IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)では、顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)・マーケティングオートメーション(MA)のツールは、通常枠なら補助対象になり得ます。ただし公募要領は、顧客情報や営業情報を「保有・表示する」だけの機能を対象外としています。インボイス枠では、CRM・SFAの機能だけのソフトは対象になりません。

この記事では、第7回公募(7次締切)からの公募要領の原文をもとに、CRM・SFA・MAツールの線引きを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。要点は次の5つです。

  • 通常枠:公募要領の別紙2で、MA・SFA・CRM・予約受付台帳・無人受付システムが、業務プロセス「共P-01 顧客対応・販売支援」の機能例に挙げられています
  • 対象外になる機能:SFAは「単なる営業活動の情報を保有・表示する機能」、CRMは「単なる顧客情報を保有・表示する機能」が対象外です。顧客名簿や名刺の一覧を作るだけの使い方では足りません
  • インボイス枠(インボイス対応類型):対象のソフトは「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものに限られます。CRM・SFAの機能だけでは、この枠の対象になりません
  • 申請できない事業者がいます。インボイス枠は過去の交付決定歴、通常枠は12カ月制限などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)
  • 補助額150万円以上は、4プロセス以上+賃上げ要件が必須です。CRM・SFA・MAはまとめて共P-01の1プロセスと数えます

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IT導入補助金で顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)・MAツールは対象になる?の記事でわかる3つのこと:CRM・SFA・MAは通常枠の共P-01(顧客対応・販売支援)として対象になり得る、顧客情報・営業情報を保有・表示するだけの機能は対象外、インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件で、CRMだけでは足りない
図解:IT導入補助金で顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)・MAツールは対象になる?で最初に押さえたい3つのポイント

結論:通常枠なら「共P-01」の機能として対象になり得る

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、顧客管理・営業支援・MAの機能を持つソフトは、登録済みであれば補助対象になり得ます。補助対象は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用です(公募要領 2-2(1))。登録されたソフトウェアは、公募要領の別紙2に定められた「プロセス」を1種類以上含む必要があります。顧客管理・営業支援の機能は、このうち共P-01「顧客対応・販売支援」に分類されています。

別紙2が共P-01の機能例として挙げている項目と、使い方の例は次のとおりです(機能例は原文の表記)。

機能例(共P-01)使い方の例
MA:トラッキング機能(潜在顧客属性情報及び行動履歴収集、分析)、リード管理(潜在顧客育成、潜在顧客選別)問い合わせ前の見込み客の行動を記録し、関心の高い見込み客を選ぶ
SFA(見込客情報、案件情報、商談進捗、営業販促活動、営業実績管理等の一連のプロセスをシームレスにつなぎ、営業活動と関連業務を可視化することで営業力を強化するもの)案件・商談の進み具合と営業実績を、チーム全体で見えるようにする
CRM:顧客購買履歴及び対応履歴全社共有・顧客分析・販促・アフターケア機能購買履歴と対応履歴を社内で共有し、販促やアフターフォローに使う
予約受付台帳店舗側で予約を受け付け、管理する
無人受付システム、無人チェックイン、順番発券機システム受付・チェックイン・順番待ちの発券を自動化する

この一覧は機能の分類で、特定の製品が対象だという保証ではありません。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。どの製品が登録済みかは、公式のITツール検索で確認します。機能概要には、AIの搭載有無も載っています(公募要領 2-2(2))。

対象外になる機能:「保有・表示するだけ」は認められない

CRM・SFA・MAで対象外になる機能の図解。主な項目:SFA:単なる営業活動の情報を保有・表示する機能、CRM:単なる顧客情報を保有・表示する機能、MA:カメラ等のハードウェア部分、予約:顧客側の画面を新しく作る費用(スクラッチ開発)
図解:CRM・SFA・MAで対象外になる機能で押さえたいポイント

共P-01の機能でも、公募要領は機能ごとに注意点を定めています。CRM・SFA・MAで特に確認したいのは次の4点です(原文の趣旨)。

機能対象になるもの対象外になるもの
SFA営業活動の状況が把握でき、企業全体の営業力の強化につなげることを目的としたもの単なる営業活動の情報を保有・表示する機能
CRMマーケティング活動のために顧客情報を利用し、顧客を醸成・育成(リードナーチャリング)することを目的としたもの単なる顧客情報を保有・表示する機能
MA(AIトラッキング等)カメラ等から得た情報で人の目線・性別・年齢などを収集し、マーケティングに使うソフトウェアハードウェア部分。ソフトとハードが一体で切り分けが困難なもの
予約受付台帳店舗側で予約を管理する機能顧客側が利用・予約を行う画面や機能(切り分けできない場合を除く)。顧客側画面を新規制作する費用(スクラッチ開発に該当)

CRMの注意点は、「顧客情報を持っている」ことではなく「顧客情報を販促や育成に使う」ことを求めています。顧客名簿のデータベースや、名刺を読み取って一覧にするだけの使い方では、この基準に届かない可能性があります。購買履歴の分析、対応履歴の共有、販促メールの配信など、顧客との関係づくりに使う機能があるかを確認してください。

予約システムは、顧客がスマートフォンから予約する画面ではなく、店舗側の予約台帳が対象です。予約サイトやホームページを新しく作る費用は、ここでは対象になりません。ホームページ・ECサイトの扱いは、IT導入補助金でホームページ・ECサイトは作れる?で整理しています。

先に確認:申請できない事業者・使えない枠

ソフトが対象でも、申請する側が対象外なら申請できません。CRM・SFAを選ぶ前に、次の点を確認してください。

通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)

通常枠の公募要領2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。

  • 大企業が株式の2分の1以上を同一で所有している中小企業など、大企業との資本関係が深い事業者((1)①〜⑤)
  • 確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者((1)⑥)
  • 親会社が議決権の50パーセント超を持つ子会社がある場合など、「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません((2))
  • IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者((3))
  • 補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けている事業者、風俗営業等を営む事業者(旅館業の許可を受けた一部を除く)、反社会的勢力に関係する事業者
  • 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークルなど)、他の補助金等で不正行為等を行った事業者

ここでは主な項目を抜き出しています。全項目は公募要領2-1-2で確認してください。インボイス枠の公募要領2-1-2にも、同じ趣旨の項目があります。

申請の単位と回数、12カ月制限(通常枠)

  • 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。例外として、同じ期間中に受付中のインボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)とセキュリティ対策推進枠は、あわせて申請し、交付決定を受けることができます(公募要領 3-2(4))
  • インボイス枠と併願すると審査で減点され、インボイス枠と同じ機能(会計・受発注・決済)のITツールを選ぶとさらに減点されます(公募要領 3-3(2)②)。補助対象経費の二重計上(特にオプション・役務)が疑われると、交付決定の取消しや全額返還を求められる場合があります
  • IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回のソフトウェアのプロセスが重複すると減点されます。プロセスが完全に一致する場合は不採択です(公募要領 3-3(2)②)。前回も顧客管理(共P-01)だけのソフトを導入している場合は、特に確認してください。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者全般も、減点の対象です
  • IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026の通常枠で申請できません
  • 補助額150万円未満の申請でも、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃金引上げ計画の策定と従業員への表明が要件になります(公募要領 2-1-1(テ))

インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外

インボイス枠の公募要領2-1-2は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています。

  • IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
  • IT導入補助金2024・2025のインボイス枠

IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません(インボイス枠の公募要領 3-2(4)(ア))。組み合わせの確認は、再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方が役立ちます。

通常枠:CRM・SFA・MAで「プロセス数」はどう数える?

CRM・SFA・MA・予約受付台帳は、どれも共P-01の1プロセスとして数えます。通常枠で必要なプロセス数(ソフトが持つ業務機能の分類の数)は、補助額によって次のように変わります(公募要領 2-3)。

補助額必要なプロセス数賃上げ目標の扱い
5万円〜150万円未満1プロセス以上加点項目(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は必須要件)
150万円〜450万円以下4プロセス以上必須要件

プロセスの種類は、公募要領の表で次の7つです(原文の表記)。

Pコードプロセス名顧客管理・営業との関係の例
共P-01顧客対応・販売支援CRM・SFA・MA・予約受付台帳
共P-02決済・債権債務・資金回収受注・売上請求管理、採算管理(売上分析、粗利管理)
共P-03供給・在庫・物流取引条件管理、納品管理
共P-04会計・財務・経営管理会計、経営分析
共P-05総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務ワークフロー
各業種P-06業種固有プロセス業種ごとの機能(例:保険・金融業の契約管理)
汎P-07汎用・自動化・分析ツールCTI・PBX・IVR、メールソフト、チャットボットシステム

右の列は、別紙2の機能例から顧客管理・営業と関係の深いものを抜き出した例です。CRMとSFAとMAを1つにした統合型のソフトでも、共P-01だけを持つなら1プロセスです。

  • 150万円未満で申請する場合:共P-01を含む登録ソフト1つで、1プロセス以上の要件を満たせます
  • 150万円以上で申請する場合:「共P-01〜汎P-07のうち4種類以上」が必要です。受注・売上請求(共P-02)や会計(共P-04)などを含むソフトとの組み合わせが前提になります
  • 汎用プロセス(汎P-07)だけのソフトは、単独では申請できません。共P-01〜各業種P-06と組み合わせて申請すれば、1プロセスとして数えられます(公募要領 2-2(3)(ア))

電話・チャットの顧客対応ツールは汎P-07

顧客対応に使うツールでも、電話やチャットの仕組みは共P-01ではなく汎P-07に分類されています。別紙2の汎P-07には、「CTI、PBX、IVR」や「RPA、チャットボットシステム」が機能例として載っています。注意点も2つあります。

  • CTI・PBX・IVRは、ソフトウェアのみが対象で、ハードウェア部分は対象外です
  • チャットボットのシナリオ作成費は、カテゴリー6(導入設定・マニュアル作成・導入研修)の役務として登録されます

コールセンターの仕組みやチャットボットだけでは単独で申請できないため、CRMなど共P-01のソフトと組み合わせるのが基本です。その場合、プロセス数は共P-01と汎P-07の2つになります。

インボイス枠(インボイス対応類型):CRM・SFAだけでは足りない

インボイス枠(インボイス対応類型)では、顧客管理・営業支援の機能は要件にならず、会計・受発注・決済の機能を持つソフトが必要です。補助対象のソフトは、公募要領2-2(3)(ア)で次のとおり定められています。

カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある

通常枠との違いを表にまとめると、次のとおりです。

項目通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
ソフトに求められる機能別紙2のプロセス(CRM・SFA・MAは共P-01)インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済を1種類以上
CRM・SFA・MAの機能プロセスとして数えられる要件にならない
補助額5万円〜450万円会計・受発注・決済が1機能なら上限50万円、2機能以上なら上限350万円
補助率1/2以内(条件つきで2/3以内)補助額50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内
ハードウェア補助対象外会計・受発注・決済の機能を持つソフトとあわせて導入するPC・タブレット等や、決済機能を持つソフトで登録されたPOSレジ等に限り対象

販売管理のソフトの中には、顧客管理と見積・受注・請求の機能を一緒に持つものがあります。ただし、登録上どの機能として分類されているかは製品ごとに違います。インボイス枠で使えるかは、ITツール検索でそのソフトに「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能が登録されているかを見て判断します。登録情報で判断できないときは、IT導入支援事業者に確認してください。

インボイス枠(インボイス対応類型)でも、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者には、補助額にかかわらず賃金引上げ計画の要件があります。1年後と事業計画期間の年平均で、1人当たり給与支給総額を3.5パーセント以上向上させる計画を策定し、従業員に表明することが求められます(インボイス枠の公募要領 2-1-1(ツ))。

補助率・補助額の考え方(通常枠)

通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切からの公募要領(第7回公募〜)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(原文)。

令和7年10月から令和8年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

この2/3は、賃上げ計画を立てたかどうかとは関係なく、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置です。

CRM・SFAはクラウドで月額・年額の料金を払う製品が多い分野です。補助対象になる費用の範囲には、次の上限があります(公募要領 2-2(2))。

  • ソフトウェア(買取形式、月額・年額のサブスクリプション販売形式等):最大2年分
  • オプション(機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ):最大1年分
  • 役務(導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート):合計200万円が上限。保守サポートは、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分

試算の例です。年額60万円のクラウドCRMを2年分(120万円)と、導入設定30万円を申請する場合、補助対象経費は150万円です。補助率1/2なら補助額は75万円で、150万円未満のため1プロセス以上で申請できます。3年目以降の利用料は自己負担です。

そのほか、公募要領は次の費用を補助対象外としています(2-2(4)の抜粋)。

  • 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの
  • 補助金申請・報告にかかる申請代行費
  • 交付申請時に、ITツールの利用金額が定められないもの
  • 交付決定前に購入したITツール
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • 交通費、宿泊費、公租公課(消費税)

利用人数やデータ量に応じて料金が変わる従量課金の契約は、申請時に金額を確定できるかを事業者に確認してください。

150万円以上は賃上げ要件が必須

通常枠で補助額150万円以上を申請する場合は、賃上げ要件が必須です。公募要領は、次の4つをすべて満たす3年間の事業計画を求めています(2-1-1(ト))。基準年度は、交付申請日の属する事業年度です。

  1. 1年後に、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)を3パーセント以上向上させること
  2. 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3パーセント以上とすること
  3. 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  4. 交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を策定し、従業員に表明していること

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、1と2が3.5パーセント以上になります(2-1-1(ナ))。1年後の目標は未達でも補助金の返還は求めないとされています。事業計画終了時点で年平均成長率の要件を達成できない場合や、事業場内最低賃金の要件を達成できない場合は、返還を求められる場合があります。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校等は、賃上げ要件の適用外です(2-1-1(ニ))。

通常枠には、補助額にかかわらず労働生産性の目標もあります。1年後に労働生産性を3パーセント以上、事業計画期間の年平均成長率を3パーセント以上向上させる計画が求められます。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)などや2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、4パーセント以上です(2-1-1(ク))。CRM・SFAで営業の効率がどれだけ上がるかを、この目標と結びつけて説明できるようにしておくと計画が立てやすくなります。

CRM・SFAの申請を検討するときの確認手順

CRM・SFAの申請前の確認手順の図解。主な項目:申請できる事業者か(対象外・12カ月制限)を確認する、ITツール検索で製品の登録とプロセスを確かめる、補助額150万円以上なら4プロセス以上と賃上げ要件が必須、交付決定前に発注・契約・支払いをしない
図解:CRM・SFAの申請前の確認手順で押さえたいポイント

CRM・SFAの申請は、申請できる事業者かの確認から始め、枠・製品・補助額を決めてから発注に進みます。順番は次のとおりです。

  1. 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限)。GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言も申請要件です。交付申請の直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます(公募要領 2-1-1(2))
  2. 使う枠を決める:CRM・SFA・MAを軸にするなら通常枠です。インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が前提です
  3. 公式のITツール検索で、導入したい製品が登録済みか、どのプロセスで登録されているかを確認する
  4. 使い方が「保有・表示するだけ」になっていないか確認する。購買履歴の分析、対応履歴の共有、商談進捗の管理など、どの機能を使うかを決めておきます
  5. 補助額が150万円未満か以上かを決める。以上なら4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
  6. 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
  7. 見積書に申請代行費や、登録外の費用が混ざっていないか確認する

補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。登録の有無や対象になるかのご質問は、公式LINEでも受け付けています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかで、CRM・SFAの導入で起きやすいつまずきは次の4つです。

  • 顧客名簿を作るだけの使い方を想定していた。CRM・SFAは、情報を「保有・表示する」だけの機能が対象外です。何のために顧客情報を使うかを、導入前に決めておく必要があります
  • CRMとSFAとMAを別々に入れれば、プロセスが3つになると考えていた。どれも共P-01に分類されるため、プロセス数としては1つです。150万円以上を狙うには、ほかのプロセスが必要です
  • インボイス枠で申請しようとしていた。インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件のため、顧客管理だけのソフトは選べません
  • すでに使っているCRMの利用料を補助してほしいと考えていた。交付決定前に購入したITツールは補助対象外です。乗り換えや追加の契約も、交付決定を受けてから行います

締切日と交付決定日(2026年10月30日確認)

6次締切(2026年10月30日(金)17:00)で受付を終えた後、公表されている次の締切は7次締切、その次が8次締切です。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)とも同じ日程です。

締切回締切日時交付決定日事業実施期間
6次締切分(受付終了)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)(予定)交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
7次締切分2026年12月1日(火)17:002027年1月19日(火)(予定)交付決定〜2027年7月30日(金)17:00(予定)
8次締切分2027年1月7日(木)17:002027年2月17日(水)(予定)交付決定〜2027年8月31日(火)17:00(予定)

8次締切分は2026年10月29日に追加公表されました。9次締切以降の日程は、2026年10月30日時点で公表されていません。公式サイトは「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」としています。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。7次締切で申請する場合、CRMの契約ができるのは交付決定日(2027年1月19日予定)以降です。全募集回の日程はIT導入補助金のスケジュールにまとめています。

よくある質問

Q. 顧客管理システム(CRM)だけで、通常枠に申請できますか?

登録済みのCRMであれば、通常枠で申請できる可能性があります。CRMは別紙2の共P-01「顧客対応・販売支援」にあたり、補助額150万円未満なら1プロセスで要件を満たせます。ただし、単なる顧客情報を保有・表示する機能は対象外です。

Q. 営業支援システム(SFA)も対象ですか?

はい、登録済みのSFAは通常枠の対象になり得ます。別紙2は、営業活動の状況を把握し、企業全体の営業力の強化につなげることを目的としたものを対象としています。営業日報を保存して表示するだけの機能は対象外です。

Q. MAツールでメール配信をしたいのですが、対象になりますか?

MAは、見込み客の行動履歴の収集・分析やリード管理の機能が共P-01の機能例として載っており、通常枠の対象になり得ます。メールソフトは汎P-07の機能例です。どちらとして登録されているかは製品ごとに違うため、ITツール検索で確認してください。

Q. インボイス枠でCRMを導入できますか?

CRMの機能だけのソフトは、インボイス枠では対象になりません。インボイス枠は、インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済の機能を1種類以上含むソフトが要件です。顧客管理と受発注・請求の機能を一緒に持つソフトなら、登録内容しだいで対象になる場合があります。

Q. 予約システムは対象ですか?

店舗側で予約を管理する「予約受付台帳」は、共P-01の機能例として対象になり得ます。顧客が利用・予約する画面や機能は、店舗側と切り分けられる場合は対象外です。顧客側の画面を新しく作る費用は、スクラッチ開発に当たるため対象外です。

まとめ

  • CRM・SFA・MA・予約受付台帳は、通常枠の別紙2で共P-01に分類されます。登録済みのソフトなら、補助対象になり得ます
  • 顧客情報や営業情報を保有・表示するだけの機能は対象外です。販促や営業力の強化に使う機能が必要です
  • インボイス枠では、会計・受発注・決済の機能が要件です。CRM・SFAの機能だけのソフトは対象になりません
  • CRM・SFA・MAは共P-01の1プロセスです。補助額150万円以上は、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
  • 申請前に、申請できない事業者(対象外・12カ月制限・過去の受給歴)でないか確認してください

補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。対象経費の全体像はIT導入補助金の対象経費、業種別の使い方は宿泊業・不動産業・美容室・士業のIT導入補助金、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。

参考(一次情報)

※本記事は2026年10月29日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツールの登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。