小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)第20回の対象経費は、機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託・外注費の8区分です。公募要領は「これ以外の経費は本事業の補助対象外です」と定めています。どの区分でも、交付決定日以降に発注・支払いをした経費だけが対象です。

この記事では、第20回公募の公募要領第8版(2026年7月21日改版)の「7.補助対象経費」を、区分ごとに対象・対象外の例まで整理します。第20回の全体像(スケジュール・特例・加点・採択率)は持続化補助金 第20回のガイドにまとめています。

要点は次のとおりです。

  • 対象経費は8区分で、それ以外の費用は対象外です(8区分の早見表)
  • 広報費とウェブサイト関連費は、補助金額の上限がそれぞれ30万円(税込)で、その区分だけでは申請できません(広報費・ウェブサイト関連費)
  • パソコン・タブレット・複合機など汎用性が高い物と、自動車・キッチンカーなどの車両は対象外です(機械装置等費)
  • 家賃・人件費・消耗品・通信費・税理士の決算費用・補助金の申請書類の作成費用も対象外です(どの区分にも入らない対象外経費)
  • 課税事業者は、消費税を除いた金額で経費を計上します(経費明細を作るときの注意)
  • 計上した経費の大半が対象外だと、不採択・採択取消になると明記されています
持続化補助金の対象経費一覧【第20回】8区分の対象・対象外と経費明細の注意点の記事でわかる3つのこと:対象経費は8区分。交付決定日以降の発注・支払いだけが対象、広報費・ウェブサイト関連費は補助金額30万円まで、単独申請不可、パソコン・車両・家賃・人件費など、どの区分でも対象外の経費
図解:持続化補助金の対象経費一覧【第20回】8区分の対象・対象外と経費明細の注意点で最初に押さえたい3つのポイント

先に確認:申請できない事業者・対象外の事業

経費を選ぶ前に、事業者そのものが申請できるかを確認してください。持続化補助金 第20回は、従業員数の上限を超える事業者、医療法人・社会福祉法人などの法人、申請時点で開業していない創業予定者は申請できません。

  • 小規模事業者であることが条件です。常時使用する従業員数が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。会社役員と同居の親族従業員は含みません
  • 補助対象にならない者は、医師・歯科医師・助産師、医療法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)、農事組合法人、任意団体、系統出荷による収入のみの個人農業者です。特定非営利活動法人は、法人税法上の収益事業を行っていて認定NPO法人でない場合に限り対象になり得ます
  • 申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。開業届を出していても、開業届上の開業日が申請日より後なら対象外です
  • 資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されている法人、直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者も対象外です
  • 過去に持続化補助金(一般型・コロナ特別対応型・低感染リスク型ビジネス枠・創業型)で採択され補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14(事業効果および賃金引上げ等状況報告書)の提出を完了していることが前提です
  • 一般型の「卒業枠」、通常枠の「小規模事業者卒業加点」で採択を受けて補助事業を実施した事業者と、創業型に申請中・採択済みの事業者は対象外です

事業そのものの除外もあります。国が助成する他の制度(診療報酬・介護報酬・固定価格買取制度などを含む)と同一・類似内容の事業、補助事業の終了後おおむね1年以内に売上げにつながる見込みがない事業、マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター店等や性風俗関連特殊営業等は対象外です。詳しくは第20回ガイドの対象外の章をご覧ください。

対象経費の3条件と8区分の早見表

対象経費の8区分の図解。主な項目:①機械装置等費 ②広報費 ③ウェブサイト関連費 ④展示会等出展費、⑤旅費 ⑥新商品開発費 ⑦借料 ⑧委託・外注費、広報費・ウェブサイト関連費は補助金額30万円(税込)まで、補助率2/3、補助上限50万円(特例で上乗せ)
図解:対象経費の8区分で押さえたいポイント

補助対象になる経費は、次の3つの条件をすべて満たし、かつ8区分のどれかに当てはまるものです。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払が完了した経費
  3. 証憑資料等によって支払金額が確認できる経費

前提として、経費は「経営計画」に基づいて実施する販路開拓等の取組、または販路開拓等とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組に使うものでなければなりません。

区分公募要領の定義(要約)上限・単独申請区分ページ
①機械装置等費補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入区分の上限なし詳しく
②広報費チラシ・ポスター・インターネット広告・SNS広告等の作成と広報媒体の活用補助金額30万円(税込)まで・単独申請不可詳しく
③ウェブサイト関連費販路開拓等のためのウェブサイト・ECサイト・システムの開発・構築・更新・改修・運用補助金額30万円(税込)まで・単独申請不可詳しく
④展示会等出展費新商品等を展示会等に出展、または商談会に参加するための経費(オンラインを含む)区分の上限なし詳しく
⑤旅費補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓等のための旅費区分の上限なし詳しく
⑥新商品開発費新商品の試作品・包装パッケージの試作開発に伴う原材料・設計・デザイン・製造・改良・加工区分の上限なし詳しく
⑦借料補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料区分の上限なし詳しく
⑧委託・外注費①〜⑦に当たらない業務の一部を第三者に委託・外注する経費(自ら実行することが困難な業務に限る)区分の上限なし詳しく

「区分の上限なし」は、その区分だけの上限が公募要領に定められていないという意味です。補助金の総額は、補助対象経費の合計に補助率(2/3。賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)を掛けた額で、補助上限50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両特例で200万円を上乗せ)に収まります。

①機械装置等費:汎用品・車両・単なる買い替えは対象外

機械装置等費は、補助事業の遂行に必要な機械装置等を購入する費用です。新しい販路開拓につながる設備が対象で、通常の事業活動のための費用や、単なる取替え更新の機械装置等は対象外です。

対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア自転車・文房具等・パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末・WEBカメラ・ウェアラブル端末
衛生向上や省スペース化のためのショーケースPC周辺機器(ハードディスク・LAN・Wi-Fi・サーバー・モニター・スキャナー・ルーター、ヘッドセット・イヤホン等)・電話機・家庭用電気機械器具
生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫その他汎用性が高く目的外使用になりえるもの
新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンターを含む)単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等、古い機械装置等の撤去・廃棄費用
自動車等車両のうち、減価償却資産の耐用年数省令の「機械及び装置」に当たるもの(ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備)自動車等車両(「機械及び装置」に当たるものを除く)、船舶、動植物
商品として販売・賃貸する機械装置等の購入・仕入れ(デモ品・見本品でも不可)、有償で貸与することを目的とした機械装置等
顧客に貸与する事業運営(駐車場経営、貸倉庫経営、コインランドリー事業等)の機械装置等
住宅宿泊事業者が、宿泊施設のうち自宅部分に設置する機械装置等

購入のルールも決まっています。

  • 発注総額(1件あたり)が50万円(税込)超なら、2者以上から見積を取ります
  • 中古品は、購入単価50万円(税抜き)未満のものに限ります。金額に関わらず、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積が必要です。個人からの購入やインターネットオークションでの購入はできません。50万円以上の中古品を分割して買うと、その中古品全体が対象外です
  • 修理費用は対象外です。購入品が故障して補助事業に使えなかった場合も対象外になります
  • 単価50万円(税抜き)以上の機械装置等は「処分制限財産」です。補助金を受け取った後も一定期間、目的外使用・譲渡・担保提供・廃棄等が制限されます
  • ウェブサイトやシステム開発に関わるソフトウェアは、機械装置等費ではなく③ウェブサイト関連費で計上します

店舗の設備と改装工事の線引きは、持続化補助金で店舗改装・設備購入はできる?で詳しく解説しています。

②広報費:補助金額30万円まで・広報費だけでは申請不可

広報費は、パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等を作り、広報媒体を活用するための費用です。補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、広報費のみの申請はできません。補助事業計画に基づく商品・サービスの広報が対象で、単なる会社のPRや営業活動に使う広報は対象外です。

対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
チラシ・カタログの外注や発送、新聞・雑誌等への商品・サービスの広告商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告・看板・会社案内パンフレット・求人広告
看板作成・設置名刺、金券・商品券
試供品(販売用商品と明確に異なるものである場合のみ)販売用商品と同じものを試供品として用いる場合
販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ)宣伝広告の掲載がない販促品
郵送・インターネットを介したDMの発送、インターネット広告・バナー広告、インターネットでのプレスリリース配信チラシ等配布物のうち未配布・未使用分
電子パンフレット作成、商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布
SNS広告・運用代行費、街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告への掲載フランチャイズ本部の作製する広告物の購入、チラシ等に使う画像の被写体や商品の購入費

自社ホームページやECサイトで使う動画・写真の制作費は、広報費ではなく③ウェブサイト関連費です。広告の種類ごとの扱い、未配布分の数え方、計算例は持続化補助金でチラシ・看板・広告は対象?にまとめています。

③ウェブサイト関連費:補助金額30万円まで・単独申請不可

ウェブサイト関連費は、販路開拓等のためのウェブサイト・ECサイト・システム(オフラインを含む)の開発・構築・更新・改修・運用の費用です。補助金交付申請額の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費のみの申請はできません。ウェブサイトやシステム開発に関わる経費は、ほかの区分ではなくこの区分で計上します。

対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
オフラインを含むシステム開発、顧客管理システムの構築、アプリケーション開発ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング、アドバイス費用
業務効率化のためのソフトウェア家庭および一般事務用ソフトウェア、既に導入しているソフトウェアの更新料
販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(設計用3次元CADソフト、顧客管理ソフト等)販売を目的としたシステムやソフトウェア開発、電子書籍の出版に係る費用(新商品開発費でも対象外)
商品販売のためのウェブサイト作成や更新、効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ
ウェブサイトに掲載する宣材写真や、商品・サービスを販売するための画像・動画の作成費用有料配信する動画の制作費、有料の講座で使用する動画や電子教材の作成
ウェブサイトに使う画像等の被写体や商品の購入費

POSソフトは、補助事業計画の「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限り対象です。契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェア使用権は、補助事業期間の分だけを按分して計上します。50万円(税抜き)以上で作成・更新したウェブサイトやシステムは、処分制限財産に当たることがあります。ホームページ制作の進め方や第19回までとの違いは、ホームページ制作とウェブサイト関連費の記事をご覧ください。

④展示会等出展費:申込みだけは交付決定前でも可

展示会等出展費は、新商品等を展示会等に出展する、または商談会に参加するための費用です。オンラインの展示会・商談会も含みます。出展料に加え、関連する運搬費・通訳料・翻訳料も対象です。

  • 出展申込みは交付決定前でも構いません。ただし、請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前なら対象外です
  • 運搬費のうち、レンタカー代・ガソリン代・駐車場代等は除かれます
  • 自社で開催するイベントの会場費は⑦借料、出展に必要な機械装置等の購入は①機械装置等費です
  • 国(国から補助金等を受けた機関を含む)から出展料の一部助成を受けるもの、販売のみを目的とし販路開拓につながらないもの、補助事業期間外に開催される展示会等は対象外です
  • 選考会・審査会(○○賞)等への参加・申込費用、実績報告で出す証拠書類の翻訳料、文房具等の消耗品代、飲食費を含んだ商談会参加費等も対象外です
  • 海外展示会の証拠書類が外国語のときは、記載内容を日本語で要約・説明する書類も実績報告で提出します

採択結果の公表と交付決定は、当初予定より遅れる場合があると公募要領に書かれています。第20回の採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定まではさらに概ね1〜2か月かかる場合があります。出展を予定する展示会の開催日が、交付決定日より後になるかを確かめてから計画に入れてください。

⑤旅費:補助事業計画に書いた販路開拓の出張だけ

旅費は、補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓(展示会・商談会等の会場との往復を含む)等のための旅費です。計画に明記していない出張や、通常の営業活動とみなされる出張は対象外です。出張報告などで必要性を確認できるものが対象になります。

対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
販路開拓のための展示会等への出展に係る宿泊施設への宿泊代国の支給基準の超過支出分、日当
バス運賃・電車賃・新幹線料金(指定席を含む)ガソリン代・駐車場代・タクシー代・レンタカー代・高速道路通行料
航空券代(燃油サーチャージを含み、エコノミークラス分の料金まで)、航空保険料、出入国税グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分、朝食付き・温泉入浴付き宿泊プランの朝食料金・入浴料相当分
視察・セミナー等参加のための旅費、個社同士の商談や単なる営業活動に係る旅費
パスポート取得料、国の助成制度を利用して支払われた経費

移動の費用は、公共交通機関を使った最も経済的・合理的な経路の実費です。対象は必要最低限の人数分だけで、旅費の金額は国の支給基準を踏まえた基準で計算します(基準は事務局が後日公開する別紙「参考資料」に載る予定です)。

⑥新商品開発費:テストマーケティングの記載が必要

新商品開発費は、新商品の試作品や包装パッケージの試作開発に伴う原材料・設計・デザイン・製造・改良・加工の費用です。第20回では、テストマーケティングや市場調査の結果を踏まえたもの、またはそれらを伴うものが対象になりました。

  • 申請時に実施済みなら、その内容と結果を補助事業計画(様式2)に書きます。未実施なら、実績報告書(様式第8)に書きます。どちらにも記載がないと、その経費は対象外です
  • 原材料は、サンプルに使う必要最小限の数量にとどめ、補助事業の終了時には使い切ります。実際に使った分だけが対象です
  • 原材料費を計上するときは、受払簿(任意様式)で受け払いを記録します
対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
新製品・商品の試作開発用の原材料の購入文房具等、試作開発用に買って使い切らなかった材料分
新たな包装パッケージに係るデザイン費用開発・試作した商品をそのまま販売する場合の開発費用
デザインの改良等をしない既存の包装パッケージの印刷・購入
開発が完了し、実際に販売する商品を包装するために印刷・購入するパッケージ分
システム開発・構築(③ウェブサイト関連費で計上)

⑦借料:既存の事務所家賃は対象外

借料は、補助事業の遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料です。採択発表後から交付決定までに見積書等で確認できる、本事業に要する経費だけが対象になります。

  • 契約期間が補助事業期間を越える場合は、補助事業期間の分だけを按分して計上します
  • 自主事業など補助事業以外にも使うもの、通常の生産活動に使うものは対象外です
  • 事務所等の家賃は対象外です。ただし、既存の事務所賃料ではなく、新たな販路開拓の取組の一環として新たに事務所等を借りる場合は、対象となる場合があります。審査時に床面積の按分資料が必要です
  • 商品・サービスのPRイベントの会場を借りる費用は借料です

敷金・保証金・仲介手数料・駐車場代・光熱水費は、区分を問わず対象外です(どの区分にも入らない対象外経費)。

⑧委託・外注費:自社でできない業務に限る

委託・外注費は、①〜⑦に当たらない経費で、補助事業に必要な業務の一部を第三者に委託・外注する費用です。自ら実行することが困難な業務に限られます。たとえば、デザイン会社がデザインを外注するように、自社が通常事業として行っている業務は「困難な業務」に含まれません。

対象になる例(公募要領)対象にならない例(公募要領)
店舗改装・バリアフリー化工事、利用客向けトイレの改装工事販路開拓や業務効率化に結びつかない工事(単なる店舗移転のための解体・建設工事、住宅兼店舗の住宅部分、既存の事業部門の廃止にともなう設備の解体工事など)
製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事「建物の増築・増床」や「小規模な建物(コンテナハウス等)の設置」など「不動産の取得」に係る費用
移動販売等を目的とした車の内装・改造工事顧客に貸与する事業運営(駐車場経営、貸倉庫経営、コインランドリー事業等)のスペース等の改装
従業員の作業導線改善のための作業スペースの改装工事(補助事業計画の「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限る)テレフォンアポイントメント等、営業代行業務の委託に係る費用
インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家(税理士、公認会計士、中小企業診断士等)への相談費用「諸経費」など内訳が不明な費用
  • 委託内容・金額等を詳細に書いた契約書等を結び、成果物等が補助事業者に帰属する必要があります。実績報告では成果物が分かる資料を提出します
  • 発注した業務の実務すべてを再委託することを前提とした経費は対象外です
  • ウェブサイトやシステム開発の委託・外注は③ウェブサイト関連費で計上します
  • 住宅宿泊事業者(民泊)の改装は、「住宅のうち事業の用に供する部分の面積」で按分した金額が対象です
  • 補助金の応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用は対象外です

「不動産の取得」に当たるかは、外気分断性・土地への定着性・用途性の3要件で判定します。判定の考え方は店舗改装・設備購入の記事にまとめています。

どの区分にも入らない対象外経費

8区分のどれかに当てはまる費用でも、公募要領「7.(4)補助対象外となる経費」に当たれば対象外です。計上した経費の大半が対象外の場合は、補助事業の円滑な実施が困難として不採択・採択取消になります。

分類対象外になる経費の例(公募要領)
国の他制度との重複就労継続支援A型・B型事業所など障害福祉サービス事業と重複する経費、介護報酬が適用されるサービス(デイサービス・介護タクシー等)、保険適用診療にかかる経費(保険診療で使う機械や、保険診療の宣伝も兼ねるチラシ等)
通常の事業活動販売している商品の仕入、老朽化した既存機械の取替え、応接室のソファや従業員が使う事務机
販売・有償レンタル目的塾や教室で使う有料教材の制作、レンタル事業者のレンタル機材の購入、電子書籍や本の出版
他社のため他社の販路開拓につながる取組、他社の商品を宣伝するホームページ制作、他社製品を製造するための機械、他社への寄付金・協賛金
自動車等車両自動車、フォークリフト、キッチンカー、除雪車、キッチントレーラーなど
取引の相手自社内部やフランチャイズチェーン本部との取引(本部指定の機器を本部以外から買う場合を含む)、役員・従業員や代表者・役員の親族(3親等以内)への発注、親会社・子会社・関連会社等への発注、開業していない個人からの購入、オークションでの購入
固定費・消耗品駐車場代・保証金・敷金・仲介手数料・光熱水費、電話代・インターネット利用料金等の通信費、消耗品(名刺、文房具、インクカートリッジ、用紙、梱包材など)
人件費・謝金役員報酬、直接人件費、謝金、雑役務費(アルバイト代・派遣料など)
専門家・手続き税務申告・決算書作成のための税理士・公認会計士等の費用、訴訟等の弁護士費用、補助金の応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用、コンサルティング・アドバイス費用(インボイス制度対応のための専門家への相談費用は除く)
支払方法・契約形態交付決定前の発注・契約・購入・支払い(前払いを含む)、1取引10万円(税抜き)を超える現金支払、補助事業期間内に支出が完了していないもの、売上や契約数に応じた成功報酬型の費用、キャッシュバック等で実質の支払額が証憑と一致しないもの
その他美術品・骨董品、雑誌購読料・新聞代・団体等の会費、飲食・接待の費用、不動産購入・取得費、修理費、車検費用、各種保証・保険料、借入金の支払利息、免許・特許等の取得・登録費、セミナー等の参加費・図書購入費、振込手数料等、クラウドファンディングの手数料、各種キャンセルの手数料

保険料は原則対象外ですが、旅費に係る航空保険料と、展示会等の主催者から義務付けられた保険料は対象です。公租公課も対象外ですが、旅費に係る出入国税は対象です。

迷いやすい費用はどの区分?早見表

迷いやすい費用の扱いの図解。主な項目:対象外:パソコン・タブレット・複合機、自動車・キッチンカー、対象外:既存の家賃、従業員の給与・アルバイト代、申請書類の作成費用、ウェブサイト関連費:ホームページ制作、サイトに載せる写真・動画、委託・外注費:店舗改装、移動販売車の内装・改造工事
図解:迷いやすい費用の扱いで押さえたいポイント

迷いやすい費用を、公募要領の記載にあてはめて整理しました。「対象外」とある物は、どの区分に入れても対象になりません。

費用扱い根拠(公募要領の記載)
パソコン・タブレット・複合機対象外機械装置等費の対象外の例に明記(汎用性が高く目的外使用になりえるもの)
自動車・キッチンカー対象外補助対象外となる経費「⑤自動車等車両」
移動販売車の内装・改造工事⑧委託・外注費委託・外注費の対象例
厨房機器・冷凍冷蔵庫・ショーケース①機械装置等費生産販売拡大・衛生向上等のためのもの。単なる買い替えは対象外
チラシ・看板・SNS広告②広報費補助金額30万円まで・単独申請不可
ホームページ・ECサイト制作③ウェブサイト関連費補助金額30万円まで・単独申請不可
ホームページに載せる写真・動画③ウェブサイト関連費自社サイト・ECサイトで使う物はウェブサイト関連費で計上
会計ソフトなど一般事務用ソフト対象外「家庭および一般事務用ソフトウェア」は対象外
POSソフト③ウェブサイト関連費補助事業計画の業務効率化の取組内容に記載した場合に限る
店舗改装・トイレの改装⑧委託・外注費増築・増床など「不動産の取得」は対象外
新たに借りる事務所・店舗の家賃⑦借料(対象となる場合あり)新たな販路開拓の一環で新たに借りる場合のみ。既存の家賃は対象外
自社イベントの会場費⑦借料PRイベントの会場を借りる費用
従業員の給与・アルバイト代対象外直接人件費・雑役務費は対象外
インボイス対応の税理士への相談⑧委託・外注費取引先の維持・拡大に向けた相談費用に限る。決算・税務申告の費用は対象外
補助金の申請書類の作成費用対象外応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用は対象外

パソコンやタブレットを導入したい場合は、持続化補助金ではなく、ほかの制度が候補になります。たとえば、国のデジタル化・AI導入補助金のインボイス枠(インボイス対応類型)では、会計・受発注・決済ソフトと一緒に導入するPC・タブレット等も補助対象になり得ます。要件はデジタル化・AI導入補助金のインボイス枠の記事で確認してください。

経費明細を作るときの注意:消費税・業務効率化・見積書

経費明細は、申請後に区分を増やせない前提で作ります。公募要領は、原則として補助事業計画に記載のない新しい費目の追加は認めないとしています。

  • 消費税:課税事業者は、消費税・地方消費税の相当額を補助対象経費から除いて申請します。消費税等を経費に含めてよいのは、免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者が、消費税等を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた場合だけです
  • 業務効率化(生産性向上)の経費:申請時に所定の様式に内容を書き、経費明細表に計上していることが前提です。採択後の変更承認手続で、あとから補助対象経費に加えることはできません
  • 見積書:採択発表後から交付決定までに、価格の妥当性を証明できる見積書等(相見積を含む)を提出します。見積金額に複数の項目が含まれる場合は、内訳を示します。見積書の提出期限は2028年2月29日(火)で、それまでに出さないと採択取消です
  • 相見積:発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)なら2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選びます。見積を取ることが困難な場合は、随意契約の理由書を交付決定までに提出します。中古品は理由書による随意契約が認められません
  • 区分の上限:広報費・ウェブサイト関連費の30万円は、経費ではなく補助金交付申請額の上限です。補助率2/3なら、補助対象経費45万円で上限に届きます
  • 審査:計画審査の項目に「積算の透明・適切性」があり、事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているかが見られます

採択後に対象外経費の計上が見つかった場合は、その支出を除いて補助対象経費を計算し直すよう事務局から指示されます。速やかに対応しないと、採択されても交付決定できないことがあります。

いくら補助される?計算例

補助金の額は、補助対象経費に補助率を掛けた額です。広報費・ウェブサイト関連費は区分ごとに30万円で頭打ちになり、合計は補助上限に収まります。次の表は、公募要領の補助率・上限をもとに当社が計算した例です(課税事業者で、経費はすべて税抜き、補助率2/3の前提)。

ケース経費の内訳(税抜き)補助金額の計算補助金額
A:通常枠の上限ちょうど厨房機器(機械装置等費)45万円+チラシ(広報費)30万円機械30万円+広報20万円=50万円50万円
B:広報費が区分上限を超える厨房機器30万円+チラシ・SNS広告60万円機械20万円+広報40万円→30万円で頭打ち=50万円50万円(上限50万円の範囲内)
C:インボイス特例(上限100万円)店舗改装(委託・外注費)90万円+ホームページ(ウェブサイト関連費)60万円改装60万円+ウェブ40万円→30万円で頭打ち=90万円90万円
D:賃金引上げ特例(上限200万円)製造機械(機械装置等費)240万円+展示会出展料30万円機械160万円+出展20万円=180万円180万円

ケースCは経費の合計が150万円で、2/3を掛けると100万円です。ただしウェブサイト関連費の補助金額が30万円で頭打ちになるため、受け取れる補助金は90万円です。ケースDの製造機械は、単価50万円(税抜き)以上なら処分制限財産に当たります。特例の要件は第20回ガイドの特例の章で確認してください。

支払いと証拠書類のルール

経費は、補助事業期間内(交付決定日から2028年3月31日まで)に発注・支払いを終え、実際に使っていなければ対象になりません。補助事業期間中に支払っても、取組そのものが期間外なら対象外です。

  • 支払いは銀行振込が大原則です。旅費や現金決済のみの取引を除き、1取引10万円超(税抜き)の現金払いは認められません
  • 小切手・手形・相殺による支払いはできません
  • クレジットカードは申請事業者の名義に限ります。分割払い・リボ払いは、引き落としが補助事業期間内に完了している必要があります。代表者や従業員が個人カードで払った場合、帳簿等で立替払いと確認できなければ対象外です
  • ネット広告などの電子商取引では、発注日が分かる取引画面、請求額が分かる書類、広告が確認できる画面を提出できないと対象外です
  • 補助事業の経費は区分経理し、帳簿と証拠書類は補助事業の終了日の属する年度の終了後5年間保存します
  • 機械を買ったのに期間内に使っていない、広告料を払ったのに期間内に掲載されていない、受注システムを作ったのに期間内に公開していない場合は、いずれも対象外です

採択後の手続きの流れは、持続化補助金の採択後の流れで解説しています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかでは、次のような点で計画の組み直しが必要になることがあります。いずれも公募要領に書かれているルールです。

  • パソコン・タブレット中心の計画:汎用性が高い物は対象外のため、計上した経費の大半が対象外になるおそれがあります。販路開拓に使う設備や広報の計画を中心に組み直します
  • 広報費とウェブサイト関連費だけの計画:どちらも「ほかの経費と一緒に申請」とされています。この2区分だけで申請できるかは公募要領に明記がないため、地域の商工会・商工会議所に確認してください
  • 採択後すぐの発注:採択通知書だけでは補助事業を始められません。発注・契約は交付決定通知書に書かれた交付決定日からです
  • 業務効率化の経費の後出し:申請時の様式と経費明細表に入れていない業務効率化の経費は、あとから追加できません

よくある質問

Q. 持続化補助金でパソコンやタブレットは買えますか?

いいえ、対象外です。公募要領は、パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末などを「汎用性が高く目的外使用になりえるもの」として機械装置等費の対象外に挙げています。ソフトウェアのうち業務効率化や販路開拓のための物は、ウェブサイト関連費で対象になる場合があります。

Q. 車やキッチンカーは対象になりますか?

いいえ、自動車・キッチンカー・フォークリフト・キッチントレーラーなどの車両は対象外です。ただし、移動販売等のための車の内装・改造工事は委託・外注費の対象例です。ブルドーザーなど「機械及び装置」に区分される自走式作業用機械は、機械装置等費の対象例に挙がっています。

Q. 店舗の家賃や従業員の給料は対象になりますか?

いいえ、既存の事務所等の家賃と人件費は対象外です。新たな販路開拓の取組の一環として新たに事務所等を借りる場合は、借料として対象となる場合があります。役員報酬・直接人件費・アルバイト代は対象外です。

Q. 消費税込みの金額で申請できますか?

課税事業者は、消費税を除いた金額で申請します。免税事業者・簡易課税事業者・2割特例の申請者は、消費税等を補助対象経費に含めて申請し、その内容で交付決定を受ければ消費税等も対象です。

Q. 中古の設備は対象になりますか?

はい、条件付きで対象です。購入単価50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積を取る必要があります。個人からの購入やネットオークションでの購入は対象外です。

Q. 採択の前に買った設備を経費にできますか?

いいえ、できません。交付決定日より前に発注・契約・購入・支払い(前払いを含む)をした経費は対象外です。例外は展示会の出展申込みだけで、これも請求書の発行が交付決定日以後である必要があります。

まとめ

  • 対象経費は8区分で、それ以外は対象外です。交付決定日以降に発注・支払いをし、証拠で金額を確認できる物に限られます
  • 広報費・ウェブサイト関連費は補助金額30万円(税込)までで、その区分だけでは申請できません
  • パソコン・タブレットなど汎用品、自動車・キッチンカー、家賃・人件費・消耗品は対象外です
  • 課税事業者は消費税を除いて計上します。業務効率化の経費は申請時に計上しておく必要があります
  • 計上した経費の大半が対象外だと、不採択・採択取消になります

持続化補助金を含め、自社が使える補助金を確かめたい方は補助金かんたん診断をご利用ください。補助金のご質問はLINEでも受け付けており、どの制度が該当するか、申請条件に合うかをご提案します。

参考(一次情報)