です。

この記事は、事業者ご自身で申請するための解説です。次の順番で進めてください。

制度情報は2026年11月5日に公式サイトと令和8年度第2回募集要項を確認しました。画像は同日の公開画面・公式様式の引用、図解は当社作成です。個別に届く支給申請用URLや、実際の申請者の情報は掲載していません。

東京都カスハラ奨励金40万円の申請方法の記事でわかる3つのこと:40万円の定額奨励金。マニュアル・周知・実践的な取組が必要、GビズIDプライムを準備し、事前エントリーと支給申請を行う、カメラの保存機能・導入証拠・必要書類と、決定後の請求を確認
図解:東京都カスハラ奨励金40万円の申請方法で最初に押さえたい3つのポイント

40万円の仕組みと今回の締切を先に確認

この制度は、購入代金に一定の補助率を掛けて精算する一般的な設備補助金とは仕組みが異なります。定められた対策を実施した事業者に対する奨励金です。機器の購入額を40万円にそろえる必要はありませんが、費用が発生しない無料体験などは実践的な取組の対象外です。

現行募集と過去の受付を混同しない

受付回・手続き状況・日程確認すること
令和7年度第1~3回受付終了当時の先着順などの説明を今回に当てはめない
令和8年度第1回受付終了受給済みや前回申請中の扱いは現行の募集要項・FAQで確認
令和8年度第2回の事前エントリー2026年11月4日10時~11月18日17時現在の募集。受付件数5,000件、先着順ではない
マニュアル・実践的な取組・周知2025年4月1日以降~2026年11月18日まで購入・契約だけでなく、設置・利用開始や周知も完了する
支給申請に関する案内2026年11月24日以降の予定エントリー登録メールへ案内。抽選による受付の詳細は今後公表
Jグランツの支給申請案内メールで指定される期間事前エントリーと別の手続き。現在一律の締切を推測しない
書類審査・支給決定必要書類の提出確認後、審査開始から3か月程度の見込み不備対応や申請状況で変わる
請求・振込支給決定後に請求。振込は請求後1か月程度が目安支給決定だけで手続き完了ではない

10月時点の案内や一部の旧資料には変更前の日程が残っています。今回は11月18日までに変更されています。公式サイトは今回で事前エントリーの募集を終了すると案内しています。

東京都の公式サイトに掲載された令和8年度第2回の事前エントリー期間と受付件数の案内

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出典:公式トップページ(2026年11月5日撮影、案内部分を抜粋)。最新の受付案内を確認するための引用です。

「抽選に当たれば40万円確定」ではない

事前エントリーは支給申請へ進むための手続きです。公式は、登録したすべての事業者へ11月24日以降に案内するとしています。そのうえで、支給申請の受付を抽選により複数回に分けて行う予定です。

抽選の詳細・申請受付の割り振りは、今後の公式案内で確認します。「5,000社が抽選だけで採択される」「登録順が早いほど有利」とは説明できません。最終的な支給・不支給は、Jグランツから提出した書類の審査で決まります。

自分の会社・個人事業が対象か確認する

機器やサービスの契約より先に、対象者の確認をしてください。募集要項の判定日は2026年11月18日です。主な確認項目は次のとおりです。

  • 常時雇用する従業員が300人以下である。
  • 都内で事業を営み、都内事業所で継続して1年以上、実質的に事業を行っている。
  • 法人は都内に本店登記、または支店の事業所がある。個人事業主は税務署へ開業届を提出している。
  • 対象となる税金の滞納がなく、労働関係法令を守っている。
  • 過去5年間の重大な法令違反、事業継続が不確実な整理手続き、対象外の業種・団体等に該当しない。
  • 同じ奨励金を過年度も含めて受給済み・受給予定ではない。今回、重複エントリーをしない。

従業員がいない個人事業主でも、直ちに対象外となるわけではありません。一方、開業から1年未満の事業者は「1年以上」の要件を満たせません。登記住所だけを借り、都内で実際の事業を行っていない場合も要注意です。

対象者の条件はこれだけではありません。募集要項には都の政策連携団体等の除外、暴力団との関係の排除なども定められています。現行募集要項の「対象事業者の要件」を最後まで確認してください。常時雇用の定義や法人の範囲も、同じ欄で確認できます。

同じ代表者で会社を分けて申し込まない

同一企業による重複だけでなく、同じ代表者の別法人や個人事業も、重複エントリーとみなされます。同じメールアドレスで複数登録することもできません。修正したい場合に、自己判断で新しいエントリーを追加しないでください。

受給済み・受給予定の事業者は対象外です。前回落選した方など、過去に申請した方は公式の申請方法・FAQで現在の申請状況に応じた案内を確認してください。前回分の申請中・撤回中などで判断できない場合は、重複申請の前に事務局に照会します。

最初にGビズIDプライムを準備する

GビズIDは、行政の電子申請に使う共通アカウントです。この奨励金ではGビズIDプライムが必要です。エントリー時点で準備し、後のJグランツでも同じ事業者の情報を使用します。

  1. GビズID公式サイトを開き、すでに取得済みならログインできるか確認します。
  2. 未取得なら、公式サイトの「申請・利用方法」からご自身に合うプライムの取得手続きを確認します。
  3. 登録した法人・個人の区分、名称、住所、代表者、メールアドレスを確認します。
  4. Jグランツで事業者情報を確認し、法人番号または個人事業主の事業者識別番号を控えます。

法人は13桁の法人番号、個人事業主は8桁のJグランツ事業者識別番号を使います。個人のマイナンバーを入力する欄ではありません。

取得方法や本人確認の所要時間は申請方法によって異なります。発行が間に合わなくてもエントリー期限の猶予はありません。すでに取得した方も、二要素認証を含めて実際にログインできるか早めに確認してください。

マニュアル作成と基本方針の周知を済ませる

購入だけで終わらない。必要な対策の図解。主な項目:マニュアルの必須7項目を整え、社内へ周知する、基本方針は社内と社外へ周知し、証拠を残す、録音・録画、AI、外部人材から実践的な取組を1つ選ぶ、取組と必要な周知を11月18日までに完了する
図解:購入だけで終わらない。必要な対策で押さえたいポイント

カメラ・AI等の導入とは別に、マニュアルと基本方針の整備・周知が必要です。新しい機器を設置しただけでは、この条件は満たせません。

マニュアルに必要な7項目

2025年4月1日以降~2026年11月18日までに作成または改定し、企業名と作成・改定年月日を記載します。「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」への言及も必要です。

必須項目自社用に決める内容の例
作成の目的従業員の安全を守る目的、条例との関係、組織で対応する理由
カスハラの定義正当な意見・苦情と区別する考え方、判断材料
基本方針顧客の権利を尊重しながら、暴言・脅迫等へどう対応するか
顧客対応の考え方初期対応、傾聴、説明、担当者だけで抱え込まないルール
カスハラへの対応管理者への引継ぎ、対応中止、警察・専門家への相談の流れ
社内体制相談窓口、責任者、従業員のケア、研修・再発防止
企業間取引での対応自社が取引先へカスハラを行わない方針、取引先からの行為への対応

見出しだけ並べた文書では足りません。担当者名・相談先・判断手順など、実際に運用できる内容にします。

東京都の事業者マニュアルひな形をダウンロードし、自社の業種と顧客対応に合わせて編集すると進めやすくなります。ひな形の社名欄だけ変えて終わりにせず、相談窓口や対応フローも自社の体制に合わせてください。

マニュアルは社内、基本方針は社内と社外へ

周知するもの周知先残す証拠の例
マニュアル社内内容と送信日がわかるメール・チャット画面、掲示写真
基本方針社内基本方針を添付・掲載したメール・掲示の記録
基本方針社外自社サイトの掲載画面、店頭掲示、顧客向け案内
録音・録画環境の整備を選ぶ場合の告知社外企業名・周知日と録音・録画の実施がわかる掲示等
AI導入を選ぶ場合の告知社内AIの導入内容と周知日がわかるメール等

基本方針と「録音・録画を行っていること」の告知は、確認される内容が異なります。基本方針だけをサイトへ載せても、録音・録画環境の社外周知が済んだことにはなりません。

実務上は、実施した日に証拠も保存するのが確実です。掲示物の本文だけでなく、実際の設置場所がわかる写真を残します。Web掲載はURLと掲載日、内容が読める画面を保存し、メールは日付・宛先の範囲・本文が確認できる状態でPDF化します。日付を後から実施日と異なる内容に書き換えてはいけません。

実践的な取組は3種類から1つを選ぶ

対面はカメラ、オンラインはtl;dvの図解。主な項目:対面応対はTapo C210/Aで映像・音声をmicroSDへ保存、オンライン商談はtl;dvで録画・文字起こし・AI分析、AIへ暴言・脅迫などの候補を時刻付きで抽出するよう指示、責任者が元の録画を確認し、社内の対応フローへ引き継ぐ
図解:対面はカメラ、オンラインはtl;dvで押さえたいポイント

共通のマニュアル・基本方針の対策に加え、次のいずれか1つを行います。3つ全部を契約する必要はありません。2026年11月18日までに、実際に使える状態と必要な周知まで整えてください。

選択する取組内容つまずきやすい点
取組① 録音・録画環境都内の職場に、カスハラ対策用の録音・録画機器を新たに整備本体に保存機能のないWebカメラ、録音ソフトだけの契約は対象外
取組② AIシステムカスハラ対策に資するAIシステムを新たに導入汎用的な生成AIだけの利用、無料体験、6か月未満の利用契約は対象外
取組③ 外部人材外部人材を活用した相談体制や研修等を整備契約期間・相談や研修の実施内容・実施記録を確認する

取組③は、専門家による相談対応等の継続契約、社内研修、警備会社との法人契約などが対象です。相談対応・警備の継続契約は6か月以上が必要で、研修は自社が主催し11月18日までに実施を終えます。他社のセミナーに参加するだけでは対象になりません。専門家の要件、社内周知、継続契約の運用ルール、都内事業所を対象とした実施も確認してください。選択する取組に合う申請様式を公式の一式から使用します。

購入・契約の主体は申請事業者です。法人では代表者の個人名の契約・領収書や個人支払は認められません。関連会社からの購入・契約、都外の事業所だけへの導入なども対象外です。取組ごとの要件を募集要項で確認してください。

対面の打ち合わせにはTapo C210/A、オンライン商談にはtl;dv

顧客との対面打ち合わせを記録するならTapo C210/A、オンライン商談を録画しAIで問題発言の候補を抽出するならtl;dvをおすすめします。記録を責任者が確認し、担当者だけで抱え込まない対応体制を作るための選び方です。

利用場面おすすめ記録・確認の方法本制度に使う場合の申請区分
店舗・受付・対面での打ち合わせTP-Link Tapo C210/A本体に挿入したmicroSDカードへ映像・音声を保存取組① 録音・録画環境
Google Meet・Zoom・Teamsでの顧客商談tl;dv Business会議を録画・文字起こしし、設定した指示でAI分析取組② AIシステム

奨励金は商品を買えば支給されるものではありません。導入時期・企業名義・都内での利用、マニュアル、運用ルール、周知と証拠資料をそろえて審査を受けます。tl;dvを使う場合も、通常の議事録用途だけでなく、カスハラ対策用の設定・運用を示す資料が必要です。提出する証拠資料で確認してください。

取組①:対面応対の録画・録音にはTapo C210/Aをおすすめ

Tapo C210/Aは、屋内での対面応対を録画・録音したい事業者におすすめです。別売microSDカードへの録画保存に対応し、音声はTapoアプリの「音声を録音」をオンにして記録します。本体に記録機能のないWeb会議用カメラとは異なります。

TP-Link Tapo C210/A 屋内用Wi-Fiカメラ

店舗・受付での打ち合わせを録画・録音するならこちら。別売microSDカードを入れ、Tapoアプリで録画と音声録音を設定して使います。

カメラを購入する・付属品を確認する

購入から運用開始までは次の5つです。

  1. 設置場所、保存期間、録画を見られる責任者を決めます。屋外や電話応対の記録が目的なら、その用途に合う別の機器を選びます。
  2. 申請事業者の名義と支払方法で、カメラと対応microSDカードを購入します。領収書を保存してください。
  3. Tapoアプリで初期設定し、microSD録画と「音声を録音」を有効にします。
  4. 顧客との打ち合わせを想定してテスト録画し、顔・声・会話が保存されているか再生して確かめます。
  5. 録画・録音の告知を掲示し、設置状況・型番・掲示の写真と、運用ルールを保存します。

双方向通話の機能と、録画に保存される音声の範囲は別です。メーカーFAQではアプリ側から話した声は保存されないと説明しているため、必要な会話を記録できる位置で使います。対応カードと設定方法は、末尾のメーカー公式資料から確認できます。

リース等の契約は6か月以上が必要です。無料体験、フリマ・オークションでの購入、以前からある機器の単なる買い替え・契約更新などは対象外です。

取組②:オンライン商談の録画・AI分析にはtl;dvをおすすめ

顧客とのオンライン商談から問題のある発言を見つけ、社内で対応するには、tl;dv Businessの年契約をおすすめします。録画・文字起こしに加え、指定したテーマを抽出するAI分析と定期レポートを使えます。年契約は制度が求める6か月以上の契約期間にも対応します。契約前に、リンク先で年払いと利用機能を確認してください。

次は、公式の「Ask tl;dv AI」と定期レポート機能をカスハラ対策へ使う当社提案の手順です。専用のカスハラ認定機能ではなく、分析指示を設定して該当発言の候補を見つける運用です。

  1. 録画担当者ごとのアカウントを用意します。参加者へ録画・AI分析の目的を伝え、同意を得て顧客との会議を録画します。
  2. 録画を開いて「Ask tl;dv AI」へ、下の分析指示を入力します。
  3. 継続して確認する場合は、対象の顧客商談を選び、定期AIレポートに同じ指示と実行頻度を設定します。
  4. 責任者が抽出された発言の時刻から元の録画・文字起こしを確認し、担当交代や対応中止などの社内ルールに沿って対応します。
  5. 実際の設定画面、分析結果、運用ルール、社内周知の記録を保存します。申請用の資料では顧客情報を必要に応じて伏せます。

AIへの分析指示の例(当社作成)

「この会議から、暴言・脅迫・差別的な発言・不当な要求・反復的な威圧に当たる可能性のある発言を抽出してください。各件を、発言時刻/発言者/該当発言/確認が必要な理由に分けて一覧にしてください。該当発言がなければ、その旨を記載してください。カスハラの最終判断は行わず、管理者の確認事項としてまとめてください。」

AIの抽出結果は確認のきっかけとして使い、責任者が元記録を確認します。録画中の自動通報や、すべての会議に対する常時監視を行う機能としては説明しません。

tl;dv

オンライン商談を録画し、AIで問題発言の候補を抽出・共有する運用におすすめです。継続的な確認には、定期レポートを使えるBusinessの年契約を選びます。

tl;dvを導入する・Businessプランを確認する

本制度へ申請する場合は、企業名義の有償契約に加え、公式のAI機能資料と自社のカスハラ対策設定・出力例を用意します。無料登録や契約だけで終わらず、11月18日までに利用開始と社内周知を済ませてください。

必要書類を共通・法人・個人に分けてそろえる

必要書類の本格的な提出は、事前エントリー後のJグランツでの支給申請です。ただし、締切までに済ませるべき取組や証拠の準備は先に進めます。

まず公式の募集要項ページから、令和8年度第2回の募集要項と申請様式をダウンロードしてください。Excel版で記入してPDF化する方法と、手書き用PDF版が案内されています。古い年度の保存ファイルを流用しないようにします。

全事業者が準備する書類

区分書類・資料チェックするところ
申請情報支給申請書(様式第1号)、誓約書(様式第2号)、事業所一覧(別紙)GビズID、登記・開業届、領収書の名義・住所と整合しているか
事業の説明会社案内またはホームページの写し等自社の事業内容がわかるか
マニュアルマニュアル本体、社内周知資料、マニュアル対応表7項目、企業名・作成改定日・条例への言及と掲載ページを確認
基本方針基本方針の文書、社内・社外への周知資料内容と周知日、実際に周知した状況がわかるか
選択した取組購入・契約、機能、設置・利用、周知等の証拠次の証拠資料一覧を確認
該当する場合都内での実質的な事業活動を示す追加資料等募集要項の提出条件と自社の状況を照合

マニュアル対応表は、7項目がマニュアルの何ページにあるかを示す書類です。本文を完成してページ番号を確定してから記入します。対応表に項目を書くだけで、マニュアル本体の不足を補えるわけではありません。

法人が追加で用意するもの

  • 履歴事項全部証明書など募集要項で認められた登記関係書類。発行日の条件は2025年9月18日以降です。都内事業所が確認できるかも確認します。
  • 法人事業税の納税証明書。
  • 法人都民税の納税証明書。
  • 非課税等の場合や都内事業所の実態確認が必要な場合の追加資料。

税の証明は「納付したときの領収書」や「納税通知書」とは別です。都税事務所等で、必要な税目と年度の納税証明書を取得します。2026年11月18日時点で納期が到来した直近決算期の、1年度分・12か月分が基本です。決算月によって対象年度が変わるため、自社の決算に合わせて確認してください。

個人事業主が追加で用意するもの

  • 個人事業の開業・廃業等届出書。
  • 住民票の写し。マイナンバーは記載しないものを用意し、記載がある場合は読めないように隠します。
  • 個人事業税の納税証明書。非課税の場合は、募集要項に沿った所得税の納税証明書「その1」等を確認します。
  • 住民税の納税証明書。居住地と事業所所在地が異なる場合は、それぞれの区市町村の証明書を確認します。
  • 税が非課税等で、別の実態確認資料が求められる場合の追加資料。

法人事業税が課税額0円・非課税の場合や、個人事業税が非課税の場合は、事業実態を示す追加資料も必要です。従業員の確認書類、事業許可証、他社との契約書、直近の確定申告書など、要項の別紙1・2に指定された資料から該当するものを用意します。個人の住民税が非課税なら、住民税非課税証明書を確認してください。

開業届は提出したことが確認できる資料も含め、現行要項の注意書きを確認してください。e-Tax利用時の受信通知など、提出方法に応じた資料が必要になる場合があります。住民票の発行期限や税証明の年度も、提出前に要項の該当欄と照合します。

PDF化・ファイル名・読みやすさを確認

紙の証明書は、文字・日付・全ページが読める状態でスキャンしてPDFにします。基本はA4サイズのPDFで、周知写真や機器写真などは募集要項で認められたJPG・PNGも使えます。

募集要項には、提出ファイル名の指定があります。例えば「01_支給申請書(様式第1号)_企業名」「10_マニュアル_企業名」「12_マニュアル対応表_企業名」です。番号と名称は現行要項から写し、「企業名」の部分を自社名に置き換えます。

スマートフォンで撮る場合は、影・手ぶれ・端の欠けに注意します。ファイルを開いて拡大し、細かな数字まで読めるか確認してください。写真を撮っただけで提出済みにはなりません。Jグランツへ添付する作業が別に必要です。

カメラ・AI導入の証拠をまとめる

カメラを購入した履歴だけでは、職場への設置・カスハラ対策としての運用・社外周知まで確認できません。「支払」「機能」「設置・利用」「周知」を一組として残します。

資料録音・録画環境を選んだ場合AIシステムを選んだ場合
購入・利用契約企業名入りの領収書、リース等なら6か月以上の契約がわかる書類企業名入り領収書、6か月以上の利用契約がわかる書類等
機能の確認購入したものと同じ型番のパンフレット・公式製品資料AI機能とカスハラ対策への利用がわかる資料
整備の状況設置機器の全体と型番がわかる写真サービス名・利用状況等がわかる資料を現行要項に沿って用意
周知の証拠企業名と周知日がわかる社外向けの録音・録画告知導入内容と周知日がわかる社内向けの案内
申請書の記載運用ルール、対策が進んだ内容運用ルール、対策が進んだ内容

領収書等の宛名・住所は、事業所一覧の記載と整合させます。請求書・納品書だけで支払済みの証明に代えることや、宛名のないレシートだけの提出は避けてください。法人が個人名義で購入・支払したものを、後から申請名義へ読み替えることはできません。

書類ごとの社名表記や住所に不一致があると、その確認に時間がかかる場合があります。購入前に「申請する事業者名」「設置先」「領収書の宛名」を一度そろえて確認する方法をおすすめします。

記入例を見ながら申請資料を作る

以下は「株式会社サンプル商店」という架空の会社の記入例です。日付は2026年11月5日、店舗受付にTapo C210/Aを設置した想定で統一しています。自社で実施した内容に書き換えてください。氏名・住所・署名・税や口座の証明書は作成していません。

1.支給申請書:導入した機器と設置場所

支給申請書の機器情報の記入例。架空の会社がTapo C210/Aを店舗受付へ設置した場合の機器名・導入日・設置場所

公式の第2回申請様式を基にした架空の記入例。画像を拡大する。

機器名・型番・購入日・設置日・設置先は、領収書と機器写真に合わせます。「録音できるカメラ」のような総称だけでなく「Tapo C210/A」と型番まで記載してください。

2.マニュアル対応表:7項目の掲載ページを記入

マニュアル必須項目対応表の記入例。架空の7ページのマニュアルと必須7項目のページ・章・内容を対応させた見本

公式の第2回申請様式を基にした架空の記入例。画像を拡大する。

例では、目的を1ページ、定義を2ページ、基本方針を3ページ、顧客対応を4ページ、対応フローを5ページ、社内体制を6ページ、企業間取引を7ページにしています。実際のマニュアルのページ・章・見出しに置き換えます。7ページで作る義務はありません。

3.運用ルール:閲覧者・保存期間・録画の告知

録音録画機器の運用ルールの記入例。保存30日・責任者の閲覧・社外告知を例に、通常運用と盗聴盗撮の防止策を記載

公式の第2回申請様式を基にした架空の記入例。画像を拡大する。

例では「受付の応対を録画・録音」「店舗責任者だけが閲覧」「原則30日で削除」「録画の目的を入口に掲示」としています。30日は法定の一律基準ではなく、この例で設定した期間です。自社で必要な期間と管理方法を決めます。

4.基本方針:社内・社外へ掲示する文面

カスタマーハラスメントに対する基本方針の記入例。顧客の権利の尊重、従業員を守る対応、取引先への禁止を示す架空の掲示文

当社作成の架空の文面例。公式様式ではありません。画像を拡大する。

文面の例:「当社は、お客様・取引先のご意見を誠実に受け止めます。一方、暴言、脅迫、長時間の拘束など、従業員の就業環境を害する行為には組織で対応します。従業員は店舗責任者へ報告し、必要に応じて対応を終了し、警察・専門家へ相談します。当社も取引先にカスタマーハラスメントを行いません。」

企業名・策定日・相談先を添えて、実際に社内と社外へ周知してください。

5.社内周知メール:誰に・いつ・何を伝えたか

社内周知メールの文面例。架空の会社が全従業員へマニュアル・基本方針・カメラ運用の開始を案内する見本で、送信済み画面ではない

当社作成の架空の文面例。実際の送信画面ではありません。画像を拡大する。

件名の例:「カスハラ対策マニュアルと受付カメラの運用開始(2026年11月5日)」

本文には、マニュアル・基本方針の掲載場所、録画・録音の目的、保存期間、閲覧責任者、問題発生時の報告先を書きます。tl;dvを導入する場合は、AI分析の目的・対象会議・確認担当者も加えます。

送信後、宛先の範囲・送信日・本文が読める画面をPDFで保存します。このサンプル画像を実施の証拠として提出せず、自社が実際に周知した記録を添付してください。

事前エントリーの入力方法を実画面で確認

事前エントリーから振込までの図解。主な項目:GビズIDの登録情報を確認し、事前エントリーする、完了メールを保存し、11月24日以降の案内を確認する、自社専用の案内からJグランツで支給申請を行う、書類審査を経て支給決定後に請求し、振込を確認する
図解:事前エントリーから振込までで押さえたいポイント

ここからは2026年11月5日に確認した、無入力の公開フォームを使って説明します。画面や項目は変更される場合があります。申請書類を添付するJグランツとは別のフォームです。

1.公式サイトから入口を開く

公式サイト右上などにある「事前エントリーはこちらから」を押します。検索で見つけた過年度の申請用URLや、他社に届いた支給申請用URLは使わないでください。

アクセスが集中すると待合室が表示されます。その場合は画面を閉じず、公式の案内に従って待ちます。戻るボタンや更新ボタンを繰り返し押さないようにしてください。

2.事業形態・番号・名称・住所を入力する

現在の事前エントリーフォーム前半。事業形態、法人番号または事業者識別番号、法人名・屋号、住所の入力欄

画像を拡大する

出典:公式サイトから開いた事前エントリーフォーム(2026年11月5日、無入力の画面を引用)。画面の社名・数字は入力例です。

入力欄入力する内容間違えやすい点
事業形態法人または個人事業主を選択GビズID・提出書類と同じ区分にする
法人番号/事業者識別番号法人13桁、個人事業主はJグランツの8桁の番号マイナンバーではない。先頭の0も省かない
法人名/屋号法人は登記簿どおり。個人は屋号、なければ個人名略称や通称で入力しない
所在地GビズID・Jグランツに登録した住所手元の書類と住所表記を照合する
都内事業所住所上の所在地が都外の場合に、都内の主たる事業所住所都外本店の法人等は記入漏れに注意

3.代表者・連絡先・取組の種類を入力する

事前エントリーフォームの代表者名、生年月日、電話番号、登録メールアドレス、実施した取組の選択欄

画像を拡大する

出典:同フォーム(2026年11月5日、無入力の画面を引用)。入力前に手元のGビズID情報と照合します。

  • 代表者名・カナは、画面の指示どおり姓と名の間にスペースを入れずに入力します。
  • 代表者の生年月日は西暦で入力します。会社の設立年月日ではありません。
  • 電話番号は、事務局からの確認に対応できる番号にします。
  • メールアドレスは、GビズID・Jグランツに登録しているものを入力します。確認用にも同じアドレスを入力します。
  • 実施した取組は、録音・録画環境、AI、外部人材の中から、自社が実施し証拠を提出するものを選びます。

受信設定では「@tokyo-cusharaboushi-entry.jp」と「@tokyo-cusharaboushi.jp」を受信できるようにします。普段使わないアドレスを思い込みで入力しないようにしてください。

4.同意事項を読み、送信前に最終確認する

事前エントリーの個人情報の取り扱い、申請用URL共有禁止、その他の同意事項と送信ボタンがある画面

画像を拡大する

出典:同フォーム(2026年11月5日、同意・送信を行っていない画面を引用)。

個人情報の取り扱い、第三者への申請用URLの譲渡・共有禁止、その他の同意事項を読みます。ご自身で内容に同意できることを確認してチェックしてください。

送信前に、事業者の番号・代表者の生年月日・登録メールをもう一度照合します。画面下部の「送信」を押した後は、表示された案内に従って完了を確認します。この記事の撮影では、架空情報を入れたりエントリーを送信したりしていません。

5.完了メールを確認し、保存する

エントリー完了メールが届いたか確認します。届かなければ、迷惑メールフォルダと受信設定を確認してください。届かないからといって、重複登録を追加するのは避けます。対応は公式FAQ・事務局の案内に従います。

保存しておくとよいのは、完了メール、エントリー日時、入力した事業者情報の控えです。支給申請に関する次の案内は11月24日以降の予定なので、完了メールが届いた段階でJグランツの本申請まで済んだとは考えないでください。

案内メール後にJグランツで支給申請し、決定後に請求する

Jグランツは、補助金等の電子申請システムです。事前エントリー後に届く、自社向けの支給申請案内から進みます。

  1. 案内メールで、自社が申請する受付期間と手順を確認します。
  2. 指定された支給申請用URLを開き、自社のGビズIDでJグランツにログインします。
  3. 現行の申請画面に従って、事業者情報と実施した取組の内容を入力します。
  4. 必要書類を指定の名前で添付し、入力・添付の漏れを確認して申請します。一時保存で終わらないようにします。
  5. 申請状況と事務局からの通知を確認し、不備の連絡があれば指定の方法・期限で対応します。
  6. 支給決定の通知を確認したら、Jグランツの請求フォームから奨励金請求・口座振替依頼を提出します。
  7. 振込を確認し、申請資料や機器の運用記録を保管します。

支給申請用URLは事前エントリーを通過した事業者専用です。第三者への転送やSNSへの掲載はできません。この記事にも掲載しません。

2026年11月5日時点では、今回の抽選による支給申請受付の詳細は後日案内です。そのため、未公開の今回専用画面を再現したり、過年度の画面を今回のものとして載せたりしていません。案内が公開されたら、操作名・添付欄・受付期間を現行画面で確認してください。

送信前の最終チェックと問い合わせ先

申請書ができてから、次の順に一つずつ照合します。

  • □ 都内での事業実態、1年以上、従業員300人以下などの対象要件を確認した。
  • □ GビズIDプライムを取得し、登録情報と番号・メールを確認した。
  • □ マニュアルの7項目、企業名、作成・改定日、条例への言及がある。
  • □ マニュアルを社内に、基本方針を社内・社外に周知し、証拠を保存した。
  • □ 選んだ実践的な取組と必要な周知を11月18日までに完了した。
  • □ 機器・サービスの機能、名義、支払、導入時期・場所を確認した。
  • □ 納税証明書の税目・年度、登記等の発行日を現行要項と照合した。
  • □ 添付資料は読みやすく、指定ファイル名になっている。
  • □ エントリーの完了メールを保存し、その後の案内を確認できる。
  • □ Jグランツの支給申請と、支給決定後の請求を別々に行うと理解した。

対象機器・契約・必要書類が判断しにくい場合は、公式事務局へ確認してください。電話は03-4446-4621、受付は平日9時~17時(土日祝日・年末年始を除く)です。

カメラの相談なら「メーカー・型番」「録音・録画データの保存先」「購入日」「設置する都内事業所」「社外への告知方法」をまとめると、確認したい点が伝わりやすくなります。AIなら、サービス名・プラン・契約期間に加え、カスハラ対策への利用がわかる資料を添えて確認します。

ほかの制度も含めて調べる方は、東京都の補助金一覧をご覧ください。当サイト全体では募集中272件の制度情報を掲載しています。

よくある質問

Q. カメラを買うだけで40万円をもらえますか?

購入だけでは足りません。対象事業者の要件、マニュアルの作成・周知、基本方針の社内・社外周知、実践的な取組と証拠資料をそろえ、事前エントリーと支給申請を経て審査を受けます。

Q. 対面の打ち合わせを記録するカメラは何を選べばよいですか?

屋内ならTapo C210/Aをおすすめします。本体に挿入したmicroSDカードへ映像を保存し、音声録音も設定できます。設置後は実際に録画を再生し、会話が残っているか確認してください。

Q. tl;dvを有料契約すればAI導入の条件を満たせますか?

契約だけでは足りません。取組②として申請する場合は、6か月以上の有償契約、都内での利用、カスハラ対策用のAI設定・出力例、運用ルールと社内周知の記録をそろえます。支給は提出書類の審査で決まります。

Q. 事前エントリーは早い順ですか?

先着順ではありません。期間内のエントリー時刻によって、その後の手続きや結果は変わらないと公式FAQで案内されています。締切直前の集中を避け、入力内容を確認して手続きしてください。

Q. まだ取組が終わっていません。抽選の結果を待ってから導入できますか?

実践的な取組と必要な周知は2026年11月18日までに完了する必要があります。11月24日以降の案内や抽選の結果を待ってから着手する前提では間に合いません。エントリー時も要件を確認し、実施した取組として正確に入力してください。

Q. 事前エントリーとJグランツの申請は同じですか?

別の手続きです。まず公開のエントリーフォームで登録し、後の案内に従ってJグランツから支給申請をします。支給決定後には、さらに請求手続きが必要です。

参考(一次情報)