小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)は、採択されても、その時点では1円も入金されません。採択後に見積書を出して交付決定を受け、交付決定日から発注・支払いをして事業を終え、実績報告をして補助金額が確定してから、ようやく請求して受け取る「後払い」の制度です。さらに、事業が終わってから1年後に事業効果の報告も必要です。

この記事では、第20回公募の公募要領第8版(2026年7月21日改版)の原文をもとに、採択から入金・事業効果報告までの手順と期限を整理します。第20回の全体像(スケジュール・補助額・特例・加点)は持続化補助金 第20回のガイド、申請時の書類は必要書類一覧の記事にまとめています。

要点は次のとおりです。

  • 採択から入金までは「見積書等の提出→交付決定→補助事業の実施→実績報告→補助金額の確定→補助金の請求→入金」の順です(全体の流れ)
  • 採択通知書だけでは発注できません。発注・契約・支払いは、交付決定通知書に書かれた交付決定日からです(交付決定)
  • 第20回の期限は、見積書等の提出が2028年2月29日(火)、補助事業の実施が2028年3月31日(金)まで、実績報告書が2028年4月10日(月)までです。事業が早く終わったら、終わった日から30日を経過した日が先に来ることがあります(期限の一覧)
  • 実績報告で証拠書類がそろわない経費は補助対象外になり、補助金が減ります。賃金引上げ特例・インボイス特例・賃金引上げ加点・小規模事業者卒業加点は、要件を満たさないと補助金が出ません(減る・出ない典型)
  • 入金後も、事業効果報告(様式第14)、帳簿の5年保存、処分制限財産の管理が続きます(入金後の義務)
持続化補助金の採択後の流れの記事でわかる3つのこと:採択後は見積書の提出、交付決定、実施、実績報告を経て後払いで入金、第20回の期限:見積書は2028年2月29日、実績報告は2028年4月10日まで、補助金が減る・出なくなる典型と、入金後も続く事業効果報告・5年保存
図解:持続化補助金の採択後の流れで最初に押さえたい3つのポイント

採択から入金・事業効果報告までの流れ

採択から入金・事業効果報告までの流れの図解。主な項目:採択後、見積書等を提出する(期限は2028年2月29日)、交付決定日から発注・契約・支払いを始める、2028年3月31日までに事業と支払いを終え、実績報告書を出す、補助金額の確定と請求を経て入金。1年後に事業効果報告
図解:採択から入金・事業効果報告までの流れで押さえたいポイント

持続化補助金の採択後は、公募要領の「補助事業の流れ」に沿って7つの手続きが続きます。事業者が行う手続きと、補助金事務局が行う手続きが交互に来ます。

順手続き行う人第20回の時期・期限
1採択(採択通知書の送付)事務局2027年3月頃の予定(申請数等により変更の場合あり)
2見積書等の提出事業者採択発表後、速やかに。期限は2028年2月29日(火)
3交付決定(交付決定通知書の送付)事務局採択発表から概ね1〜2か月かかる場合あり(目安)
4補助事業の実施(発注・納品・支払い・取組の実施)事業者交付決定日から2028年3月31日(金)まで
5実績報告書の提出事業者事業終了日から30日を経過した日か、2028年4月10日(月)のいずれか早い日まで
6補助金額の確定 → 補助金の請求 → 補助金の交付事務局・事業者実績報告の審査のあと
7事業効果報告書の提出事業者補助事業の終了から1年後の状況を、事務局が指定する期限までに

公募要領の注意事項には「補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、補助金は後払いです」とあります。補助対象経費は、いったん全額を自社で支払います。手元資金で足りない分の資金繰りは、申請前に決めておいてください(交付決定から入金までのつなぎ資金は資金繰りの記事で整理しています)。

採択後の手続きは、申請と同じ電子申請システムで行います。GビズIDのアカウントは採択後の手続きでも使います。公募要領は、GビズIDの事業者情報が古いまま申請・採択された場合、情報を最新化しなければ補助金の額の確定を受けられないと定めています。本店移転や代表者の変更があれば、早めに更新してください。

具体的な入力方法は、採択発表後に事務局が公開する「補助事業の手引き」と申請システムの操作手引きで示されます。第17回〜第19回では、商工会議所地区の事務局サイトで「採択~交付決定」「事業実施中以降」「実績報告・精算払い請求」の操作手引きが回ごとに公開されてきました。第20回も、採択後は手引きの最新版を確認してから進めてください。

第20回の期限の一覧

第20回で採択された場合の主な期限は、次の4つです。事業効果報告を除く3つは、公募要領に日付が書かれています(事業効果報告の期限は事務局が指定します)。

期限日付守れないとどうなるか
見積書等の提出期限2028年2月29日(火)採択取消し
補助事業の実施期限(支払いの完了を含む)2028年3月31日(金)期限後の支払い・取組は補助対象外
実績報告書の提出期限2028年4月10日(月)、または事業終了日から30日を経過した日のいずれか早い日交付決定の取消し
事業効果報告補助事業の終了から1年後の状況を、事務局が指定する期限まで次回以降の申請に制限

見積書の期限は2028年2月29日ですが、これは「最終期限」です。交付決定を受けないと発注できないため、見積書の提出が遅れるほど、事業に使える期間が短くなります。

実績報告の期限は「早い方」で決まる点に注意してください。公募要領は、実施期間の途中で補助事業が終了(補助対象経費の支払いまで含む)したときは、その日から起算して30日を経過した日、または実績報告書提出期限のいずれか早い日までに提出しなければならないと定めています。たとえば2027年8月20日に支払いまで終えたら、実績報告の期限は2028年4月10日ではなく、その日から起算して30日を経過した日(2027年9月中旬)になります。

なお、賃金引上げ特例・賃金引上げ加点を選んだ場合は、補助事業終了予定日を補助事業実施期限日(2028年3月31日)に設定するよう公募要領で指定されています。賃上げの比較期間がこの日を終点に決まるためです。

ステップ1:採択後の見積書等の提出

採択されたら、最初の仕事は見積書等の提出です。公募要領は「採択発表後交付決定までに、経費の価格の妥当性を証明できる見積書等(相見積含む)の提出が必要です」と定めています。支出内容が不明確なものは認められず、見積金額に複数の項目が含まれる場合は内訳を示す必要があります。

場面必要な見積
発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶ
性質上、見積を取ることが困難な発注随意契約の対象とする理由書を、採択発表後交付決定までに提出
中古品の購入購入単価50万円(税抜き)未満のものに限る(50万円未満になるよう分割して購入すると、その中古品全体が対象外)。個人からの購入・オークションは不可。金額にかかわらず、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積が必須で、理由書による随意契約は不可

発注先にも制限があります。自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引、社内の役員・従業員や代表者・役員の親族(3親等以内)への発注、その親族が代表・役員に就いている事業者への発注、親会社・子会社・関連会社などへの発注、(開業していない)個人からの購入やオークションでの購入は、補助対象外です。

相見積は、補助事業者自身が別々の企業から取得します。金額が市場価格から著しく乖離しているなど、社会通念上価格が妥当でないと判断される経費は補助対象外です。

見積書のほかに、選んだ特例や経費によって、交付決定までに出す書類が増えます。

  • 賃金引上げ特例・賃金引上げ加点: 「給与支給総額基準値算出表」の画面で1人あたり給与支給総額の目標値を設定し、採択発表日の属する月を終点とした連続する12か月分の賃金台帳の写しと、雇用条件(1日の所定労働時間・年間休日)が分かる書類の写しを提出します。役員・専従者を除く全従業員分が必要です
  • 賃金引上げ特例・賃金引上げ加点の表明: 採択後交付決定までに、全ての従業員または従業員代表者、役員に対して賃上げを表明します。表明方法は採択発表時に公開される「補助事業の手引き」で案内されます。賃金引上げ加点も、交付申請時までに全ての従業員または従業員代表者、役員に対して表明が必要です
  • 住宅宿泊事業者の改装: 事業に使う部分の面積で按分するため、計算根拠となる平面図等を採択後、交付決定までに提出します

公募要領は、採択後でも対象外経費の計上などの不備が見つかれば、事務局の指示に従って訂正・再提出が必要で、速やかに対応しないと採択されても交付決定できないことがあるとしています。見積書は申請前から準備しておくと、採択後の手続きが早く進みます。

ステップ2:交付決定までは発注・契約・支払いをしない

交付決定は、持続化補助金でいちばん間違えやすい区切りです。公募要領は「補助金の対象となる経費の発注・契約・支出行為は、『補助金交付決定通知書』に記載された交付決定日から可能です」と定め、採択通知書だけでは補助事業を始められないと注意しています。交付決定日前に行われた発注・契約・支出行為は補助対象外です。

交付決定までは、採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります(公募要領は「あくまで目安」としています)。この間にやってよいこと・いけないことは次のとおりです。

交付決定前にやってよいこと交付決定前にやってはいけないこと
見積書を集める・相見積を取る発注・契約
発注先と仕様を打ち合わせる購入・支払い(前払いを含む)
展示会等への出展の申込み(請求書の発行が交付決定日以後の場合に限り対象)チラシの印刷や工事の着手

展示会等への出展は例外で、申込みだけは交付決定前でも補助対象になります。ただし請求書の発行が交付決定日以後でなければ対象外です。

当社がご相談を受けるなかでも、「採択通知が来たので、工事を先に始めてしまった」という例があります。採択と交付決定は別の通知です。届いた書類の名前が「補助金交付決定通知書」であることと、記載された交付決定日を確認してから発注してください。

ステップ3:補助事業の実施と支払い(2028年3月31日まで)

交付決定日から2028年3月31日(金)までが、第20回の補助事業実施期間です。この期間内に、発注・納品・取組の実施・支払いをすべて終える必要があります。実施中に守ることは、公募要領7.(5)〜(9)と10.に書かれています。

支払いの方法

  • 支払いは銀行振込が大原則です。旅費や現金決済のみの取引(代金引換限定のサービス等)を除き、1取引10万円超(税抜き)の現金払いは認められません
  • 小切手・手形・相殺による支払いは不可です
  • クレジットカード払いは申請する事業者の名義に限ります。分割払い・リボ払いなどは、補助事業期間内に金融機関等からの引き落としが完了している必要があります
  • 代表者や従業員が個人のカードで払った場合は「立替払い」として扱われ、帳簿等で確認できなければ補助対象外です
  • 振込手数料は補助対象外です。ポイント・クーポン・商品券での支払いも対象外です

実際に使い、期間内に取組を行う

補助対象になるのは、補助事業期間中に販路開拓等の取組を実施したことに要する費用だけです。公募要領は、機械装置等を買っても期間内に使って取組を行っていない場合や、広告料を払っても期間内に掲載されなかった場合、受注システムを作っても期間内に公開していない場合は、その経費が補助対象外になると例示しています。実績報告書に「その設備を使って取組を行った」旨の記載がない場合も含みます。

チラシ等の配布物は、補助事業期間内に配布しなかった分が対象外です(広報費の扱いは広報費の記事)。ウェブサイトやソフトウェアの契約期間が補助事業期間を越える場合は、按分した期間分だけが対象です(ウェブサイト関連費の記事)。

証拠を残す

  • 補助事業の経理は、ほかの取引と区分して行います(区分経理)
  • 取得した機械装置等は、取得財産等管理台帳を含む備品台帳を作り、購入物件ごとに納品前後の写真と送付伝票の写真を撮ります
  • 補助対象物件と付属品には、シールやマジックで「第20回持続化」の表示を行います
  • ネット広告など電子商取引では、発注日が分かる取引画面、請求額が分かる書類、広告が確認できる画面を残します。取引相手の都合でこれらを出せない場合も補助対象外です

計画を変えるときは事前に承認を受ける

経費の配分や内容を変える場合、補助事業を中止・廃止する場合、ほかに承継させる場合は、事前に事務局の承認が必要です。補助事業計画に書いていない新しい費目の追加は原則認められません。目的達成に必要不可欠と認められる場合に限り、新しい費目の追加と経費の流用の変更申請が認められることがあります。

業務効率化(生産性向上)の取組の経費は、申請時に様式に記載し経費明細表に計上していることが前提です。変更承認の手続きで後から加えることはできません。

ステップ4:実績報告書の提出

補助事業が終わったら、実績報告書(交付規程様式第8)と支出内容の分かる関係書類を、期限までに事務局へ提出します。期限までに提出が確認できなければ、交付決定は取り消されます。

実績報告で出す主なものは次のとおりです。具体的な書類と入力方法は、採択後に公開される「補助事業の手引き」と操作手引きで確認してください。

区分主な内容
実績報告書(様式第8)実施した取組と経費の内容。新商品開発費のテストマーケティング等を申請時に書いていない場合は、その内容と結果
経理書類見積書・請求書・領収書等(中古品は複数の見積書も添付)
事業実態の証憑成果物の写真、業務完了報告書など。委託・外注費は成果物が分かる資料
賃金引上げ特例・賃金引上げ加点補助事業実施期限日を終点とした連続する12か月分の賃金台帳の写しと、賃上げ後の雇用条件が分かる書類の写し
インボイス特例申請時に適格請求書発行事業者の登録通知書の写しを出していない場合は、その写し
小規模事業者卒業加点補助事業終了時点の労働者名簿(常時使用する従業員分のみ)

実績報告書に不備があれば、事務局の指示に従って訂正し、速やかに再提出します。海外展示会・海外旅費で外国語の証拠書類を出す場合は、内容を日本語で要約・説明する書類もあわせて提出します。

なお、実績報告書などの作成・送付・手続きにかかる費用は補助対象外です。

ステップ5:補助金額の確定・請求・入金

実績報告書の審査が終わると、事務局が補助金額を確定します。確定した金額を事業者が請求し、補助金が交付(入金)されます。第19回までの操作手引きでは、この請求を「精算払い請求」と呼んでいます。

確定する金額は、交付決定通知書の金額と同じとは限りません。公募要領は、実績報告時に要件を満たしていると認められない場合、交付決定通知書の金額より少なくなる場合(交付決定を取り消す場合も含む)があると定めています。補助対象物件や帳簿類の確認ができない場合、その物件等の金額は原則として補助対象外です。

入金までの日数は、公募要領に目安が書かれていません。実績報告の不備対応が長引けば、その分だけ入金も遅れます。入金時期を資金計画に組み込むときは、余裕を持たせてください。

課税事業者は消費税分を除いて計算する

課税事業者は、消費税および地方消費税相当額をあらかじめ補助対象経費から減額して申請します(公募要領10.(9)「消費税等仕入控除税額を減額して申請しなければなりません」)。消費税等は原則として補助対象外ですが、消費税等を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者は例外です。

補助金は収益として課税される

公募要領10.(12)は、補助金は経理上、補助金の額の確定を受けた事業年度の収益として計上するもので、法人税・所得税の課税対象になると定めています。補助金を目的に合った固定資産の取得・改良に充てた場合は、所得税法第42条または法人税法第42条の規定を適用できるとされています。具体的な処理は顧問の税理士に確認してください。

補助金が減る・出なくなる典型

採択されても、次のどれかに当たると補助金が減るか、まったく出なくなります。いずれも公募要領に書かれたルールです。

典型結果
交付決定日より前に発注・契約・支払いをしたその経費は補助対象外
見積書等を2028年2月29日までに出さなかった採択取消し
実績報告書を期限までに出さなかった交付決定の取消し
10万円超(税抜き)の現金払い、個人カードでの立替払いで帳簿確認ができないその経費は補助対象外
期間内に使っていない設備、配っていないチラシ、公開していないサイトその経費は補助対象外
賃金引上げ特例の要件(1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加など)を満たさない特例の上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されない
インボイス特例の要件(補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録など)を満たさない補助金全体が交付されない
賃金引上げ加点(年平均2.0%以上の増加)を達成できない交付決定後でも補助金は交付されない
賃金引上げ特例・賃金引上げ加点で、実績報告時までに従業員が退職するなどして1人あたり給与支給総額の年平均上昇率を算出できなくなった補助金は交付されない
小規模事業者卒業加点の要件(終了時点で従業員数が小規模事業者の上限を超える)を満たさない交付決定後でも補助金は交付されない

賃金引上げ特例・インボイス特例について、公募要領は「通常枠および〇〇特例の要件を1つでも満たさない場合は、補助金は交付されません(特例による上乗せ部分のみではなく全体が交付対象外となります)」と明記しています。賃金引上げ特例では、補助事業実施期限日を終点とした12か月とその前年同月の12か月で、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます。

賃上げを達成できなかった場合の影響は、その回だけでは終わりません。賃金引上げ特例での申請、または賃金引上げ加点を受けて採択されたのに賃上げ要件を達成できなかった場合、様式第14で未達が報告されてから18ヵ月の間、中小企業庁が所管する補助金への申請で、正当な理由が認められない限り大幅に減点されます。災害等でやむを得ず達成できなかったと認められた場合に限り、減点が免除されます。

入金後も続く義務:事業効果報告・5年保存・処分制限

補助金が入金されたあとも、事業者の義務は続きます。

事業効果報告(様式第14)

補助事業の終了から1年後の状況について、「事業効果および賃金引上げ等状況報告」(交付規程様式第14)を、事務局が指定する期限までに提出します。この報告は次回以降の申請に直結します。公募要領「3.補助対象外となる事業者」は、過去の持続化補助金で採択・補助事業を実施した事業者について、次のように定めています。

  • 様式第14を提出していない事業者は、補助対象外
  • 申請できるのは、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14の提出を完了している場合
  • 第20回で採択され補助事業を実施する事業者は、様式第14の提出を完了したあと、さらに1年が経過してから再度の申請が可能

たとえば第20回の補助事業を2028年3月に終えた場合、翌月(2028年4月)から1年間が経過し、様式第14の提出を完了したうえで、さらに1年を待つことになります。次の申請までは2年以上空く計算です。持続化補助金を続けて使う予定があるなら、この間隔を計画に入れてください。

また、補助事業計画は「事業効果および賃金引上げ等状況報告書提出時の売上高・売上総利益が補助事業終了時と比較し増加することが見込める事業であること」が要件です(公募要領4.(4))。計画に書いた売上の数字の作り方は経営計画書の書き方の記事で解説しています。

帳簿・証拠書類の5年保存と検査

補助事業に関係する帳簿と証拠書類は、補助事業の終了日の属する年度の終了後5年間保存します。事務局、中小機構、会計検査院から求めがあれば、いつでも閲覧できるようにしておく必要があります。この間に実地検査が入る可能性もあり、応じるのは補助金の交付を受けた者の義務です。検査の結果、返還命令が出れば従わなければなりません。

処分制限財産

次のものは「処分制限財産」に該当し、補助金の支払いを受けたあとでも、一定の期間は処分(補助事業の目的外での使用、譲渡、担保提供、廃棄等)が制限されます。

  • 単価50万円(税抜き)以上の機械装置等
  • 50万円(税抜き)以上の費用で作成・更新したウェブサイト・システム(一定の期間は通常、取得日から5年間)
  • 店舗改装による不動産の効用増加等(50万円〔税抜き〕以上の外注工事を行う場合等)

期間内に処分するには、事前に事務局の承認が必要です。承認された場合も、残存簿価等から算出される金額の返還のため、補助金の全部または一部に相当する金額の納付を求められることがあります。承認を得ずに処分すると、交付取消し・返還命令(加算金付き)の対象です。店舗改装と設備購入の注意点は店舗改装・設備購入の記事にまとめています。

収益納付

公募要領13.(4)は、収益納付による補助金の減額交付や、処分制限財産の処分による納付が必要となる場合があると定めています。支払いを受けた補助金は、原則として融資のように返済する必要はありません。

採択後の手続きを外部に頼むときの注意

採択後の手続き(見積書の提出・実績報告)は、事業者自身が電子申請システムで行います。公募要領は、GビズIDのアカウントとパスワードを第三者の支援者等に開示することは、GビズIDの利用規約第11条に反すると注意しています。

また、補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きにかかる費用は補助対象外です。補助事業の実施中は、商工会・商工会議所の助言等の支援を受けながら進めることが補助対象事業の要件です(公募要領4.(2))。迷ったときは、まず地域の商工会・商工会議所に相談してください。

よくある質問

Q. 持続化補助金は採択されたらすぐ入金されますか?

いいえ、採択の時点では入金されません。見積書の提出、交付決定、補助事業の実施と支払い、実績報告、補助金額の確定、請求を経てから交付される後払いです。経費はいったん全額を自社で支払います。

Q. 採択通知が届きました。もう発注してよいですか?

いいえ、交付決定日まで待ってください。発注・契約・支払いができるのは「補助金交付決定通知書」に記載された交付決定日からです。交付決定日前の発注・契約・支払いは補助対象外になります。

Q. 第20回の実績報告の期限はいつですか?

2028年4月10日(月)、または補助事業が終了した日から30日を経過した日の、いずれか早い日です。補助事業の終了には補助対象経費の支払いまで含みます。支払いを早く終えた場合は、期限も早まります。

Q. 実績報告をしたら、申請した金額がそのまま入金されますか?

そうとは限りません。証拠書類がそろわない経費や、期間内に使っていない設備などは補助対象外となり、確定額が交付決定額より少なくなる場合があります。賃金引上げ特例やインボイス特例の要件を満たさない場合は、補助金全体が交付されません。

Q. 補助金をもらったら、次の公募回にも申請できますか?

すぐにはできません。過去の採択事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年が経過し、様式第14(事業効果および賃金引上げ等状況報告書)を提出していることが前提です。第20回の採択事業者は、様式第14の提出完了からさらに1年が経過してから申請できます。

まとめ

  • 持続化補助金は後払いです。採択後に見積書の提出、交付決定、事業の実施、実績報告、補助金額の確定・請求を経て入金されます
  • 発注・契約・支払いは交付決定日からです。採択通知書だけでは始められません
  • 第20回の期限は、見積書等が2028年2月29日、事業実施が2028年3月31日、実績報告が2028年4月10日(事業終了から30日経過のほうが早ければその日)です
  • 支払いは銀行振込が原則で、写真・表示・区分経理など証拠を残します。証拠がない経費は補助対象外です
  • 賃金引上げ特例・インボイス特例・小規模事業者卒業加点・賃金引上げ加点は、要件を満たさないと補助金が出ません
  • 入金後も、事業効果報告(様式第14)、5年間の書類保存、処分制限財産の管理が続きます

当サイトでは募集中の補助金・助成金273件を毎週更新しています。持続化補助金を含め、自社が使える補助金を確かめたい方は補助金かんたん診断をご利用ください。補助金のご質問はLINEでも受け付けており、どの制度が該当するか、申請条件に合うかをご提案します。

参考(一次情報)