くるみん認定(子育てサポート企業)とえるぼし認定(女性活躍推進企業)は、どちらも「一般事業主行動計画の策定・公表・届出」が出発点です。えるぼしはすでに基準を満たしていれば比較的短期間で申請に進めますが、くるみんは制度の構造上、最短でも2年以上かかります

そして、この2つの認定で得られるものは補助金の加点だけではありません。国の公共調達での加点評価、賃上げ促進税制の税額控除上乗せ、上限50万円のくるみん助成金、日本政策金融公庫の低利融資まで、実務で使えるメリットが複数あります。この記事は「何が得られるか」と「どう取るか」を1本にまとめた決定版です。

  • 補助金での扱い:当社が確認した主要5制度すべてで加点対象です
  • 補助金以外:公共調達の加点評価・賃上げ促進税制の上乗せ+5%・くるみん助成金(上限50万円)・公庫の低利融資があります
  • くるみん:行動計画を2年以上実施してから申請する仕組みのため、最短でも2年以上かかります
  • えるぼし:基準を満たしていれば申請に進めます(審査期間は公式に公表されていません)
  • 先に確認すること:常時雇用する労働者101〜300人の企業は、2026年4月から拡大した情報公表義務への対応が先です

年1回申請する別の認定と比較したい方は、健康経営優良法人2027の取り方もあわせて確認してください。

認定で得られるメリットの全体像

まず、2つの認定で何が得られるかを一覧にします。

メリット内容対象・条件
補助金の審査加点主要5補助金で加点(詳細は次章くるみん・えるぼしとも対象
国の公共調達の加点評価総合評価落札方式・企画競争で加点認定企業(複数該当時は最も配点が高い1つのみ)
賃上げ促進税制の上乗せ税額控除率+5%(全要件で最大45%)くるみん認定またはえるぼし認定2段階目以上(原則、認定を受けた事業年度のみ)
くるみん助成金上限50万円くるみん・プラチナくるみん(各プラス含む)認定×常時雇用300人以下(トライくるみんは対象外)
日本政策金融公庫の低利融資働き方改革推進支援資金認定企業のほか、行動計画を届け出ただけの企業も対象に含む
採用・広報での活用認定マークを求人広告・名刺・商品・自社サイト等に表示できるくるみん・えるぼしとも対象

採用・広報の面では、認定マークを求人広告や名刺に載せることで「両立支援・女性活躍に取り組む会社」であることを客観的に示せます。人材採用で効く場面はありますが、この記事では金銭に直結するメリットを中心に解説します。

補助金でどう扱われるか

くるみん・えるぼしは、当社が調べた主要5つの補助金すべてで加点になる、もっとも汎用性の高い認定です。

補助金扱い
デジタル化・AI導入補助金2026「くるみん・えるぼし認定」で1項目の加点(通常枠・インボイス枠〔両類型〕・セキュリティ対策推進枠。複数者連携枠は対象外)
新事業進出・ものづくり補助金くるみん・えるぼしが別項目として並列に加点
小規模事業者持続化補助金重点政策加点「くるみん・えるぼし加点」
中小企業省力化投資補助金(一般型)くるみん・えるぼしが別項目として並列に加点(カタログ注文型には加点項目の制度自体がありません)
事業承継・M&A補助金加点(確認済みは事業承継促進枠・専門家活用枠。枠ごとに加点事由が異なります)

※表の根拠は各制度の現行公募要領・加点項目一覧(デジタル化・AI導入補助金2026、新事業進出・ものづくり補助金第1回、小規模事業者持続化補助金第20回、中小企業省力化投資補助金〔一般型〕第7回、事業承継・M&A補助金15次。制度名は通称です。2026年8月時点)。加点項目は公募回ごとに変わるため、申請前に必ず最新の公募要領でご確認ください。

ものづくり系と省力化投資(一般型)では、くるみんとえるぼしの両方を持っていると別々に加点されます。一方、デジタル化・AI導入補助金と持続化では「いずれか」の扱いです。

なお持続化は【重点政策加点】から1種類+【政策加点】から1種類の計2種類までしか選べません。両方持っていても、出せるのは2つまでです。さらに、くるみん・えるぼし加点(重点政策加点)と一般事業主行動計画の策定加点(政策加点)の両方に該当する場合、両方選んでも重点政策加点分しか加点されないと第20回公募要領に定められています(加点項目の全体像はこちら)。

デジタル化・AI導入補助金の申請を検討中の方は、制度の全体像と、自社の導入費用でいくら補助されるかを見積シミュレーター(無料)で先に確認しておくと、加点戦略を立てやすくなります。

補助金以外のメリット

上位の解説記事でもあまり正確に書かれていない部分なので、条件まで含めて丁寧に説明します。

国の公共調達で加点評価される

各府省等が総合評価落札方式または企画競争で調達を行う場合、えるぼし・くるみんなどのワーク・ライフ・バランス推進企業を加点評価するよう定められています。地方公共団体にも、国に準じた取組を行う努力義務があります。

官公庁の入札・企画競争に参加する企業(建設、印刷、システム開発、コンサルティング、警備・清掃など)にとっては、補助金加点より日常的に効くメリットです。

1点だけ注意があります。複数の認定に該当していても、加点されるのは最も配点が高い1つだけです。「くるみんとえるぼしの両方で二重加点」にはなりません(配点は調達案件ごとに定められます)。

賃上げ促進税制の上乗せ+5%(誤解の多いポイント)

中小企業向け賃上げ促進税制では、くるみん認定またはえるぼし認定(2段階目以上)を受けると税額控除率が5%上乗せされます。控除率の構造は次のとおりです。

要件税額控除率
給与等支給額が前年度比1.5%以上増(基本)15%
同2.5%以上増さらに+15%(計30%)
教育訓練費の要件を満たす+10%
くるみん認定またはえるぼし認定(2段階目以上)+5%
合計(最大)45%

「認定を取れば最大45%の控除」と紹介されることがありますが、それは正確ではありません。45%は賃上げ率と教育訓練費の要件をすべて積み上げた場合の合計で、認定そのものの寄与は+5%です。また、税額控除には法人税額に対する上限があります。

もうひとつ、実務で見落とされがちな条件があります。上乗せの対象は「その事業年度において認定を受けた」場合です(事業年度終了までに認定を取り消された場合は除きます)。つまり、次の違いがあります。

  • くるみん・えるぼし(2段階目以上):認定を受けた事業年度の1回だけ上乗せの対象
  • プラチナくるみん・プラチナえるぼし:事業年度終了時に認定を保有していれば毎年対象

賃上げを予定している年度に合わせて認定のタイミングを設計できると、上乗せを取りこぼしません。適用期限や繰越控除などの細かな要件は、国税庁タックスアンサーと顧問税理士にご確認ください。なお、補助金側にも別制度として賃上げによる加点があります(デジタル化・AI導入補助金の賃上げ加点はこちら)。税制の上乗せとは別物なので混同しないようにしてください。

くるみん助成金:上限50万円

くるみん・くるみんプラス・プラチナくるみん・プラチナくるみんプラスのいずれかの認定を受けた常時雇用する労働者300人以下の中小事業主は、「くるみん助成金」(中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業)に申請できます。助成額は50万円を上限に審査により確定します。トライくるみん認定は対象外なので、トライくるみんの段階ではこの助成金は申請できません。

2026年8月時点で、令和8年度の申請受付は令和8年5月27日から令和9年2月5日までです。事務局は一般財団法人女性労働協会で、対象経費や申請様式は事務局サイトで公開されています。認定取得後の直接的な金銭リターンなので、300人以下でくるみんを取った企業は忘れずに申請してください。

日本政策金融公庫の低利融資

日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」は、くるみん・えるぼし認定企業だけでなく、次世代法・女性活躍推進法の一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局長へ届け出た事業主も融資対象に含みます。利率は区分により基準利率から特別利率まで分かれており、認定企業にはより有利な区分が用意されています。具体的な利率・限度額・必要書類は公庫の窓口でご確認ください。

ここは強調しておきたい点です。認定はまだ先でも、行動計画を届け出た時点でこの融資メニューの入口に立てます。後述する「共通の第一歩」の価値が、融資面でも裏付けられているということです。

2026年4月の変更点:義務の拡大と新しい認定

認定の取り方に入る前に、2026年4月1日施行の改正女性活躍推進法で変わった2点を押さえてください。

101〜300人の企業に情報公表が義務化

令和7年6月に公布された改正法により、常時雇用する労働者101〜300人の企業にも「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の情報公表が義務化されました(従来は301人以上のみ)。

初回の公表は、改正法施行後に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に行う必要があります。

認定を目指すかどうか以前に、まずこの義務への対応が先です。情報公表は「女性の活躍推進企業データベース」で行うのが最も適切とされており、えるぼし認定の申請でも同じデータベースへの公表が前提になります。義務対応がそのまま認定への足がかりになるという関係です。

「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」が創設

同じ2026年4月に、女性の健康支援に取り組む企業向けの新しい認定「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」が創設されました。既存のえるぼし・プラチナえるぼしの基準に加えて、次の4つの基準を満たす必要があります。

  1. 健康上の特性に配慮した休暇制度等の整備
  2. 方針の明示と周知
  3. 研修等による理解促進
  4. 担当者の選任と相談体制の整備

女性活躍推進の基準も併せて満たす必要があるため、位置づけとしては「えるぼしの上位互換」です。まずは通常のえるぼしの基準充足から着手し、健康支援の取組が既にある企業はプラスを視野に入れる、という順番で考えれば十分です。

取得までにかかる時間の違い

状況えるぼしくるみん
すでに基準を満たしている行動計画の策定・公表・届出→データ公表→申請へ進める(審査期間は公式未公表)進めない(構造上、行動計画の2年以上の実施が必要)
基準を満たしていない2年以上(未達項目に「2年以上連続の改善」等が必要)最短2年+審査期間。実質2年半〜3年が目安

この構造の違いが「どちらから狙うか」の答えに直結します。以下、それぞれの基準を詳しく見ます。

えるぼし認定:5項目の数値基準で自己採点する

えるぼしは、5つの評価項目のうちいくつを満たすかで段階が決まります。

段階条件
1段階目5基準のうち1〜2項目を満たす(未達項目は取組を実施・公表し、2年以上連続して実績が改善していること。2026年4月からは直近3事業年度の平均値の比較による代替基準も追加)
2段階目3〜4項目を満たす(未達項目は取組の実施・公表と2年以上連続の改善)
3段階目5項目すべてを満たす
プラチナえるぼし全項目をより高い水準で満たし、行動計画の目標を達成しているなど

賃上げ促進税制の上乗せは2段階目以上が対象なので、税制メリットまで狙うなら3項目以上の充足が目標になります。

5項目の具体的な判定基準

項目名だけでは自己採点できないので、数値基準まで示します(雇用管理区分ごとに判定します。詳細な計算方法は厚生労働省のパンフレットをご確認ください)。

評価項目基準の概要
①採用男女別の採用における競争倍率(応募者数÷採用者数)が同程度であること
②継続就業女性の平均継続勤務年数÷男性の平均継続勤務年数が0.7以上(または女性の継続雇用割合÷男性の継続雇用割合が0.8以上)
③労働時間等の働き方法定時間外労働+法定休日労働の合計時間数の平均が、直近事業年度の各月ごとにすべて45時間未満
④管理職比率女性管理職比率が産業ごとの平均値以上(または課長級より1つ下の職階からの昇進率で、女性÷男性が0.8以上)
⑤多様なキャリアコース女性の正社員転換・中途採用・再雇用など4項目のうち、常時雇用300人以下の中小企業は1項目以上(301人以上は2項目以上)の実績

自己採点のポイントを3つ挙げます。

  • 労働時間は「平均45時間未満」を各月すべてで満たす必要があります。繁忙期の1か月でも超えるとその年度は落とします。まずここから確認するのが早道です
  • 中小企業はキャリアコースが1項目でよいため、女性の中途採用実績がある企業は⑤を満たしていることが多いです
  • 採用・管理職比率の判定に使う産業ごとの平均値は毎年7月1日に切り替わります。申請時期によって判定結果が変わり得ます

すでに基準を満たしている企業なら、行動計画の策定・公表・届出とデータの公表を経て認定申請に進めます。ただし審査期間は公式に示されていないため、取得時期は申請先の都道府県労働局へ確認してください。

一方、未達項目がある場合は2年以上かかります。1段階目・2段階目とも、未達項目について「2年以上連続して実績が改善」していること等が求められるためです。また、採用の競争倍率・管理職昇進率・多様なキャリアコースは直近3事業年度の数値が必要なので、集計の体制がない企業はデータの蓄積から始まります。

くるみん認定:制度の構造上、最短でも2年以上

くるみんが時間のかかる理由は、認定基準そのものにあります。

一般事業主行動計画の計画期間は「2年以上5年以下」と定められており、その計画を実際に走らせて目標を達成してから申請する仕組みだからです。計画期間の下限が2年である以上、計画開始から数えて最短でも「2年+申請審査期間」がかかる構造になっています。

さらに、認定基準の労働時間は「計画期間の終了日が属する事業年度」で算定するため、その事業年度の実績が固まるまで申請できません。計画期間の終了日を事業年度末に合わせないと、待ち時間がさらに数か月伸びます。

思い立ってから数えると、実質2年半〜3年を見ておくのが安全です。

2025年4月に基準が引き上げられています
くるみんの男性育休取得率の基準は10%から30%になりました(トライくるみんは7%→10%、プラチナくるみんは30%→50%)。ネット上に残る「くるみんは男性10%」という記述は旧基準です。
現実的には、まずトライくるみん(10%)を取り、その後くるみんを狙うという設計になりました。ただし前述のくるみん助成金はトライくるみんの段階では申請できません(対象はくるみん以上の認定のみ)。なお2027年3月31日までは旧基準での申請も可能ですが、付与されるのは「旧基準達成」版のマークです。
また、女性側の基準に「育児休業の対象となる女性有期雇用労働者の取得率75%以上」が新設されました。正社員だけを見ていると基準を落とします。

共通の第一歩は同じです

くるみんもえるぼしも、出発点は「一般事業主行動計画の策定・公表・届出」です。そしてこの手続き自体に、すぐ効く価値があります。

制度一般事業主行動計画の公表の扱い
新事業進出・ものづくり補助金全申請者の必須要件(公表していないと申請できない)
中小企業省力化投資補助金(一般型)従業員21名以上は必須要件
小規模事業者持続化補助金従業員100人以下なら加点(計画期間に公募締切日・補助事業終了予定日がいずれも含まれる場合)
事業承継・M&A補助金従業員100人以下なら加点
日本政策金融公庫「働き方改革推進支援資金」行動計画を策定・届出した事業主は融資対象に含まれる

つまりこの1〜2週間の手続きが、ものづくり系では申請の入場券、持続化では加点、公庫では融資メニューの入口になり、2年後にはくるみん認定につながります。認定そのものは時間がかかりますが、第一歩だけなら今月中に終わります。

「両立支援のひろば」への掲載には1〜2週間程度かかり、ものづくり系の公募要領には掲載の遅れによる申請期限の延長は認められないと明記されています。締切間際に気づいても間に合わないので、先に済ませてください。

当社の申請サポートの現場でも、「加点のために認定から取ろう」と考えて、公募締切に間に合わなかったご相談は珍しくありません。補助金の締切から逆算するなら、認定ではなく行動計画の公表を先に確定させるのが定石です。

申請の流れ(えるぼしの場合)

  1. 状況把握・課題分析 — 女性採用割合、男女の平均継続勤務年数の差、各月の平均残業時間、女性管理職比率、男女間賃金差異などを把握します
  2. 一般事業主行動計画の策定 — 計画期間・数値目標・取組内容・実施時期の4点を記載し、労働者への周知と外部公表を行います。周知日・公表日が分かる資料は必ず保存してください(申請時の添付書類になります)
  3. 労働局へ届出 — 主たる事業所を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ
  4. 情報公表 — 「女性の活躍推進企業データベース」で公表します
  5. 実績値の算出 — 産業ごとの平均値は毎年7月1日に切り替わります(採用・継続就業・管理職比率はこの平均値との比較で判定されるため、申請時期によって結果が変わり得ます)
  6. データベースで実績を公表申請前に公表を完了させる必要があります。公表画面を印刷したものが必須の添付書類なので、「申請してから公表」では受理されない設計です
  7. 申請 — 申請書に行動計画の写し、周知・公表を示す書類、実績を明らかにする書類などを添えて提出します

審査の過程で、就業規則・人事制度規定・組織図(男女別人数入り)・募集要項などの追加提出を求められることがあるため、あらかじめ準備しておくと進みが早くなります。

申請手数料についての記載は、法令・厚生労働省の資料・各労働局の案内のいずれにも見当たりません。

補助金申請全体のスケジュール感をつかみたい方は、補助金申請の流れも参考にしてください。

どちらから狙うべきか

当社の考えは次のとおりです。

  • まず一般事業主行動計画の公表を今月中に済ませる(両方の第一歩であり、それ自体が必須要件・加点・融資の入口になる)
  • 次にえるぼしの5項目を自己採点する — 上の数値基準表で1〜2項目でも満たしていれば1段階目が狙えます。税制の上乗せまで狙うなら2段階目(3項目以上)が目標です
  • くるみんは長期の投資と割り切る — 2年以上かかる前提で、行動計画を走らせながら育休の取得実績を積む。300人以下ならくるみん取得後にくるみん助成金(上限50万円)も申請する(トライくるみんの段階では申請不可)
  • 賃上げ予定の年度がある企業は、認定タイミングを合わせる — 上乗せ+5%は原則「認定を受けた事業年度」だけが対象のため、賃上げの年度に認定が重なるよう逆算します

「2年かかるからやらない」ではなく、行動計画を出しておけば時計が動き始める——そう考えると着手しやすいと思います。

よくある質問

Q. 従業員が少なくても認定を取れますか?

取れます。常時雇用101人以上の企業には行動計画の策定・届出等が義務ですが、100人以下でも自主的に取り組めば認定申請は可能です。くるみんには労働者数300人以下の企業向けに、男性の育休取得者が0人でも代替のルートで基準を満たせる特例が用意されています。

Q. どちらか片方だけでも加点になりますか?

なります。デジタル化・AI導入補助金と持続化は「くるみん・えるぼしのいずれか」の扱いなので、片方あれば十分です。ものづくり系・省力化投資(一般型)では別項目なので、両方あればそれぞれ加点されます。

Q. 公共調達の加点は、両方の認定を持っていれば二重に加点されますか?

されません。国の公共調達(総合評価落札方式・企画競争)では、複数の認定に該当する場合、最も配点が高い1つだけが加点される定めです。補助金とは扱いが異なる点に注意してください。

Q. 賃上げ促進税制の上乗せは毎年受けられますか?

くるみん・えるぼし(2段階目以上)は、認定を受けた事業年度の1回だけが対象です(事業年度末までに取り消された場合は除外)。プラチナくるみん・プラチナえるぼしは、事業年度終了時に保有していれば毎年対象になります。いずれも賃上げ率などの基本要件を満たすことが前提です。適用の可否は顧問税理士にご確認ください。

Q. くるみん助成金はいつまでに申請すればよいですか?

2026年8月時点で、令和8年度の申請受付は令和9年2月5日までです(受付開始は令和8年5月27日)。くるみん・くるみんプラス・プラチナくるみん・プラチナくるみんプラスのいずれかの認定を受けた常時雇用300人以下の中小事業主が対象(トライくるみんは対象外)で、助成額は50万円を上限に審査で確定します。対象経費や様式は事務局(一般財団法人女性労働協会)のサイトでご確認ください。

Q. えるぼしプラスとは何ですか?

2026年4月に創設された、女性の健康支援に取り組む企業向けの新しい認定です(プラチナえるぼしプラスもあります)。休暇制度等の整備・方針の明示と周知・研修等による理解促進・担当者選任と相談体制の4基準に加えて、既存のえるぼし基準も満たす必要があります。まずは通常のえるぼしから着手すれば十分です。

Q. 認定に有効期限はありますか?

くるみんの認定マークは継続して使用でき、2025年3月31日以前に付与された旧基準のマークも引き続き使えるとされています。トライくるみん・くるみんは複数回取得でき、取得のたびにマークの星が増えます。ただしプラチナくるみんには毎年の公表義務があり、基準を満たさない状態が続くと取消の対象になります。

えるぼしにも有効期限の定めはありませんが、認定後も認定基準に係る実績を毎年少なくとも1回「女性の活躍推進企業データベース」で公表する必要があり、公表された実績が基準に適合しない場合は認定取消となることがあります。取り消された場合や辞退した場合は、その日から3年間は再申請できません。

Q. 補助金の加点を急いでいます。間に合いますか?

くるみんは間に合いません(2年以上かかります)。えるぼしも、基準を満たしていない項目があれば年単位です。急ぐなら、一般事業主行動計画の公表に絞ってください。これなら1〜2週間で、ものづくり系では必須要件を満たし、持続化・事業承継M&Aでは加点になります。

Q. 手続きを専門家に頼めますか?

労働局への届出などの手続きは社会保険労務士の業務範囲に関わります。対応可否や費用は事務所によって異なるため、直接ご確認ください。自社で進める場合も、労働局の雇用環境・均等部(室)が相談窓口になっています。

まとめ

  • くるみん・えるぼしは主要5補助金すべてで加点対象になる、もっとも汎用性の高い認定(根拠は各制度の現行公募回。加点項目は公募回ごとに変わる)
  • 補助金以外にも公共調達の加点評価・賃上げ促進税制の上乗せ+5%・くるみん助成金(上限50万円)・公庫の低利融資がある。税制の上乗せは原則「認定を受けた事業年度」のみ(プラチナは保有で毎年)
  • くるみんは構造上2年以上(計画期間2年以上が下限)。2025年4月に男性育休の基準が10%→30%へ引き上げ
  • えるぼしは数値基準で自己採点できる。残業45時間未満・継続勤務年数比0.7以上などを満たしていれば申請に進める(審査期間は公式未公表)
  • 2026年4月から101〜300人にも情報公表が義務化され、えるぼしプラスも創設。認定以前にまず義務対応を
  • 共通の第一歩=一般事業主行動計画の公表。1〜2週間で終わり、ものづくり系では必須要件、持続化では加点、公庫では融資の入口になる

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参考(一次情報)