IT導入支援事業者は、3つの軸で選びます。①使いたいITツールをすべて登録しているか、②費用と契約条件が公募要領のルールに沿っているか、③交付決定後の効果報告まで伴走する体制があるか、です。デジタル化・AI導入補助金2026は、申請者単独では手続きが完結しません。事務局に登録された「IT導入支援事業者」との共同申請が前提のため、どの事業者と組むかが申請の質と交付後数年間の負担を左右します。

  • 申請できるのは、選んだ支援事業者が事務局へ登録しているITツールだけです
  • 契約前には、ツール登録の範囲、見積内訳、サポート費用の型と総額、効果報告までの対応体制を比べます
  • 「自己負担ゼロ」「キャッシュバックあり」「申請は全部おまかせ」を掲げる事業者は避けます。公募要領が禁止する行為に踏み込んでいる可能性があります
  • 事務局が公表している登録取消事業者リストに、社名・法人番号が載っていないかも確認します
  • 次は通常枠とインボイス枠の違いを押さえ、複数社の見積もりを比較し、申請期限から逆算して動きます

制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドで確認できます。本記事では、公募要領(通常枠)の原文と公式の手続きフローにもとづき、契約前チェック8項目・費用の考え方・悪質事業者の見分け方まで順に整理します。

IT導入支援事業者の選び方の記事でわかる3つのこと:契約前に確認したい8つの視点と最終チェック表、申請サポート費用の型と、公募要領が示す判断基準、悪質業者の警告サインと、なりすまし行為のリスク
図解:IT導入支援事業者の選び方で最初に押さえたい3つのポイント

IT導入支援事業者とは:事務局の審査を通過した登録事業者

公募要領は、IT導入支援事業者を「事務局に登録申請を行い、事務局にてその適格性が審査された結果、採択された者」と定義しています。IT導入支援事業者になれるのは、事務局の審査を経て登録された事業者だけです。登録済みの事業者としか共同申請できないのは、この登録の仕組みが制度の入口になっているためです。

2026年度の事務局はTOPPAN株式会社が運営し、申請者とIT導入支援事業者は「共同事業体」として事務局に各種申請を行います(2026年8月時点)。支援事業者は、交付申請から交付決定後の報告まで一緒に手続きを進める相手です。単なる販売店として見ないことが、選び方の基準になります。

なお「IT導入補助金の申請代行します」とうたう業者のなかには、この登録を受けていない申請代行専業の会社も混ざっています。登録外の業者は共同申請の当事者になれず、後述する「なりすまし行為」のリスクも高くなるため、まず登録の有無を確認してください。

大前提:ITツールも支援事業者も「登録済み」が条件

デジタル化・AI導入補助金の補助対象になるのは、事務局に事前登録されたITツールだけです。そしてITツールを登録できるのは、登録済みのIT導入支援事業者に限られます。公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索」で、使いたいツール・支援事業者が登録済みかを確認できます。

導入したいツールがすでに決まっている場合は、「そのツールを扱う登録支援事業者」から選びます。ツールが未定の場合は、「自社の業種・事業規模・経営課題に合う支援事業者」を先に選び、そこから登録ツールを提案してもらいます。公式サイトの手続きフローでも、支援事業者の選定は業種や事業規模、経営課題に沿って行うことが前提とされています。

契約前に確認したい8つの視点

契約前に確認したいのは、ツール登録の範囲、対応する枠、見積もりの内訳、サポート費用、事業計画の伴走、効果報告までの体制、登録取消リスト、説明の姿勢の8つです。実際のご相談でも、支援事業者選びが原因でつまずくケースには共通のパターンがあります。従来の6項目に、費用と登録取消リストの2項目を加えました。

1. 使いたいITツールを「すべて」登録しているか

最初に確認するのは、ツールの登録範囲です。公募要領は、申請者はIT導入支援事業者が事務局に事前登録したITツールの中から導入するものを選択して交付申請を行う、と定めています。交付申請は「組んだ支援事業者が登録しているツール」の中でしか組み立てられません。

見落としやすいのが、複数ツールをまとめて申請する場合です。「会計ソフト+勤怠管理+POSレジをまとめて導入したい」というときは、そのすべてを登録している支援事業者と組まないと1回の申請にまとめられません。一部のツールしか登録していないベンダーだと、使いたい構成をあきらめるか、組み替えることになります。候補には「この組み合わせを全部、御社の登録ツールで申請できますか」と最初に確認してください。

当社(補助金オタク・株式会社CAREARC)もIT導入支援事業者(申請番号ITP04-0002803)として100種類以上のITツールを登録しています。組み合わせを扱えるベンダーが見つからない場合は、公式LINEでご相談ください。

2. 通常枠・インボイス枠の両方に精通しているか

枠によって対象経費・必須要件・加点の扱いが異なります(詳しくは対象経費の解説、インボイス枠の解説)。特定の枠しか扱った経験がない事業者だと、自社に本来合う枠を提案してもらえない可能性があります。

3. 見積もりの内訳が明確で、役務費が過大でないか

対象経費はソフトウェア費だけでなく、導入設定・研修・保守などの役務費も含められます。総額だけの見積もりでは、どこまでが補助対象経費に算入されているのか判断できません。

さらに公募要領は、導入するITツールに比して役務費用の占める割合が著しく高額でないことを、申請者側の遵守事項として定めています。役務費に費用を過大に載せた見積もりは、支援事業者だけでなく申請者自身の制度上のリスクになります。「内訳が分かれているか」に加えて「役務費の割合がツール本体に対して妥当か」まで見てください。

4. 申請サポート費用の型と総額が契約書に明示されているか

サポート費用がいくらで、どのタイミングで発生するのかが契約書に書かれていない事業者とは契約しないでください。費用の型と公式の判断基準は後述の章で詳しく説明します。

5. 事業計画(賃上げ要件を含む)の作成にどこまで伴走してくれるか

補助額によっては賃上げの数値目標が必須要件になり、未達だと返還につながるケースがあります(賃上げ加点と返還リスクの解説)。数値目標の設計を申請者任せにせず、達成可能性まで一緒に検討してくれるかどうかは、交付決定後の負担に直結します。事業計画の考え方は生産性向上の事業計画の書き方も参考にしてください。

6. 交付決定後・効果報告の最終年度までフォローする体制があるか

申請が終わっても手続きは続き、交付決定後には実績報告と数年にわたる効果報告が控えています(具体的な期間は効果報告の章)。契約時に「交付決定まで」で対応が終わるのか、効果報告の最終年度まで伴走してもらえるのかを確認してください。

7. 登録取消事業者リストに載っていないか

事務局は、虚偽・不正等で登録を取り消したIT導入支援事業者を一覧で公表しています。契約前に社名・法人番号をこのリストと突き合わせるのが、費用をかけずにできる最も確実な防衛策です(確認方法は客観チェックの章)。

8. 採択を確約するなど、不自然な説明をしていないか

補助金は審査を経て採択が決まる制度で、特定の事業者と組めば採択が保証されるものではありません。採択を確約する説明、「実質無料」をうたう勧誘、都合のよい話しかしない姿勢は、いずれも警告サインです(具体的なパターンは悪質事業者の警告サインへ)。

申請サポートの費用・手数料:相場より先に見る判断基準

申請サポート費用の判断基準の図解。主な項目:着手金型:不採択時の返金の有無を契約書で確認、成功報酬型:計算根拠・支払時期と資金の流れを確認、役務費用がITツールに比して著しく高額でないこと、キャッシュバック等の実質的還元は公募要領で禁止
図解:申請サポート費用の判断基準で押さえたいポイント

申請サポートの費用は、相場より先に、公募要領のルールに沿った請求かどうかで判断します。手数料の公的な相場データは存在せず、他サイトで見かける「補助金額の◯%が相場」という記述にも一次情報の裏付けはありません。金額の多寡だけで判断すると、制度違反の請求方法を見逃します。

手数料の主な型

申請サポート費用のおおまかな型と、それぞれの確認ポイントを表にまとめました。

型内容確認ポイント
着手金型契約時に固定額を支払う不採択だった場合の扱い(返金の有無)が契約書に明記されているか
成功報酬型採択・交付決定後に支払う報酬の計算根拠と支払時期、資金の流れが後述の「実質的還元」に当たらないか
併用型着手金+成功報酬総額でいくらになるかを試算してから比較する

どの型でも、総額・支払時期・不採択時の扱いの3点が契約書に明示されていることが最低条件です。口頭説明だけの事業者は避けてください。なお当社の申請サポートは完全成功報酬型です。「成功報酬の相場」を含めたサポート会社選びの確認ポイントは補助金申請サポート会社の選び方で制度横断的に整理しています。

公募要領が示す2つの判断基準

手数料の妥当性は、公募要領が定める次の2つの基準で判断できます。他の解説ではほとんど触れられていませんが、実務ではこの2つがいちばん大切です。

基準1:役務費用が著しく高額でないこと

導入するITツールに比して役務費用が著しく高額でないことは、申請者の遵守事項です。「サポート費用は無料です」と言いながら、その分を見積もりの役務費(導入設定・研修費など)に上乗せして補助金で回収するスキームがあります。こうしたスキームは、この遵守事項に抵触するおそれがあります。見積もりの役務費と、別建てのサポート費用の関係は必ず確認してください。

基準2:実質的還元(キャッシュバック等)の禁止

公募要領は、自己負担額を減額または無償とするような販売方法を、補助金交付の目的に反する行為と定めています。形式・時期を問わず補助事業者に実質的に還元を行うものが該当し、キャッシュバックも含まれます。該当すると、予告なしの立入調査や交付決定の取消しの対象になります。

さらに、関係者間で紹介料やコンサル料等の名目で資金を還流させ、補助事業外の一般的な商取引を装う行為も、不正の具体例として明記されています。紹介の実態があっても、資金の流れが実質的な還元になっていれば同じです。成功報酬型の契約では「誰から誰に、何の名目でお金が動くのか」を契約前に図にして確認することをおすすめします。

「全部おまかせ」の代行は禁止:なりすまし行為とは

デジタル化・AI導入補助金では、申請マイページの開設や交付申請の手続きを申請者本人が行っていないと「なりすまし行為」と判断され、交付取消の対象になります。「書類も申請も全部代行します」という誘い文句は一見ありがたく聞こえますが、この違反行為につながります。

公募要領は、申請マイページの開設とその後の交付申請における手続き等を申請者自身が行うことを求めています。なりすまし行為と判断されると、申請者側は補助金交付の取消し、支援事業者側も採択取消しやITツール登録の解除の対象になります。さらに、双方の名称が公表されます。

あわせて、申請マイページのログインIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡さないことが明示されています。「IDとパスワードを教えてもらえれば、あとは全部こちらでやります」と求めてくる業者は、公募要領違反を前提に営業しています。契約は見送ってください。

支援事業者に任せてよい行為と、なりすまし行為・禁止行為になるものを表にまとめました。

行為可否
事業計画の壁打ち・書類の作成支援・入力内容の助言支援事業者の正当な役割
導入するITツールの選定・見積もりの提示支援事業者の正当な役割
申請マイページの開設・交付申請の手続きを申請者に代わって行うなりすまし行為(交付取消の対象)
ログインID・パスワードを預かる公募要領で禁止

どこまで支援を受けても、申請者自身が操作する工程は残ります。全体像は申請の流れと必要書類の一覧で確認できます。

悪質な事業者の警告サイン

悪質な事業者の警告サインの図解。主な項目:「自己負担ゼロ」「実質無料」:実質的還元で公募要領違反、「紹介料としてお戻しします」:資金還流も不正の具体例、「IDとパスワードを預ければ全部やります」:なりすまし行為、「採択を確約します」:審査制のため確約の根拠はない
図解:悪質な事業者の警告サインで押さえたいポイント

悪質な事業者の代表的な警告サインは、「自己負担ゼロ」「キャッシュバック」「紹介料名目の還流」「ID・パスワードの預かり」「採択の確約」といった誘い文句です。次の表のうち1つでも当てはまる場合は契約を見送り、他の登録事業者を探すことをおすすめします。

警告サイン何が問題か
「自己負担ゼロ」「実質無料で導入できます」実質的還元にあたる販売方法は公募要領違反。立入調査・交付決定取消の対象
「キャッシュバックします」「お祝い金を出します」形式・時期を問わずキャッシュバックは実質的還元に含まれると明記
「紹介料としてお戻しします」紹介料・コンサル料名目の資金還流も不正の具体例に明記
「IDとパスワードを預ければ全部やります」ID・パスワードの第三者提供は禁止。なりすまし行為で交付取消
「採択を確約します」補助金は審査制。確約できる根拠は存在しない
役務費だけが不自然に高い見積もり役務費が著しく高額でないことは申請者の遵守事項
費用の総額・支払条件を契約書に書かない後からの追加請求・トラブルの温床
交付決定前の発注・契約を急がせる交付決定前に発注・契約した経費は原則補助対象外

これらはマナーの問題にとどまらず、公募要領に明記された取消し・調査事由です。悪質な勧誘に乗った場合、ペナルティは業者だけでなく申請者自身にも及びます。

契約前にできる2つの客観チェック

営業トークに頼らず、公式情報だけで候補を検証する方法は2つあります。登録取消事業者リストとの突き合わせと、交付決定事業者一覧の確認です。

登録取消事業者リストとの突き合わせ

事務局は、虚偽・不正等によりIT導入支援事業者登録とITツール登録を取り消した事業者を、一覧PDFで公表しています。一覧には法人番号・社名・代表者名・所在地が載っており、事務局が随時更新しています(最新版は公式サイトで確認できます)。契約前に、候補の社名と法人番号をこのリストで検索してください。数分で終わる作業ですが、過去に処分を受けた事業者を確実に除外できます。

交付決定事業者一覧・実績の確認

公式サイトには交付決定を受けた事業者の一覧ページがあり、どのような事業者が実際に交付決定に至っているかを客観的に確認できます。候補の支援事業者が語る「支援実績」の裏取りにも使えます。

ひとつ注意点があります。支援事業者ごとの採択率は公式には公表されていません。「当社の採択率は◯%」という数字は事業者の自己申告であり、母数の取り方で大きく変わります。数字自体よりも「その根拠(対象期間・件数)を具体的に説明できるか」を質問して、答え方の誠実さを見るのが実務的です。

提案を客観視する:公式の2つの加点措置

支援事業者の提案が自社の課題に本当に合っているかは、「デジタル化セカンドオピニオン」と「IT戦略ナビwith」という公式の仕組みで、第三者の目から確認できます。いずれも交付申請の加点対象です。2つの仕組みの違いを表にまとめました。

制度内容
デジタル化セカンドオピニオンITベンダー以外の第三者とのオンライン面談を通じて、デジタル化の目的をあらためて説明し、取り組みを客観的に確認する機会。通常枠が対象
IT戦略ナビwith中小機構が運営するポータル「デジwith」内の自己診断ツール。交付申請前に実施し、結果画面を添付する

支援事業者の提案を鵜呑みにせず一度立ち止まる機会になるうえ、加点にもなるため、実施しない理由はあまりありません。良心的な事業者ほど、こうした加点措置を自分から案内してくれます。案内の有無も見極めの材料になります。

2026年8月28日の改訂で、IT戦略ナビwithと同じ加点項目に「IT経営サポートセンター」(無料のオンライン相談窓口)の利用も加わりました。2026年8月1日以降の利用申込が条件で、こちらは結果画面の添付は不要です(詳細は加点項目一覧の記事。この補助金の加点全体はデジタル化・AI導入補助金の加点項目一覧で整理しています)。

交付決定後の付き合いは数年単位:効果報告はいつまで続くか

デジタル化・AI導入補助金の報告義務は実績報告で終わらず、通常枠では3年度目の効果報告(2030年4月〜2031年1月)まで続きます。「実績報告まで対応します」という説明だけで安心しないでください。

通常枠の効果報告は、事業計画期間に入る前の報告に加えて、1年度目から3年度目まで求められます。3年度目の効果報告期間は2030年4月から2031年1月までです(2026年8月時点の公募要領による)。2026年に申請した場合、支援事業者との付き合いは4〜5年単位になります。

効果報告は賃上げ目標の達成状況とも連動し、目標未達の場合は補助金の返還につながるケースがあります。契約前に、次の点を確認しておくと安心です。

  • 契約書のサポート範囲に「効果報告(最終年度まで)」が含まれているか
  • 効果報告のサポートが有償なら、その費用も総額に含めて比較しているか
  • 数年後も事業を継続していそうな事業者か(設立年数・事業規模も参考になります)

交付決定後の手続き全体は交付決定後にやることの解説にまとめています。

金額例:見積もりの内訳で自己負担が変わる

同じソフトでも、見積もりに役務費を含めるかどうかで補助対象額と自己負担が変わります。クラウド会計ソフト(登録ITツール・2年分の利用料50万円)をインボイス対応類型で導入するケースで、2つの提案を比べます。

提案パターン見積もり内容補助対象額自己負担(目安)
A社ソフト利用料50万円のみ50万円補助率適用後の自己負担分のみ
B社ソフト利用料50万円+導入設定・研修15万円(役務費)65万円総事業費は増えるが、役務費も補助対象に含まれる分、自己負担の増分は総額の増加ほど大きくならない

導入支援・研修まで見積もりに含めてもらえるかどうかで、対象経費として計上できる範囲が変わります。ただし、役務費がツール本体に比して著しく高額になる構成は遵守事項に反します。「対象経費を広く取る」と「役務費を過大に積む」は別物です。自社の構成での実際の試算は、見積もりシミュレーター(無料・30秒)で確認してください。

チェックリスト:契約前にこの表で最終確認

ここまでの確認事項と、注意したいサインを1つの表にまとめました。候補の事業者を比べるときの最終確認に使えます。

視点確認ポイント注意したいサイン
ツール登録使いたいツールをすべて登録しているか一部は「登録外なので別途契約で」と言われる
対応する枠通常枠・インボイス枠双方の実績があるか1つの枠・ツールしか提案してこない
見積もりの内訳ソフト費/オプション費/役務費が分かれ、役務費の割合が妥当か総額のみ、または役務費だけが不自然に高い
サポート費用型・総額・支払時期・不採択時の扱いが契約書に明示されているか口頭説明のみ、「実質無料」をうたう
資金の流れキャッシュバック・紹介料名目の還流がないか「お戻しします」という提案がある
申請の進め方マイページ操作は申請者自身が行う前提かID・パスワードの提供を求められる
事業計画のサポート賃上げ目標の設計・達成可能性まで相談できるか数値目標を申請者に丸投げする
交付決定後の体制実績報告・効果報告の最終年度まで対応範囲か契約書に交付決定までとしか書いていない
登録の健全性登録取消事業者リストに載っていないか社名・法人番号の確認を嫌がる
説明の姿勢リスク・対象外経費も含めて説明するか採択を確約する、都合のよい話しかしない

実務でよくある失敗パターン

申請サポートの現場で実際によく見る、支援事業者選びに起因するつまずきです。

  • ツール起点で決めてしまうと、経営課題との対応が薄くなります。欲しい機能から逆算して選んだ結果、業務プロセス要件を満たさず、単体では申請できないケースがあります
  • 1社だけで即決すると、見積もりや対象経費の考え方を比較できません。契約後に、他社ならもっと対象経費に含められたと分かるケースがあります
  • 「実質無料」の勧誘に乗った場合、キャッシュバック前提のスキームだと後から気づいても、交付決定取消のリスクを負うのは申請者自身です。契約前の見極めが唯一の防衛策になります
  • ID・パスワードを渡してしまうのも典型的な失敗です。「手間が省ける」つもりでも、なりすまし行為と判断されれば交付取消と名称公表の対象になります。渡す前に断るしかありません
  • 賃上げ目標の水準を十分に検討しないまま数値を決め、事業計画期間中に未達が見えてくるケースもあります
  • 効果報告の義務が数年続くことを知らずに契約すると、交付決定後に支援が打ち切られ、自力で対応することになるケースがあります

いずれも契約前の確認と比較で防げるものです。迷った場合は、公式LINEで個別にご相談ください。

よくある質問

Q. IT導入支援事業者は自分で探す必要がありますか?

公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索」を使えば、申請者自身で探せます。業種・目的別に、登録済みの支援事業者・ツールを検索できます。すでに取引のあるITベンダーがいる場合は、そのベンダーが登録済みかどうかを先に確認してください。登録がなければ、そのベンダー経由での申請はできません。

Q. 申請サポートの手数料はいくらが妥当ですか?

公的な相場データはなく、一律の「妥当な金額」は示せません。金額よりも先に、①総額・支払時期・不採択時の扱いが契約書に明示されているか、②役務費への上乗せやキャッシュバック等の実質的還元がないか、の2点で判断してください。この2点を満たしたうえで、複数社の総額を比較するのが実務的な進め方です。

Q. 「自己負担ゼロで導入できます」と言われました。大丈夫ですか?

契約しないでください。自己負担額を減額・無償とする販売方法は、キャッシュバックを含めて公募要領が補助金交付の目的に反する行為と定めており、予告なしの立入調査や交付決定取消しの対象です。不利益を受けるのは業者だけでなく申請者自身にも及びます。この事由で交付決定取消・登録取消となった補助事業者・IT導入支援事業者は、その後の再度の交付申請や事業者登録を拒否される場合があります。2026年8月28日の公募要領改訂で、「みなし同一法人」(2-1-2(2)の考え方)の扱いも明記されました。名義上は別の事業者に見えても、みなし同一法人に該当すれば同じ扱いになります。取消し後に社名や法人を変えて再登録・再申請するような回避策は通用しません。

Q. 申請を全部代行してもらうことはできますか?

できません。申請マイページの開設と交付申請の手続きは、申請者自身が行うことが公募要領で求められています。本人が行っていない場合は「なりすまし行為」として、交付取消・名称公表の対象になります。ログインIDとパスワードを支援事業者を含む第三者に渡すことも禁止されています。書類作成の支援や助言を受けることは問題ありません。

Q. 支援事業者の採択実績は確認できますか?

実際に交付決定を受けた事業者は、公式サイトの交付決定事業者一覧で確認できます。ただし、支援事業者ごとの採択率は公式には公表されていないため、「採択率◯%」という数字は自己申告です。根拠(対象期間・件数)を具体的に説明できるかを質問してみてください。

Q. 効果報告は何年続きますか?

通常枠では3年度目まで続き、3年度目の報告期間は2030年4月〜2031年1月です。事業計画期間に入る前の報告に加えて、1〜3年度目の効果報告が求められます(2026年8月時点の公募要領による)。数年単位の義務なので、支援事業者のフォロー範囲に効果報告が含まれるかを契約前に確認してください。

Q. 複数の支援事業者から見積もりを取ってもよいですか?

問題ありません。むしろ、対象経費の内訳やサポート費用、対応範囲を比較するために、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。比較と選定は、交付申請を出す前に済ませてください。交付申請は通常枠・インボイス枠とも、1法人・1個人事業主あたり各枠1回のみです。同時に複数の交付申請はできません(他枠への同時申請は可能)。事務局から再提出を指示された場合を除き、一度出した交付申請は結果が公表されるまで取り下げられません。なお、不採択となった場合などは、次回以降の締切までに交付申請できます。

Q. 支援事業者を途中で変更できますか?

交付申請の提出前であれば、選び直しは自由です。一方、交付決定後に変えられる担当IT導入支援事業者の情報は、担当部署名・担当者氏名・連絡先に限られ、この変更はIT導入支援事業者側で手続きします(事業実施・実績報告マニュアル8-1)。支援事業者そのものを替える手続きはマニュアルに載っていません。やむを得ない事情がある場合は、事務局に相談してください。契約前の確認を丁寧に行うほうが、結果的に近道です。万一不採択になった場合の見直し方は再申請のポイントにまとめています。

Q. 支援事業者とツールのどちらを先に決めるべきですか?

決まったツールがあるなら、それを扱う支援事業者から選びます。ツールが未定なら、業種・課題への理解が深い支援事業者を先に選び、そこから登録ツールを提案してもらう流れが一般的です。どちらの場合も、通常枠とインボイス枠のどちらで申請するかは早めに見当をつけておくと話が早く進みます。

Q. 補助金オタク(CAREARC)に支援事業者として依頼できますか?

はい。当社(株式会社CAREARC)はIT導入支援事業者(申請番号ITP04-0002803)として登録されており、100種類以上のITツールを登録しています。複数ツールをまとめた申請にも対応でき、2020年以降の補助金の採択実績は800件以上、申請サポートの費用は完全成功報酬型です。「使いたいツールの組み合わせで申請できるか」「どの枠が合うか」から、公式LINEで無料でご相談いただけます。

まとめ

  • デジタル化・AI導入補助金は、事務局の審査を経て登録された「IT導入支援事業者」との共同申請が前提
  • 契約前チェックは8つの視点:ツール登録の範囲/対応する枠/見積内訳と役務費の妥当性/費用の契約書明示/事業計画の伴走/効果報告までの体制/取消リスト確認/説明の姿勢
  • 「自己負担ゼロ」「キャッシュバック」「紹介料還流」「ID預かりの丸投げ代行」は公募要領が定める取消し・調査事由。申請者自身が不利益を受ける
  • 登録取消事業者リストと交付決定事業者一覧で、営業トークに頼らない客観チェックができる
  • 効果報告は通常枠で3年度目(2030年4月〜2031年1月)まで続く。フォロー範囲の確認は契約前に
  • 当社もIT導入支援事業者(申請番号ITP04-0002803)として登録済み・2020年以降の補助金の採択実績800件以上。ベンダー選びのご相談は公式LINE、自社構成での試算は見積もりシミュレーターでどうぞ

参考(一次情報)

※本記事は公募要領(通常枠)および公式サイトの原文にもとづいて作成しています(2026年8月時点)。なりすまし行為・実質的還元の禁止・効果報告の期間などの詳細は、必ず最新の公募要領でご確認ください。