IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)では、登録済みの会計ソフト・請求書ソフトは、通常枠・インボイス枠とも補助対象になり得ます。インボイス枠(インボイス対応類型)は会計・受発注・決済の機能が申請の前提で、会計ソフトはこの枠の中心的な対象です。通常枠でも、会計や請求の機能はプロセスとして数えられます。どちらの枠で申請するかで、補助率・補助額・求められる機能が変わります。

この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公募要領の原文をもとに、会計ソフト・請求書ソフト・経費精算ソフトの線引きを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。要点は次の5つです。

  • インボイス枠(インボイス対応類型):対象のソフトは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものです。会計ソフトや請求書ソフトは、この要件に当てはまり得ます
  • 通常枠:公募要領の別紙2で、会計は共P-04、受注・売上請求や支払管理は共P-02に分類されます。経費精算は、仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく、費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外です
  • 「対象になり得る」は登録が前提です。どの製品が登録済みかは、公募要領ではなく公式のITツール検索で確認します
  • 申請できない事業者がいます。インボイス枠は過去の交付決定歴、通常枠は12カ月制限などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)
  • インボイス枠の補助額の上限は、機能が1つなら50万円、2つ以上なら350万円です。会計に加えて請求(受発注)まで備えたソフトのほうが、上限は高くなります

補助額の目安は見積シミュレーター(無料)で、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。

IT導入補助金で会計ソフト・請求書ソフトは対象になる?の記事でわかる3つのこと:インボイス枠の上限:1機能50万円、2機能以上350万円、通常枠で会計・請求の機能をプロセスとして数える方法、経費精算ソフトの対象外条件と、申請できない事業者
図解:IT導入補助金で会計ソフト・請求書ソフトは対象になる?で最初に押さえたい3つのポイント

結論:会計・請求の機能は両方の枠で対象になり得るが、求められる条件が違う

会計・請求の機能を持つソフトは、通常枠とインボイス枠のどちらでも補助対象になり得ます。ただし、求められる機能や補助額・補助率は枠ごとに違います。補助対象になるのは、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用です(公募要領 2-2)。会計ソフトや請求書ソフトも例外ではなく、登録済みの製品が対象です。通常枠とインボイス枠の違いを、次の表にまとめました。

項目通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
ソフトに求められる機能別紙2のプロセスのいずれか(会計は共P-04、請求・支払管理は共P-02)インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済を1種類以上
補助額5万円以上150万円未満(1プロセス以上)/150万円以上450万円以下(4プロセス以上)機能が1つなら50万円まで、2機能以上なら350万円まで
補助率1/2以内(条件つきで2/3以内)50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分は2/3以内
PC・タブレット等補助対象の区分にありませんソフトとあわせて導入する場合に10万円まで(補助率1/2以内)
賃上げ要件150万円以上は必須過去の交付決定歴がある事業者のみ必須
労働生産性の事業計画必須(3年間の事業計画)申請要件には定められていません

「会計ソフトを入れたい」だけなら、補助率が高く賃上げ要件が原則かからないインボイス枠が先に検討対象になります。ただし、インボイス枠は過去の受給歴によっては選べません。その場合は通常枠での検討になります。

先に確認:申請できない事業者・使えない枠

ソフトが補助対象でも、申請する事業者が対象外なら申請できません。会計ソフトを選ぶ前に、事業者の要件・インボイス枠の受給歴・12カ月制限を確認します。

通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)

2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。

  • 大企業が株式の2分の1以上を同一で所有している中小企業など、大企業との資本関係が深い事業者(①〜⑤)
  • 確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者(⑥)
  • 親会社が議決権の50パーセント超を持つ子会社がある場合など、「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません
  • IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者
  • 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークルなど)

このほか、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の対象となる営業を営む事業者(旅館業の許可を受けて旅館業を営むものを除く)なども対象外です。全項目は公募要領で確認してください。

インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外

会計ソフトでインボイス枠を考える方は、まず過去の受給歴を確認します。インボイス枠の公募要領は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています。

  • IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
  • IT導入補助金2024・2025のインボイス枠

また、IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、インボイス枠も12カ月制限の対象です。交付決定日から12カ月以内は、2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません(公募要領 申請単位と申請回数)。

過去にインボイス対応の会計ソフトなどで交付決定を受けた事業者は、インボイス枠は選べません。通常枠での申請を検討することになります。ただし通常枠にも制限があるため、再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方で先に確認してください。

申請の単位と回数、12カ月制限

  • 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。ただし例外として、同じ期間中に受付中の通常枠とセキュリティ対策推進枠は、併せて申請できます。交付決定を受けることも可能です(インボイス枠の公募要領 申請単位と申請回数)。併願する場合、補助対象経費の二重計上(特にオプション・役務)が疑われると、交付決定の取消しや全額返還になる場合があります。IT導入支援事業者とよく確認してください
  • 通常枠とインボイス枠を併願すると、審査で減点されます。インボイス枠の公募要領は、2026の通常枠に申請している、または交付決定を受けた事業者を減点の対象とし、通常枠の公募要領も、インボイス枠への申請・交付決定を減点の対象としています(いずれも3-3(2)②)。インボイス枠では、IT導入補助金2022〜2025のいずれかで交付決定を受けた事業者も減点の対象です。どちらの場合も、そのとき選んだITツールと同じ機能(会計・受発注・決済)のツールを導入すると、さらに減点されます。併願できても有利になるとは限らないため、どちらの枠で申請するかを先に決めてください
  • IT導入補助金2025の通常枠および複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、通常枠の12カ月制限の対象です。交付決定日から12カ月以内は、通常枠で申請できません
  • IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する場合は減点されます。プロセスが完全に一致する場合は不採択とされています(通常枠・インボイス枠とも。公募要領 3-3(2)②)。前回も会計ソフトを導入した事業者が、同じ機能の会計ソフトを再び選ぶ場合は、この点を特に確認してください

インボイス枠:「会計・受発注・決済」のどれを備えるか

インボイス枠(インボイス対応類型)では、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトが補助対象です。公募要領2-2(3)の定めは次のとおりです。

カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある

インボイス枠の補助額の上限は、備えている機能の数で決まります(2-3【補足3】)。機能の数ごとの上限と補助率は、次の表のとおりです。

備えている機能補助額の上限補助率
「会計」「受発注」「決済」のうち1つだけ50万円3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
2つ以上350万円50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円を超える部分は2/3以内

どの機能で登録されているかは、製品ごとに違います。会計の機能だけで登録されている製品もあります。請求書の発行や受注・売上の管理まで備え、「会計」と「受発注」の2機能で登録されている製品や、「決済」を含む製品もあります。上限が50万円か350万円かは、公式のITツール検索で、導入したい製品に登録されている機能を確認して判断してください。登録情報で判断できないときは、IT導入支援事業者に確認します。インボイス枠の補助対象経費やPCの条件の全体像は、インボイス枠の解説にまとめています。

小規模事業者の補助率と実績報告

補助率の4/5以内が使えるのは、公募要領の2-1-1が定める小規模事業者です。実績報告時には、指定様式の「従業員一覧」の提出が求められます。交付決定後から補助事業の完了までに小規模事業者の定義に該当しなくなった場合は、50万円以下の部分の補助率が4/5以内から3/4以内に下がります。補助率が下がっても、補助対象経費の上限は交付申請時の金額のままです。

PC・タブレット・プリンターは条件つき

会計ソフトとあわせて導入するPC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機は、インボイス枠(インボイス対応類型)に限り補助対象になります。条件は、会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つソフトとあわせて導入することです(公募要領 2-2【補足2】)。購入先は、ソフトの購入先として選んだIT導入支援事業者に限られ、補助額は10万円まで、補助率は1/2以内です。価格が市場価格を逸脱していないことも必要です。通常枠の補助対象には、ハードウェアの区分がありません。

賃上げ計画が必須になる場合

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、インボイス枠でも、補助額にかかわらず賃金引上げ計画が要件になります。3年間の事業計画で、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3.5パーセント以上とする計画です。この計画を策定し、従業員に表明することが求められます(公募要領 2-1-1(ツ))。7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降)では、この計画に、1年後に1人当たり給与支給総額を3.5パーセント以上向上させる要件が加わります(未達でも補助金の返還は求めないとされています)。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校等は適用外です(同(テ))。目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められる場合があります。

通常枠:会計・請求の機能は「プロセス」として数える

通常枠でのプロセスの数え方の図解。主な項目:会計ソフトは共P-04の1プロセス。機能が多くても増えない、請求書の発行・売掛管理は共P-02で、会計とは別に数える、経費精算は、仕訳か会計ソフトへの連携機能がないと対象外、150万円未満は1プロセス以上、150万円以上は4種類以上が必要
図解:通常枠でのプロセスの数え方で押さえたいポイント

通常枠では、会計ソフトは共P-04、請求書の発行や売掛管理は共P-02の「プロセス」として数えます。プロセスとは、公募要領の別紙2が定める業務機能の分類です。必要なプロセス数は、補助額によって次のように変わります(公募要領 2-3)。

補助額必要なプロセス数賃上げ目標の扱い
5万円〜150万円未満1プロセス以上加点項目(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は必須要件)
150万円〜450万円以下4プロセス以上必須要件

会計・経理に関係する機能は、別紙2で次のように分類されています(原文の表記)。

プロセス機能例(別紙2の抜粋)会計・経理での使い方の例
共P-04 会計・財務・経営仕訳、各種出納帳、総勘定元帳、残高試算表、財務三表(B/S,P/L,C/F)日々の仕訳入力、決算書の作成
共P-04固定資産台帳、減価償却計算資産の管理、減価償却費の計算
共P-04経費精算立替経費の申請・承認
共P-04予算統制、資金繰り計画、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)、管理会計、経営分析予実管理、資金繰り表
共P-04法定調書・税務申告書作成法定調書、申告書の作成
共P-02 決済・債権債務・資金回収受注・売上請求管理、売掛・回収管理請求書の発行、入金消込
共P-02発注・仕入管理、買掛・支払管理発注書、支払の管理

この一覧は機能の分類で、特定の製品が対象だという保証ではありません。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。

経費精算には対象外の条件がある

別紙2は、共P-04の「経費精算」について、次の注意点を示しています(原文)。

仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく、経費費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外とする。

経費精算ソフトが対象になり得るのは、仕訳機能か、会計ソフトへの連携機能を持つものです。申請書を集めて金額を表示するだけのソフトは、機能名が「経費精算」でも対象になりません。

プロセス数の数え方

  • 会計ソフトは共P-04の1プロセスです。仕訳も固定資産管理も経費精算も同じ共P-04のため、機能が多くてもプロセスは増えません
  • 請求書の発行・売掛管理は共P-02で、会計とは別のプロセスです。会計と請求書を1つのソフトで備えていれば、2プロセスとして数えられます
  • 150万円未満で申請する場合は、1プロセス以上で足ります。会計ソフト1つでも要件を満たせます
  • 150万円以上で申請する場合は、「共P-01〜汎P-07のうち4種類以上」が必要です。会計(共P-04)と請求(共P-02)に、給与・勤怠(共P-05)や顧客管理(共P-01)などを加えた組み合わせが前提になります
  • 汎用プロセス(汎P-07)だけのソフトは、単独では申請できません

補助率・補助額の考え方(通常枠)

通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降・2026年10月9日公開)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(原文)。

令和7年10月から令和8年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

受付を終了した6次締切(2026年10月30日)までの公募要領では、期間と基準が次のとおりでした(原文)。

令和6年10月から令和7年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

この2/3は、賃上げ要件を満たしたかどうかとは関係なく、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置です。

補助対象になるのは、ソフトウェア購入費・クラウド利用費・導入関連費です。費用の範囲には、次の上限があります。

  • サブスクリプション形式のソフト:最大2年分
  • オプション(機能拡張・データ連携・セキュリティ):最大1年分
  • 役務(導入コンサルティング・導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポート):合計200万円が上限

そのほか、公募要領は次の費用を補助対象外としています。

  • 補助金の申請・報告にかかる申請代行費
  • 交付決定前に購入したITツール
  • リース・レンタル契約のITツール、中古品
  • 対外的に無償で提供されているもの(ITツール登録が認められたものを除く)
  • 交通費、宿泊費、公租公課(消費税)

150万円以上は賃上げ要件が必須

通常枠で補助額150万円以上を申請する場合は、賃上げ要件が必須です。公募要領は、次の3つをすべて満たす3年間の事業計画を求めています(2-1-1(ト))。

  1. 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3パーセント以上とすること
  2. 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  3. 交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を策定し、従業員に表明していること

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、年平均成長率が3.5パーセント以上になります。7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降・2026年10月9日公開)では、この計画に、1年後に1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)を3パーセント以上(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は3.5パーセント以上)向上させる要件が加わります。基準年度は交付申請日の属する事業年度です。この1年後の要件は、未達でも補助金の返還は求めないとされています。会計ソフトを導入しても、賃金そのものが上がるわけではありません。150万円以上を狙うかどうかは、自社の賃金計画と照らして決めてください。150万円未満に収めれば、賃上げ目標は加点項目の扱いです(過去の交付決定歴がある事業者を除く)。

なお、保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校等は、この賃金引上げ計画の要件の適用外です(公募要領 2-1-1(ニ))。

賃上げとは別に、通常枠は労働生産性の目標を含む3年間の事業計画の策定・実行も申請要件です(2-1-1(ク))。1年後に労働生産性を3パーセント以上、事業計画期間の年平均成長率を3パーセント以上向上させる内容で、IT導入補助金2023の通常枠等や2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は4パーセント以上です。計算式は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の事業者当たり総労働時間」です。詳しくは労働生産性要件の記事で確認してください。

会計ソフトを申請するときの確認手順

会計ソフトを申請するときの手順の図解。主な項目:申請できる事業者か、12カ月制限に当たらないかを確認する、インボイス枠か通常枠かを決め、製品の登録機能を確認する、補助額が上限内か確認する(インボイス枠は50万円か350万円)、交付決定前に発注・契約・支払いをしない
図解:会計ソフトを申請するときの手順で押さえたいポイント

会計ソフトの申請は、申請できる事業者かの確認から始め、枠・製品・補助額を決めてから発注に進みます。順番は次のとおりです。

  1. 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限)。GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言も申請要件です。申請直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます(公募要領 2-1-1)。GビズIDプライムの発行まで、事務局は「おおむね2週間」と案内しています。GビズIDの公式サイトでは、審査にかかる時間はオンライン申請で最短即日、書類申請で最大1か月です。書類郵送申請になる場合は、最大1か月を見込んで早めに着手します(取得の手順はGビズIDプライムの取得方法)
  2. 使う枠を決める:会計・請求の機能を軸に補助率を高くしたいならインボイス枠です。過去にインボイス枠系の交付決定を受けていれば、通常枠で検討します
  3. 公式のITツール検索で、導入したい製品が登録済みか、どの機能(会計・受発注・決済)で登録されているかを確認する
  4. 補助額が上限内に収まるか確認する。インボイス枠は機能数で50万円か350万円、通常枠は150万円未満か以上かで要件が変わります
  5. 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
  6. 見積書に申請代行費や、登録外の費用が混ざっていないか確認する

補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。登録の有無や対象になるかの確認は、公式LINEでも受け付けています。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかで、会計ソフトの導入で起きやすいつまずきは次の3つです。

  • すでに契約している会計ソフトの利用料を、あとから補助してほしいと考えていた。交付決定前に購入したITツールは補助対象外のため、契約・支払いの順序に注意してください
  • 経費精算ソフトを選んだが、仕訳も会計ソフトへの連携もできない製品だった。費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外です。登録内容で、仕訳や連携の機能があるかを見ておきます
  • インボイス枠で申請しようとしたが、過去にインボイス枠系の交付決定を受けていた。この場合は申請対象外です。枠を決める前に、過去の受給歴を確認してください

締切日と交付決定日(2026年10月12日確認)

デジタル化・AI導入補助金2026の次回締切は、7次の2026年12月1日(火)17:00です。6次は2026年10月30日(金)17:00で受付を終了しました。公式の事業スケジュールに公表されている締切回は次のとおりです(通常枠・インボイス枠〈インボイス対応類型〉とも同じ日程です)。

締切回締切日時交付決定日事業実施期間
6次締切分(受付終了)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)(予定)交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)

7次締切分の締切日は、公式スケジュールに2026年12月1日(火)17:00と記載されています。8次締切分(2027年1月7日(木)17:00締切、交付決定日2027年2月17日(水)予定、事業実施期間は交付決定〜2027年8月31日(火)17:00予定)は2026年10月29日に追加公表されました。公式スケジュールは「確定している募集回のスケジュールのみ公表」とされているため、9次以降の有無・日程は公式サイトで最新の情報を確認してください。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。

よくある質問

Q. 会計ソフトだけで、インボイス枠に申請できますか?

登録済みでインボイス制度に対応した会計ソフトであれば、インボイス枠(インボイス対応類型)で申請できる可能性があります。「会計」「受発注」「決済」のうち1機能だけを備えるソフトの補助額の上限は、50万円です。製品が事務局に登録されていることが前提です。

Q. 請求書発行ソフトも対象ですか?

はい、登録済みの製品であれば対象になり得ます。請求書の発行や売上管理は、インボイス枠では「受発注」の機能、通常枠では共P-02の「受注・売上請求管理」にあたります。会計の機能もあわせて備えていれば、インボイス枠では2機能として扱われ、補助額の上限が350万円になります。

Q. 経費精算ソフトは対象になりますか?

仕訳機能か、会計ソフトへの連携機能を持つものであれば対象になり得ます。通常枠の別紙2では、共P-04の「経費精算」にあたります。仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく、経費費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外です。

Q. 会計ソフトと請求書ソフトを別々に導入すると、プロセスは2つになりますか?

はい、通常枠では2つのプロセスとして数えられます。会計は共P-04、請求書の発行は共P-02に分類されるためです。150万円以上の申請に必要な4プロセスには、さらに2つ以上の別のプロセスが必要です。

Q. すでに使っている会計ソフトの月額料金を補助してもらえますか?

いいえ、導入済みのソフトの利用料を、あとから補助対象にすることはできません。補助対象は、交付決定後に新たに導入するITツールの費用です。交付決定前に購入したITツールは補助対象外です。

Q. IT導入補助金2025で交付決定を受けましたが、今回申請できますか?

交付決定を受けた枠と、交付決定日からの期間によって変わります。通常枠は、IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)が、交付決定日から12カ月以内は申請できません。12カ月を過ぎていても、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者には、減点措置や賃上げ目標が必須になる扱いがあります。インボイス枠は、IT導入補助金2024・2025のインボイス枠で交付決定を受けた事業者は申請できません。2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者も、交付決定日から12カ月以内はインボイス枠で申請できません。

まとめ

  • インボイス枠では、インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済のいずれかを備えるソフトが対象です。機能が1つなら50万円、2つ以上なら350万円が補助額の上限です
  • 通常枠では、会計は共P-04、請求・支払管理は共P-02として数えます。経費精算は、仕訳か会計ソフトへの連携機能がないものは対象外です
  • 補助額150万円以上の通常枠は、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
  • 申請前に、申請できない事業者(対象外・12カ月制限・過去の受給歴)でないか確認してください
  • 製品が対象かどうかは、公式のITツール検索で登録の有無と機能を確認します

補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。対象経費の全体像はIT導入補助金の対象経費、勤怠・給与ソフトの線引きは勤怠管理・給与計算ソフトは対象になる?、IT導入支援事業者の選び方、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。

参考(一次情報)

※本記事は2026年10月12日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツール検索の登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。