育児休業等支援コースとは、両立支援等助成金のコースの1つです。従業員の育休が決まったときに「育休復帰支援プラン」を作り、育休の取得と職場復帰の両方を計画的に支援した中小企業に助成されます。支給は育休取得時30万円・職場復帰時30万円の2段階で、男女を問わず対象になります。

  • 対象は中小企業事業主のみです。資本金と常時雇用する労働者数の両方が中小企業事業主の基準を超える事業主は、本コースを使えません
  • 支給額は「育休取得時30万円」と「職場復帰時30万円」の2回です。1事業主あたり無期雇用労働者1人・有期雇用労働者1人の合計2人までなので、最大は30万円×2段階×2人=120万円(情報公表加算2万円を除く)です
  • 職場復帰時の30万円は、育休取得時の30万円を受給した労働者に限って申請できます。復帰時だけの単独申請はできません
  • プランの作成・方針の周知・業務の引き継ぎは、すべて休業開始日の前日までに終えている必要があります。育休が始まってからでは間に合わないため、妊娠の報告を受けた時点で動き始めるのが実務上の分かれ目です
  • 同じ育休について、出生時両立支援コース(男性の育休取得)との併給はできません

制度全体の6コース比較・受給できない事業主の共通要件は両立支援等助成金とはにまとめています。同じ「育休」を扱う周辺コースは育休中等業務代替支援コース(周囲の同僚への手当や代替要員の確保)、介護離職防止支援コース(介護)で解説しています。自社が使える制度を整理したい場合は補助金かんたん診断が早いです。

育児休業等支援コース(両立支援等助成金)とはの記事でわかる3つのこと:育休取得時・職場復帰時に各30万円が出る条件、プラン作成・業務の引き継ぎを終える期限、原職等復帰の線引きと申請期限の数え方
図解:育児休業等支援コース(両立支援等助成金)とはで最初に押さえたい3つのポイント

支給額と対象事業主の早見表(育休取得時・職場復帰時 各30万円)

育児休業等支援コースの支給額は、育休取得時・職場復帰時の各30万円と、情報公表加算の2万円です。区分ごとの対象・支給額・回数を次の表にまとめました。支給額は「両立支援等助成金 支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)」P.78、支給要領(令和8年4月8日改正)0302a〜0302cによります。

区分何をしたら対象か支給額人数・回数
[[1]育休取得時](#shutoku)育休復帰支援プランを作成し、プランに基づく引き継ぎをしたうえで、連続3か月以上の育休が取得された30万円1事業主2回まで(無期雇用労働者・有期雇用労働者 各1回)
[[2]職場復帰時](#fukki)[1]の対象労働者が育休後に原職等へ復帰し、6か月以上継続して雇用された30万円1事業主2回まで(無期・有期 各1回)
育児休業等に関する情報公表加算育休の取得状況を「両立支援のひろば」で公表した2万円[1][2]のいずれかに1回限り加算(加算のみの受給は不可)
  • 対象事業主は中小企業事業主のみです。判定は、支給申請日の属する月の初日における資本金等の額または常時雇用する労働者数で行います(業種別の基準は両立支援等助成金とは)
  • 無期か有期かは、労働者の雇用期間の定めの有無を育休復帰支援プランの策定日時点で判定します。プラン作成後に契約形態が変わっても、判定は動きません
  • 受給の上限の目安:無期1人・有期1人が両段階とも支給されると、30万円×4回=120万円です。これに情報公表加算2万円を加えた122万円が理論上の上限になります。この合計額はいずれも上表の単純計算値で、公式資料に「最大122万円」と書かれているわけではありません

(出典:手引きP.78「概要・支給額」、支給要領0302a・0302b・0302c)

対象外になる場合と併給・回数の制限

育児休業等支援コースは中小企業事業主のみが対象で、同じ育休では出生時両立支援コースと併給できません。支給の回数も、1事業主につき育休取得時・職場復帰時それぞれ2回までです。6コース共通の受給できない事業主要件(不正受給歴・労働保険料の未納付・労働関係法令違反での送検等)は両立支援等助成金とはにまとめています。本コース固有の注意点は次のとおりです。

  • 中小企業事業主の範囲を超える事業主は対象外です。資本金と常時雇用する労働者数の両方が基準を超える場合、本コースは使えません。その場合は、すべての事業主が対象の育休中等業務代替支援コース(手当支給等)など、別コースの検討になります
  • 法律違反による不支給(支給要領0302イ〜ハ)

- 支給申請日の前日から1年前の日から申請日の前日までの間に、次の法律の重大な違反があり、助成金を支給することが適切でないと認められる場合:育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、男女雇用機会均等法、パートタイム・有期雇用労働法、労働施策総合推進法、女性活躍推進法- 育児・介護休業法の重大な違反(育休取得などを理由とする不利益取扱いを含む)と、男女雇用機会均等法第9条第3項の重大な違反は、支給決定までの間に行われたものも含まれます- 申請時点で育児・介護休業法に違反し、同法第56条に基づく助言・指導を受けたのに是正していない場合- 助成金の対象となる育児休業取得者について、労働基準法第4条または第6章の2に違反する取扱いをしていることが明らかな場合

  • 出生時両立支援コースとの併給不可:同じ労働者の同じ育休について、出生時両立支援コース(男性労働者の育休取得)と本コースは両方受給できません。どちらで申請するかは、プランを作る前に決めておく必要があります(比較は両立支援等助成金とはのQ&Aを参照)
  • 育休中等業務代替支援コースとは、同じ育休でも併用できます。同コースのQ&A(Q代共6)で、同一労働者の同一の育休について、本コースとの併用が可能とされています。同僚への手当や代替要員の確保費用は、本コースとは別の助成金として検討できます(詳細は育休中等業務代替支援コース)
  • 回数の上限は、育休取得時・職場復帰時とも、1事業主につき無期雇用労働者1人・有期雇用労働者1人の合計2回までです。従業員数が多く育休取得者が続く会社でも、本コースの支給は最大でこの人数までです
  • 「職場復帰時」だけの申請はできません。職場復帰時は、同じ育休で育休取得時の助成金を受給している場合に限られます

(出典:手引きP.79・87・90、支給要領0302、0302a、0302b、0303、Q&A(育児休業等支援コース)、手引きP.8「併給調整」、育休中等業務代替支援コースQ&A(2026年度版)Q代共6)

[1] 育休取得時の支給要件(30万円)

育休取得時(30万円)の主な要件の図解。主な項目:プランによる支援の方針を全労働者に周知する、面談シートに記録したうえで育休復帰支援プランを作る、休業開始日の前日までに、プランに基づき業務を引き継ぐ、連続3か月以上の育休を取得する(産後休業を含めて可)
図解:育休取得時(30万円)の主な要件で押さえたいポイント

育休取得時の30万円は、育休復帰支援プランに基づいて育休に入る前の準備を終え、連続3か月以上の育休が取得された場合に支給されます。要件は7つで、①〜③は「休業開始日の前日まで」、⑤は「育休開始前」に済ませる必要があります。7つの要件と押さえどころは次の表のとおりです。

番号要件押さえどころ
①プランにより育休の取得・職場復帰を支援する方針を周知していること周知の相手は全労働者。今回の申請者に限らず、今後も実施する方針であることが読み取れる内容にする
②育休取得予定者と面談し「面談シート」に記録したうえで、プランを作成すること上司または人事労務担当者が面談。対面が難しければ電話・メール等でも可
③プランに基づき、業務の引き継ぎを実施していることプランによらず既に引き継ぎを終えている場合は対象外
④連続3か月以上の育休を取得したこと産後休業から続けて取得する場合は、産後休業を含めて連続3か月以上でよい
⑤育児休業制度・育児のための短時間勤務制度を労働協約または就業規則に定めていること育児・介護休業法に準拠する旨の規定を置くだけでは認められない
⑥次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていることプラチナくるみん認定を受けている事業主は、策定・届出がなくても対象
⑦育休開始日(産後休業から続く場合は産後休業開始日)に、雇用保険被保険者として雇用していること雇用保険に入っていない労働者は対象外

(出典:手引きP.79・81〜83、支給要領0301、0301a)

「休業開始日の前日」はどの日を指すか

①②③の期限(休業開始日の前日)は、休業の取り方によって基準日が変わります。休業の取り方ごとの基準日は次のとおりです。

休業の取り方期限となる「前日」の基準日
産前休業から続けて産後休業・育休を取得する産前休業の開始日の前日
産後休業から続けて育休を取得する産後休業の開始日の前日
それ以外(産後休業を取らず育休のみ、産後休業と育休が連続しない等)育休開始日の前日

産前休業から続けて取得する場合は、産前休業の開始日より前に面談・プラン作成・引き継ぎを終えなければなりません。妊娠の報告を受けてから、産前休業に入るまでの期間が準備期間になります。

(出典:手引きP.80〜82)

育休復帰支援プランに書くべき内容

プランは、厚生労働省が公開している作成マニュアル(「育休復帰支援プラン策定マニュアル」)を使って作れます。仕事と家庭の両立支援プランナー(無料)の支援を受けて作ってもかまいません。ただし、必要事項の記載がないプランは支給対象外です。プランに書く事項は次の2つです。

  • 業務の整理・引き継ぎに関する事項:誰のどの業務を、いつまでに、誰へ引き継ぐか
  • 育休中の職務・業務内容に関する情報・資料の提供に関する事項:休業中にどんな情報を、どんな手段で、どれくらいの頻度で提供するか

プランの記載事項については、手引きとQ&Aの間に一見ずれがあります。手引き(P.80)は「以下の内容のいずれも盛り込む必要があります」としています。一方、Q&A(育児休業等支援コース・Q育1)は「業務の整理及び引継ぎに関する措置は一体的な取組と考えられるため、いずれかの記載があれば支給要領0301a ハ(イ)の要件を満たす」としています。職場復帰時の申請では情報提供の事項も必要になるため、実務上は2つとも書いておくのが確実です。

方針の周知は、就業規則に次のような規定を置くほか、社内報・イントラネットの掲示板などの明文化された文書でも可能です。周知の対象はプランそのものではなく、プランによる支援を実施するという方針です。

会社は、育児休業の取得を希望する労働者に対して、円滑な育児休業の取得及び職場復帰を支援するために、当該労働者ごとに育休復帰支援プランを作成し、同プランに基づく措置を実施する。……

(就業規則への規定例。手引きP.80より要旨)

3か月以上の育休中に、短く一時就業した場合の扱い

育休中に労使合意に基づいて一時的・臨時的に就業しても、育休をしたものとして扱われる場合があります。条件は、育休開始日を起算として全ての月において、就業日数が10日(10日を超える場合は就業時間が80時間)以下であることです。合意に基づかない就業や恒常的・定期的な就業は、育休をしていることになりません。

(出典:手引きP.81、支給要領0202)

[2] 職場復帰時の支給要件(30万円)

職場復帰時の30万円は、[1]の対象となった育休について復帰支援を行い、労働者が原職等に復帰して6か月以上継続して働いた場合に支給されます。要件と押さえどころは次の表のとおりです。

要件押さえどころ
プランに基づき、職場復帰までに育休中の職務・業務内容に関する情報・資料を提供したこと郵送・メール・イントラネットのいずれも可。受信環境がない労働者にはパスワード付与やPC貸与が必要
職場復帰前に面談し「面談シート」に記録すること復帰の約2か月前の実施が望ましい
原則として、原職等(原職または原職相当職)に復帰したこと下記の例外あり
復帰後6か月以上継続して雇用保険被保険者として雇用し、かつ支給申請日にも在籍していること6か月間は就業予定日の5割以上就業している必要あり
一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていることプラチナくるみん認定事業主は不要

(出典:手引きP.87〜90、支給要領0301b)

原職等復帰とは:「原職」と「原職相当職」の線引き

原職等とは、原職または原職相当職のことです。それぞれの定義と、復帰時に確認される点は次のとおりです。

  • 原職:休業前と同一の部署(所属組織の最小単位。「○○課○○係」なら「○○係」)かつ同一の職務
  • 原職相当職:次の両方を満たすもの

- 厚生労働省編職業分類の中分類が同一であること。育休中の組織改編・閉鎖で同一の職務がなくなった場合や、業務整理で職務の関連性が高い場合、変更に客観的合理性がある場合は例外です- 休業前と同一の事業所に勤務していること。本人の選択による異動、または通勤事情などに客観的合理性があり勤務内容・処遇が変わらない場合は例外です

  • 職制上の地位が休業前を下回っていないことも必要です。主任手当・管理職手当などが復帰後に支給されなくなった場合は、地位が同等とは言えません
  • 軽易業務に転換していた場合、原職とは、原則として転換前の通常の業務を指します(本人が希望して軽易業務に復帰した場合は原職復帰とみなされます)
  • 所定労働時間が短くなる場合は、次のいずれかの利用によるものである必要があります:育児短時間勤務(育児・介護休業法第23条)、母性健康管理措置、労働協約・就業規則に定めのある制度
  • 在宅勤務は、本人の希望によるもので、中分類同一・職制上の地位維持を満たす場合に限られます。在宅勤務の日は、業務日報等で勤務実態が確認できる日だけを就業日とみなします

原職等以外に復帰する場合の救済規定と除外

原職等への復帰が原則ですが、本人の希望で原職等以外に復帰する場合でも、その希望が面談記録で確認できれば支給対象になります。ただし、この救済には1つ除外があります。育休前に無期雇用だった労働者が、育休後に有期雇用として新たに契約を結ぶ場合は対象外です。また、無期雇用だった労働者の給与形態が育休後に変わる場合も、本人の希望によるものでも原職等復帰とは言えません。例外として、育児短時間勤務などの法に基づく措置・就業規則上の制度を利用し、本人の同意が確認できるうえで給与形態を変更した場合は、この限りではありません。

有期雇用労働者が復帰にあたって雇用契約を更新する場合は、新たに契約を結んでいても対象になります(所定労働時間を短縮する場合は、上記の制度に基づく必要があります)。

(出典:手引きP.87・88、支給要領0210、0301b)

「6か月以上継続雇用」の数え方

育児休業等支援コースの「6か月以上継続雇用」は、育休終了日の翌日から数えます。数え方の要点は次のとおりです。

  • 育休終了日の翌日から6か月間、雇用保険被保険者として継続して雇用され、申請日にも在籍している必要があります。申請日までに解雇・退職、または雇用保険の被保険者でなくなった場合は対象外です
  • その6か月の間に、雇用形態や給与形態の不合理な変更がないことも必要です。Q&A(育4)では、育休の取得や育児のための時短勤務を理由に、本人が希望しない雇用形態・給与形態への変更を強要する場合などが該当するとされています
  • 6か月間は就業予定日の5割以上の就業が必要です。年次有給休暇・産前産後休業・育児休業・介護休業・子の看護等休暇・介護休暇・母性健康管理措置などの法に基づく休業は、就業したものとみなされます。就業規則に定めのある休暇・休業は、各月の所定労働時間の20%以下の範囲で就業とみなされます
  • 育児短時間勤務などにより所定労働日から除外された日は、就業予定日数に数えません

復帰せずに第2子の産前産後休業・育休に入った場合の扱いも、Q&A(育2)に定めがあります。産前産後休業や育休は就業とみなされます。そのため、第2子の産前休業開始日を起算日として6か月以上継続して雇用されていれば、第1子の職場復帰時の助成金の対象になりえます。

(出典:手引きP.89・90、支給要領0301b、Q&A育2・育4)

申請期限はいつまで?育休取得時は育休中に締切が来る

申請期限の数え方の図解。主な項目:育休取得時:育休開始日から3か月を経過する日の翌日から2か月以内、職場復帰時:育休終了日の翌日から6か月を経過する日の翌日から2か月以内、例:育休開始日が7月6日なら、10月6日から12月5日までに申請、郵送は、消印ではなく労働局への到達日が期限内であること
図解:申請期限の数え方で押さえたいポイント

育児休業等支援コースの申請期間は、どちらの区分も2か月間です。[1]育休取得時は育休開始日から3か月を経過する日の翌日から、[2]職場復帰時は育休終了日の翌日から6か月を経過する日の翌日から数えます。起算日の細かい扱いは次の表のとおりです。

申請先は、事業主の本社等(人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所)の所在地を管轄する労働局の雇用環境・均等部(室)です。登記上の本店とは異なる場合があります。郵送は配達記録が残る方法で行い、消印ではなく労働局への到達日が期限内である必要があります。

区分申請期間
[1]育休取得時育休開始日(産後休業から連続する場合は産後休業開始日)から起算して3か月を経過する日の翌日から2か月以内
[2]職場復帰時育休終了日の翌日から起算して6か月を経過する日の翌日から2か月以内

計算例です(いずれも手引きの規定を当社が日付に当てはめたものです)。

  • [1]育休取得時:育休の開始日(起算日)が7月6日の場合、3か月を経過する日は10月5日です。その翌日の10月6日から12月5日までが申請期間になります
  • [2]職場復帰時:育休の終了日が1月15日の場合、翌日の1月16日から6か月を経過する日は7月15日です。その翌日の7月16日から9月15日までが申請期間になります

育休が長期に及ぶ場合、[1]の申請期限は育休の終了を待たずに到来します。また、育休期間中に次の子の産前産後休業が始まる場合、[2]の申請期限は、次子の産前・産後休業の開始日から起算します。

(出典:手引きP.83・84・90・91、支給要領0402a・0402b・0403)

申請に必要な書類

育児休業等支援コースの主な申請書類を、[1]育休取得時と[2]職場復帰時に分けて次の表にまとめました。

書類[1]育休取得時[2]職場復帰時
支給申請書(【育】様式第1〜5号)・支給要件確認申立書○○
育休復帰支援面談シート○○(復帰前面談のもの)
育休復帰支援プラン○—
方針を周知したこと・日付が確認できる書類○—
労働協約または就業規則・関連する労使協定(育休・短時間勤務制度の部分)○○
プラン策定日における雇用期間の定めが分かる書類(雇用契約書・労働条件通知書等)○—
育児休業申出書(期間変更があれば変更申出書)○—
出勤簿またはタイムカード、賃金台帳育休3か月分育休終了前3か月分+復帰後6か月分
子の出生を確認できる書類(母子健康手帳・住民票等)○—
一般事業主行動計画策定届○(プラチナくるみん認定は不要)○(同左)
育休中の職務・業務内容に関する情報・資料の提供を実施したことが分かる書類—○
育児短時間勤務の申出書・賃金計算方法が分かる書類—復帰後に利用した場合
支払方法・受取人住所届、通帳の写し○(過去に雇用関係助成金を申請済みなら省略可)—

就業規則の作成・届出義務がない常時10人未満の事業主は、制度が明文で定められ、労働者に周知されたことが分かる書類(周知日が確認できるもの)を添付します。ただし、常時10人以上は就業規則の作成と労働基準監督署への届出が前提です。

(出典:手引きP.84・91、支給要領0402a・0402b)

育児休業等に関する情報公表加算(2万円)

[1]育休取得時または[2]職場復帰時のどちらかの申請と同時に、自社の育休の取得状況を公表すると、2万円が1回限り加算されます。加算のみの受給はできません。情報公表加算は、コースごとに1事業主1回まで支給されます。出生時両立支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースで受給済みでも、本コースで別に1回受給できます。

公表の要件は次のとおりです。

  • 厚生労働省の「両立支援のひろば」内の「一般事業主行動計画サイト」に、支給申請日までに次の情報を記載して公表する。掲載申請を完了していれば、掲載手続の完了前でも可

- 男性労働者の育児休業等の取得割合- 女性労働者の育児休業の取得割合- 男女別の育児休業の平均取得日数(算出方法と対象事業年度を併記)

  • 公表するのは申請日の属する事業年度の直前の事業年度の情報(直前の事業年度終了後3か月以内の申請で集計が間に合わない場合は、2事業年度前の情報で可)
  • 公表内容を、支給申請日から支給決定日までサイト上で公表し続け、支給決定後も少なくとも申請事業年度の終了までは公表を継続することに同意する

(出典:手引きP.78・93、支給要領0301c・0302c・0402c、Q&A(共通事項)Q共21)

申請から受給までの流れ(時系列の目安)

育児休業等支援コースは、妊娠の報告を受けてから職場復帰時の申請まで、おおむね次の順に進みます。

  1. 従業員から妊娠の報告・育休の相談を受けたら、受給の可否を確認する。確認するのは、中小企業事業主か、行動計画の届出があるか、就業規則に育休・短時間勤務が規定されているか、出生時両立支援コースとどちらで申請するか
  2. 就業規則またはその他の明文化された文書で、育休復帰支援プランによる支援の方針を全労働者に周知する
  3. 対象者と面談し、面談シートを作成する
  4. 育休復帰支援プランを作成し、プランに基づいて業務の引き継ぎを終える(①〜③はすべて休業開始日の前日まで)
  5. 育休開始(連続3か月以上)→ 休業中に情報・資料を提供
  6. 開始から3か月経過後の翌日から2か月以内に、[1]育休取得時を申請
  7. 復帰前に面談(約2か月前が望ましい)→ 原職等に復帰
  8. 復帰後6か月が経過し、その翌日から2か月以内に、[2]職場復帰時を申請

よくある質問

Q. 育休が決まってから、プランの作成や引き継ぎをしても対象になりますか?

はい、休業開始日の前日までに終えていれば対象になります。育休が始まってからの作成・周知・引き継ぎは対象になりません。産前休業から続けて育休を取る場合の期限は、産前休業の開始日の前日です。また、プランによらず既に引き継ぎを終えている場合も対象外とされています。

Q. 育児休業等支援コースの申請期限はいつまでですか?

[1]育休取得時は、育休開始日(産後休業から連続する場合は産後休業開始日)から起算して3か月を経過する日の翌日から2か月以内です。[2]職場復帰時は、育休終了日の翌日から起算して6か月を経過する日の翌日から2か月以内です。育休が長期に及ぶ場合、[1]の申請期限は育休の終了を待たずに到来します。

Q. 夫婦で同じ会社に勤めています。それぞれ申請できますか?

はい、それぞれ申請できます。Q&A(育3)では、同一事業主の事業所に勤務する父母が、同一の子の育児を理由に育休を取得する場合、それぞれについて支給申請が可能とされています。ただし、1事業主あたりの上限は無期雇用労働者1人・有期雇用労働者1人です。

Q. 男性の育休でも対象ですか? 出生時両立支援コースとどちらを使えばよいですか?

はい、男女を問わず対象です。ただし、同じ労働者の同じ育休について、出生時両立支援コースとの併給はできません。出生時両立支援コースは、男性の育休取得そのものに着目した制度です。本コースは、プランに基づく取得・復帰の一連の取り組みに着目しています。どちらで申請するかは、プランを作る前に決めておく必要があります。比較は両立支援等助成金とはを参照してください。

Q. 復帰後に時短勤務にした場合、職場復帰時の助成金は対象になりますか?

はい、育児短時間勤務や、就業規則に定めのある制度に基づく短縮であれば対象になります。所定労働時間が短く変更されている場合は、次のいずれかの利用によるものである必要があります。育児・介護休業法第23条に基づく措置、男女雇用機会均等法第13条第1項に基づく勤務時間の短縮措置、その他就業規則に規定のある制度です。育児短時間勤務を利用した場合は、申出書と賃金計算方法が分かる書類を申請に添えます。

Q. 無期雇用の従業員が復帰後に契約社員になりたいと希望しています。職場復帰時の助成金は受け取れますか?

いいえ、受け取れません。本人の希望で原職等以外に復帰する場合は、希望が面談記録で確認できれば支給対象になります。ただし、育休前に無期雇用だった労働者が育休後に有期雇用として新たに契約を結ぶ場合は除かれます。

まとめ:準備の期限は「休業開始日の前日」、受給までは約1年がかり

  • 育児休業等支援コースは育休取得時30万円・職場復帰時30万円の2段階で、中小企業事業主のみが対象です。1事業主あたり無期1人・有期1人の合計2人までです
  • 周知・面談・プラン作成・引き継ぎは、すべて休業開始日の前日までに終えます。産前休業から続く場合の基準日は、産前休業の開始日の前日です
  • 職場復帰時は、原職等への復帰と6か月以上の継続雇用(就業予定日の5割以上)が必要です。本人希望の原職等以外への復帰は救済されますが、無期から有期への切り替えは除外です
  • 出生時両立支援コースとの併給はできないため、申請するコースは育休の開始前に決めておきます
  • 申請期限は、[1]が育休開始から3か月経過後の翌日から2か月以内と早く、育休の終了を待たずに到来します

6コース全体の比較や受給できない事業主の共通要件は両立支援等助成金とは、自社がどの制度を使えるか整理したい場合は補助金かんたん診断(無料)をご利用ください。個別のご質問はLINEでのご相談でも受け付けています。行動計画の届出や認定の準備はくるみん・えるぼし認定と補助金、支援会社に依頼する場合の見極め方は補助金申請サポート会社の選び方にまとめました。雇用・人材まわりの他の支援制度は目的から探すでまとめて確認できます。

参考(一次情報)