IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)では、稟議・承認のワークフローと電子契約のソフトは、登録済みの製品なら通常枠の補助対象になり得ます。一方、グループウェア・社内チャット・Web会議は「汎用プロセス」に分類され、それだけでは申請できません。

この記事では、第7回公募(7次締切)からの公募要領の原文をもとに、社内の情報共有・承認・契約を電子化するソフトの線引きを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。要点は次の5つです。

  • 通常枠:ワークフロー(承認・決裁)と電子契約は「共P-05 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス・統合業務」の機能例です。1プロセスとして単独で申請できます
  • 通常枠:グループウェア・社内チャット・Web会議・文書証憑管理は「汎P-07 汎用・自動化・分析ツール」です。汎P-07だけのソフトは単独では申請できません
  • インボイス枠(インボイス対応類型):対象は「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むソフトに限られます。ワークフロー・電子契約・グループウェアだけでは対象になりません
  • 申請できない事業者がいます。通常枠は12カ月制限、インボイス枠は過去の交付決定歴などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)
  • 通常枠に機器の区分はありません。Web会議用のカメラや電話機などの機器代は、通常枠では補助対象になりません

補助額の目安は見積シミュレーター(無料)で、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。

IT導入補助金でグループウェア・ワークフロー・電子契約は対象?の記事でわかる3つのこと:ワークフローと電子契約は共P-05として通常枠で単独でも対象になり得る、グループウェア・社内チャット・Web会議は汎P-07で、単独では申請できない、インボイス枠は会計・受発注・決済が要件で、社内向けのソフトだけでは使えない
図解:IT導入補助金でグループウェア・ワークフロー・電子契約は対象?で最初に押さえたい3つのポイント

結論:ワークフロー・電子契約は共P-05、グループウェアは汎P-07

社内向けのソフトは、通常枠の公募要領の別紙2で、2つのプロセスに分かれて載っています。補助対象は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用です。登録されたソフトは、別紙2の「共P-01」〜「各業種P-06」のプロセスを1種類以上含む必要があります(公募要領 2-2(3)(ア))。

別紙2の機能例のうち、社内の情報共有・承認・契約に関係するものは次のとおりです(機能例は原文の表記)。

Pコード機能例(原文)使い方の例単独での申請
共P-05ワークフロー:入力フォーム設計、フロー作成、承認・決裁、通知、連携稟議・休暇届・経費の申請と承認を電子化するできる
共P-05電子契約、リーガルチェック、BCP支援、ISO管理取引先との契約書を電子で締結・保管するできる
共P-05ビジネスアプリ作成ツール(ノーコード、ローコード)日報や点検表などの業務アプリを社内で作るできる
共P-05社内資産管理(機器管理、知財管理等)社用PCなどの機器の貸出・所在を管理するできる
汎P-07グループウェア、コラボレーションツール、社内SNS、社内チャットツールスケジュール共有・掲示板・社内チャットできない
汎P-07WEB会議システム、リモートデスクトップ、シンクライアントオンライン会議・在宅からの社内PC操作できない
汎P-07文書証憑管理ソフト、OCR、PDF、ペーパーレス化ツール紙の書類を電子化して保管・検索するできない
汎P-07同時編集機能等が付加されたオンラインストレージサービス社内のファイルを共有し、複数人で同時に編集するできない
汎P-07文書作成ワープロソフト、表計算ソフト、簡易データベースソフト、プレゼンテーションツール、メールソフト文書・表計算・メールのソフトできない

ワークフローについて、別紙2は「稟議や届出申請、報告書の提出など、企業内で行われる承認や決裁等情報のやり取りや業務の一連の流れを設定・管理し、業務プロセスの効率化に資するものを対象とする」と注意点を付けています。

この一覧は機能の分類で、特定の製品が対象だという保証ではありません。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。グループウェアの中にワークフローの機能があっても、製品がどのプロセスで登録されているかで数え方が変わります。登録状況とプロセスは、公式のITツール検索で確認します。機能概要には、AIの搭載有無も載っています(公募要領 2-2(2))。

先に確認:申請できない事業者・使えない枠

ソフトが対象でも、申請する側が対象外なら申請できません。製品を選ぶ前に、次の点を確認してください。

通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)

通常枠の公募要領2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。

  • 大企業が株式の2分の1以上を同一で所有している中小企業など、大企業との資本関係が深い事業者((1)①〜⑤)
  • 確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者((1)⑥)
  • 親会社が議決権の50パーセント超を持つ子会社がある場合など、「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません((2))
  • IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者((3))
  • 補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けている事業者、風俗営業等を営む事業者(旅館業の許可を受けた一部を除く)、反社会的勢力に関係する事業者
  • 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークルなど)、他の補助金等で不正行為等を行った事業者

ここでは主な項目を抜き出しています。全項目は公募要領2-1-2で確認してください。インボイス枠の公募要領2-1-2にも、同じ趣旨の項目があります。

インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外

インボイス枠の公募要領2-1-2は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています。

  • IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
  • IT導入補助金2024・2025のインボイス枠

IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません(インボイス枠の公募要領 3-2(4)(ア))。

申請の単位と回数、12カ月制限(通常枠)

  • 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。例外として、同じ期間中に受付中のインボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)とセキュリティ対策推進枠は、あわせて申請し、交付決定を受けることができます(公募要領 3-2(4))
  • IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026の通常枠で申請できません
  • IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトのプロセスと、今回のソフトのプロセスが重複すると減点されます。プロセスが完全に一致する場合は不採択です(公募要領 3-3(2)②)。前回もワークフローなど共P-05のソフトを入れている場合は、特に確認してください。2022〜2025の交付決定で選んだソフトと同じ機能(会計・受発注・決済)を持つソフトを今回導入する場合も、さらに減点されます(公募要領 3-3(2)②)
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者全般も、減点の対象です。補助額150万円未満の申請でも、1人当たり給与支給総額を1年後と事業計画期間の年平均で3.5パーセント以上向上させる賃金引上げ計画の策定と、従業員への表明が要件になります(公募要領 2-1-1(テ))。事業計画終了時点で達成できない場合は、補助金の返還を求められる場合があります(賃上げ要件)

組み合わせの確認は、再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方が役立ちます。

グループウェア・チャットは単独で申請できない(汎用プロセス)

グループウェアを申請するときの組み合わせの図解。主な項目:グループウェア(汎P-07)だけでは申請できない、ワークフロー(共P-05)だけなら150万円未満で申請できる、ワークフロー+グループウェアで2プロセス、共P-05の機能を複数入れても1種類と数える
図解:グループウェアを申請するときの組み合わせで押さえたいポイント

グループウェアや社内チャットだけを入れたい場合、そのソフトが汎P-07だけで登録されていると、通常枠に申請できません。公募要領は次のように定めています(2-2(3)(ア)の注記、原文)。

「汎用プロセス」のみを保有するITツールは、単独では交付申請不可だが、「共P-01」~「各業種P-06」と組み合わせて交付申請することで、1プロセスとしてカウントされ交付申請が可能となる。

汎用プロセスは「業種・業務に限定されず、業務プロセスと一緒に導入することで更に労働生産性を向上させるもの」と位置づけられています。そのため、次のような組み合わせで申請を考えます。

組み合わせの例プロセス数の数え方申請の可否
グループウェア(汎P-07)だけ業務プロセスがない申請できない
ワークフロー(共P-05)だけ1プロセス補助額150万円未満なら申請できる
ワークフロー(共P-05)+グループウェア(汎P-07)2プロセス申請できる
電子契約(共P-05)+勤怠管理(共P-05)+社内チャット(汎P-07)共P-05は1種類として2プロセス申請できる(150万円未満)
顧客管理(共P-01)+会計(共P-04)+ワークフロー(共P-05)+グループウェア(汎P-07)4プロセス150万円以上の申請も検討できる

ワークフローと電子契約、勤怠管理は、いずれも共P-05の機能例です。公募要領のプロセス数は「種類」で数えるため、共P-05の機能を複数入れても1種類です。プロセスの実際の数え方は、製品の登録内容で決まります。申請前にIT導入支援事業者に確認してください。

オンラインストレージは「同時編集」があるかで分類が変わる

ファイル共有のサービスは、機能によって扱いが変わります。別紙2の汎P-07は「同時編集機能等が付加されたオンラインストレージサービス」を対象としています。そのうえで「単なるストレージは、機能拡張のカテゴリー2(機能拡張)として登録申請すること」と注意点を付けています。

カテゴリー2(機能拡張)は大分類Ⅱ「オプション」で、最大1年分の費用が補助対象です。オプションは、ソフトウェア(カテゴリー1)の要件を満たしたうえで、あわせて申請するものです(公募要領 2-2(3)(イ))。保存用の容量だけを増やす契約は、ソフト本体と組み合わせる必要があります。

Web会議・電話のシステムは機器代が対象外

Web会議や電話のシステムを入れる場合、補助対象はソフトの部分だけです。別紙2は、CTI・PBX・IVRについて「ソフトウェアのみが対象であり、ハードウェア部分は対象外とする」と注意点を付けています。

通常枠の補助対象は、大分類Ⅰ「ソフトウェア」、大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」の3つです。通常枠に機器の区分はありません。会議用のカメラ・マイク・スピーカー、電話機などの購入費は、通常枠では補助対象になりません。

インボイス枠:社内向けのソフトだけでは対象外

インボイス枠(インボイス対応類型)は、ワークフロー・電子契約・グループウェアだけのソフトでは使えません。補助対象のソフトは、公募要領2-2(3)(ア)で次のとおり定められています。

カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある

ワークフロー・電子契約・グループウェアは、この3つの機能に含まれていません。インボイス枠のオプション・役務・ハードウェアも、要件を満たす大分類Ⅰ「ソフトウェア」とあわせて申請するものです(同 2-2(3)(イ))。社内の情報共有や承認を電子化する目的なら、通常枠で検討するのが基本です。

経費精算のように、承認の流れと会計の処理が重なる機能もあります。通常枠の別紙2では、経費精算は共P-04「会計・財務・経営」の機能例です。ただし、仕訳機能や会計ソフトへの連携機能がなく、経費費目と金額を入力・表示するだけのものは対象外です(別紙2の注意点)。インボイス枠で使えるかどうかは、その製品がインボイス制度に対応した「会計」の機能で登録されているかによります。ITツール検索で、登録されている機能を確認してください。経費精算と会計ソフトの扱いはIT導入補助金で会計ソフト・経理・請求書ソフトは対象?で整理しています。

インボイス枠でパソコン・タブレットを買えるのも、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトとあわせて導入する場合に限られます(インボイス枠の公募要領 2-2【補足2】)。グループウェアを使うためのパソコンを、インボイス枠で申請することはできません。詳しくはデジタル化・AI導入補助金でパソコン・タブレット・レジは買える?をご覧ください。

通常枠と同時に申請するときの減点

会計ソフトをインボイス枠、ワークフローを通常枠で、と分けて申請することは制度上できます。ただし、通常枠の公募要領3-3(2)②は、インボイス枠で申請している(または交付決定を受けた)事業者を減点の対象としています。さらに、インボイス枠で選んだソフトと同じ機能(会計・受発注・決済)を持つソフトを通常枠で導入すると、さらに減点されます。

ワークフローと経費精算・会計が一体になった製品を通常枠で申請する場合は、インボイス枠の会計ソフトと「同じ機能」に当たらないかを確認してください。どちらか1つの枠にまとめるか、機能が重ならない組み合わせにするかを、IT導入支援事業者と相談して決めます。

補助率・補助額の試算

通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切からの公募要領(第7回公募〜)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(公募要領 2-3、原文)。

令和7年10月から令和8年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

この2/3は、賃上げ計画を立てたかどうかとは関係なく、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置です。適用を受けるには、交付申請時に追加の様式の提出が必要です(公募要領 3-2(2))。

試算の例です。年額36万円のクラウド型ワークフローと、年額24万円のグループウェアを、それぞれ2年分申請します。導入設定20万円を加えると、補助対象経費は140万円です(消費税は補助対象外)。

費目補助対象経費補足
ワークフロー(共P-05)2年分72万円年額36万円×2年
グループウェア(汎P-07)2年分48万円年額24万円×2年。ワークフローと組み合わせるので申請できる
導入設定(役務)20万円ソフトと対になっている役務に限る
合計140万円2プロセス
ケース補助額の計算補助額
通常枠(補助率1/2)140万円×1/270万円
通常枠(補助率2/3の条件を満たす場合)140万円×2/3約93.3万円

補助額が150万円未満なので、プロセスは1種類以上で足ります(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃金引上げ計画も必須です)。3年目以降の利用料は自己負担です。利用人数の増加に合わせて料金が変わる契約は、申請時に利用金額を確定できるかを事業者に確認してください。交付申請時に利用金額が定められないものは補助対象外です。

補助対象になる費用の範囲には、次の上限があります(公募要領 2-2(2))。

  • ソフトウェア(買取形式、月額・年額のサブスクリプション販売形式等):最大2年分
  • オプション(機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ):最大1年分
  • 役務(導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート):合計200万円が上限。保守サポートは、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分

そのほか、公募要領は次の費用を補助対象外としています(2-2(4)の抜粋)。

  • 補助金申請・報告にかかる申請代行費
  • 交付申請時に、ITツールの利用金額が定められないもの
  • 交付決定前に購入したITツール
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • 交通費、宿泊費、公租公課(消費税)

無料プランで使っているチャットツールをそのまま使い続ける場合、その部分は「対外的に無償で提供されているもの」に当たります。有料プランへの切り替えで、何が補助対象になるかは登録内容によります。

150万円以上は4プロセスと賃上げ要件が必須(通常枠)

通常枠で補助額150万円以上を申請する場合は、プロセスが4種類以上必要です(公募要領 2-3)。ワークフロー(共P-05)とグループウェア(汎P-07)だけでは2種類なので、顧客管理(共P-01)や会計(共P-04)などとの組み合わせが前提になります。

補助額必要なプロセス数賃上げ目標の扱い
5万円〜150万円未満1プロセス以上加点項目(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は必須要件)
150万円〜450万円以下4プロセス以上必須要件

補助額150万円以上の場合、公募要領は次の4つをすべて満たす3年間の事業計画を求めています(2-1-1(ト))。基準年度は、交付申請日の属する事業年度です。

  1. 1年後に、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)を3パーセント以上向上させること
  2. 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3パーセント以上とすること
  3. 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  4. 交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を策定し、従業員に表明していること

IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、1と2が3.5パーセント以上になります(2-1-1(ナ))。事業計画終了時点で年平均成長率の要件や事業場内最低賃金の要件を達成できない場合は、補助金の返還を求められる場合があります。期間内に報告しなかった場合も同じです。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校等は、賃上げ要件の適用外です(2-1-1(ニ))。賃上げの考え方はIT導入補助金の賃上げ要件と加点で詳しく解説しています。

通常枠には、補助額にかかわらず労働生産性の目標もあります。1年後に労働生産性を3パーセント以上、事業計画期間の年平均成長率を3パーセント以上向上させる計画が求められます。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)などや2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、4パーセント以上です(2-1-1(ク))。承認待ちの時間や、契約書の郵送・押印にかかる時間がどれだけ減るかを、この目標と結びつけて説明できるようにしておくと計画が立てやすくなります。

申請を検討するときの確認手順

社内向けのソフトの申請前の確認手順の図解。主な項目:申請できる事業者か(対象外・12カ月制限)を確認する、ITツール検索で製品の登録とプロセスを確かめる、汎P-07だけの製品は共P-01〜各業種P-06と組み合わせる、交付決定前に発注・契約・支払いをしない
図解:社内向けのソフトの申請前の確認手順で押さえたいポイント

申請できる事業者かの確認から始め、製品・組み合わせ・補助額を決めてから発注に進みます。

  1. 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限)。GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言も申請要件です。交付申請の直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます(公募要領 2-1-1(2))
  2. 公式のITツール検索で、導入したい製品が登録済みか、どのプロセスで登録されているかを確認する
  3. 製品が汎P-07だけで登録されている場合は、共P-01〜各業種P-06のソフトと組み合わせる
  4. 補助額が150万円未満か以上かを決める。150万円以上なら、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
  5. インボイス枠もあわせて使う場合は、会計・受発注・決済の機能が重なっていないか確認する(同時申請の減点)
  6. 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
  7. 見積書に申請代行費や、登録外の費用・機器が混ざっていないか確認する

補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。登録の有無や対象になるかのご質問は、公式LINEでも受け付けています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかで、社内向けのソフトの導入で起きやすいつまずきは次の4つです。

  • グループウェアだけで申請しようとしていた。汎P-07だけのソフトは単独で申請できません。ワークフローや勤怠管理など、共P-01〜各業種P-06のソフトと組み合わせます
  • ワークフローをインボイス枠で申請しようとしていた。インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件です。承認の電子化が目的なら通常枠で検討します
  • 共P-05の機能を3つ入れれば3プロセスだと思っていた。ワークフロー・電子契約・勤怠管理は同じ共P-05です。種類で数えるので1プロセスです
  • 無料で使っていたツールの継続利用分まで補助対象だと考えていた。対外的に無償で提供されているものは補助対象外です

締切日と交付決定日(2026年11月2日確認)

6次締切(2026年10月30日(金)17:00)で受付を終えた後、公表されている締切は7次締切と8次締切です。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)とも同じ日程です。

締切回締切日時交付決定日事業実施期間
6次締切分(受付終了)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)(予定)交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
7次締切分2026年12月1日(火)17:002027年1月19日(火)(予定)交付決定〜2027年7月30日(金)17:00(予定)
8次締切分2027年1月7日(木)17:002027年2月17日(水)(予定)交付決定〜2027年8月31日(火)17:00(予定)

9次締切以降の日程は、2026年11月2日時点で公表されていません。公式サイトは「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」としています。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。7次締切で申請する場合、ソフトの契約ができるのは交付決定日(2027年1月19日予定)以降です。全募集回の日程はIT導入補助金のスケジュールにまとめています。

よくある質問

Q. ワークフローシステムだけで通常枠に申請できますか?

はい、登録済みのワークフローシステムなら申請できる可能性があります。ワークフローは別紙2の共P-05の機能例で、補助額150万円未満なら1プロセスで要件を満たせます。製品の登録状況はITツール検索で確認してください。

Q. グループウェアや社内チャットだけを導入できますか?

いいえ、汎P-07だけで登録されたソフトは単独では申請できません。共P-01〜各業種P-06のソフトと組み合わせて申請すると、1プロセスとして数えられます。

Q. 電子契約サービスは対象ですか?

はい、登録済みの製品なら対象になり得ます。電子契約は別紙2の共P-05に「電子契約、リーガルチェック」として載っています。インボイス枠の要件(会計・受発注・決済)には当たらないため、通常枠で検討します。

Q. Web会議用のカメラやマイクも補助対象になりますか?

通常枠では対象になりません。通常枠の補助対象はソフトウェア・オプション・役務で、機器の区分がありません。別紙2もCTI・PBX・IVRについて、ハードウェア部分は対象外としています。

Q. ファイル共有のクラウドストレージは対象ですか?

同時編集などの機能があるオンラインストレージは、汎P-07として扱われます。単なるストレージはカテゴリー2(機能拡張)のオプションとして登録する扱いで、ソフト本体とあわせて申請し、最大1年分が補助対象です。

まとめ

  • ワークフロー(承認・決裁)と電子契約は共P-05として、通常枠で単独でも対象になり得ます
  • グループウェア・社内チャット・Web会議は汎P-07で、単独では申請できません。共P-01〜各業種P-06と組み合わせます
  • インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件のため、社内向けのソフトだけでは使えません
  • 共P-05の機能を複数入れても1種類です。150万円以上なら4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
  • 申請前に、申請できない事業者(対象外・12カ月制限・過去の受給歴)でないか確認してください

補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。対象経費の全体像はIT導入補助金の対象経費、勤怠・給与のソフトはIT導入補助金で勤怠管理・給与計算ソフトは対象?、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。

参考(一次情報)

※本記事は2026年11月2日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツールの登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。