事業承継・M&A補助金とは、後継者への引き継ぎやM&Aに伴う設備投資・専門家費用を補助する国の制度です。「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」の4つの枠で構成されています。後継者が決まっている会社、M&Aの買い手・売り手、統合後の経営統合(PMI)と、事業承継の段階ごとに使える枠が分かれています。

要点は次の5つです。

  • 補助上限額は、事業承継促進枠とPMI推進枠(事業統合投資類型)が1,000万円(賃上げ要件達成時)です。専門家活用枠(買い手支援類型)は800万円(DD実施時)で、この3つは廃業費の併用でさらに+300万円になります(将来の売上高100億円を目指す買い手向けの別枠「100億企業特例」は上限2,000万円。比較表)
  • 事業承継促進枠は、同じ公募回で専門家活用枠・PMI推進枠と併用できません。一方、専門家活用枠とPMI推進枠(PMI専門家活用類型)は「同時申請」の形で組み合わせられます(併用可否)
  • みなし大企業、課税所得15億円超、資本金5億円以上の法人の完全子会社などは、全枠共通で対象外です(対象外規定)
  • 経営革新計画・BCP(事業継続力強化計画)・くるみん・えるぼし・健康経営優良法人など、他の補助金でもおなじみの認定がそのまま加点に使えます(加点事由)
  • 16次公募の申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00です。公募要領は2026年9月4日から公開されています(スケジュール)

自社がどの枠に当てはまるか分からない場合は、どの制度・枠が該当するか、申請条件に合うかを当社からご提案します。補助金のご質問はLINEでも受け付けています。当サイトには募集中の補助金・助成金を273件掲載しています(毎週自動更新)。

事業承継・M&A補助金とはの記事でわかる3つのこと:4つの枠の補助率と上限額(最大1,000万円)、全枠共通で対象外になる事業者と、枠ごとの対象外規定、同じ公募回で併用できる枠・できない枠と申請日程
図解:事業承継・M&A補助金とはで最初に押さえたい3つのポイント

事業承継・M&A補助金とは:4つの枠

事業承継・M&A補助金は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する補助金で、4つの枠に分かれています。公募要領は事業の目的を次のように定めています。

中小企業者及び個人事業主が事業承継、事業再編及び事業統合を契機とした取り組みを行う事業等について、その経費の一部を補助することにより、事業承継、事業再編及び事業統合を促進し、生産性向上による我が国経済の活性化を図ることを目的とする。

4つの枠には、それぞれ独立した公募要領(PDF)が公開されています。対象者・補助率・提出書類も枠ごとに異なります。各枠の対象場面と経費の例をまとめると、次の表のとおりです。

枠対象になる場面補助対象経費の例
事業承継促進枠親族内承継・従業員承継の後継者が中心となって行う、引き継いだ経営資源を活用する設備投資等設備費、システム構築費、外注費、店舗改装費 等
専門家活用枠(買い手支援類型・売り手支援類型・小規模売り手支援類型)M&Aの買い手または売り手が専門家(FA・仲介会社・士業等)に支払う費用委託費(着手金・成功報酬等の専門家手数料)、プラットフォーム登録費用 等
PMI推進枠(PMI専門家活用類型・事業統合投資類型)M&A後の経営統合(PMI=Post Merger Integration)に必要な専門家費用・設備投資専門家費用、システム構築費、設備費 等
廃業・再チャレンジ枠M&Aで譲渡できなかった事業の廃業、または他の枠と併用しての一部廃業廃業支援費、原状回復費、在庫処分費 等(廃業費)

専門家活用枠には3つの類型があります。買い手側を支援する「買い手支援類型(Ⅰ型)」、売り手側を支援する「売り手支援類型(Ⅱ型)」、小規模事業者の売り手を対象に15次公募から追加された「小規模売り手支援類型」です。PMI推進枠にも「PMI専門家活用類型」と「事業統合投資類型」の2種類があり、それぞれ別の公募要領が公開されています。

「専門家活用枠」「PMI推進枠」とひとまとめに調べると、自社に合う類型を見落としがちです。比較表では、自社の立場(後継者か・買い手か・売り手か・統合後か)から探してください。

まず確認:対象外になる事業者

事業承継・M&A補助金では、資本金5億円以上の法人の100%子会社、課税所得の年平均額が15億円を超える事業者、みなし大企業などが全枠共通で対象外です。枠や金額を見る前に、まずこの規定を確認してください。

公募要領は「対象となる中小企業者等」を定義したうえで、次に該当する中小企業者等を対象外としています。下の表は、16次公募の各公募要領「5.補助対象者」の条件を原文どおりに整理したものです。

対象外になる事業者内容
資本金5億円以上の法人の100%子会社資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有される法人
課税所得が高額な事業者申請時において、確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者等
みなし大企業発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している、または3分の2以上を大企業が所有している等の中小企業者
みなし同一法人親会社が議決権の50%超を有する子会社が存在する場合、親会社と子会社は同一法人とみなし、いずれか1社の申請しか認められない(代表者が同じ法人も同一法人とみなす)
一定の法人・団体社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、農事組合法人、各種組合、法人格のない任意団体

このほか、全枠共通で次の2点が定められています。

  • 反社会的勢力でないこと(本人・役員とも。反社会的勢力からの出資等の資金提供を受けている場合も対象外)
  • 中小企業庁が所管する他の補助金に申請時点から過去18か月の間に申請し、賃上げ加点の要件等が未達成の場合は、大幅に減点されます。正当な理由が認められる場合を除きます(対象外ではなく減点措置)。この規定の対象になる補助金には、本補助金や、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上IT導入支援事業〔デジタル化・AI導入補助金〕、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業〔Go-Tech事業〕、事業再構築補助金、新事業進出補助金、中小企業省力化投資補助事業が含まれます

過去に「経営資源引継ぎ補助金」または「事業承継・引継ぎ補助金」の交付を受けた事業者にも注意点があります。期日までに事業化状況報告を適切に実施していないと、対象外になります(実施義務があるのに未提出の場合に限る)。この系統の補助金を使ったことがある場合は、報告義務を果たしているかを先に確認してください。

枠ごとの対象外規定

全枠共通の規定に加えて、枠ごとに固有の対象外規定もあります。

事業承継促進枠は「経営権と所有権のいずれも被承継者から承継者へ譲渡されていること」が前提です。次のケースは、実質的な事業承継が行われたとみなされず対象外になります。代表者交代のみ(株式の移転を伴わない)、グループ内の事業再編、物品や不動産だけの承継、実質的なフランチャイズ契約やのれん分けです。

事業承継促進枠とPMI推進枠(事業統合投資類型)では、補助事業が第一次産業(農業、林業、漁業)である事業も対象外です。ただし、2次・3次産業分野に取り組む場合の経費は補助対象となる例外があります。

廃業・再チャレンジ枠の単独申請(再チャレンジ申請)は、M&Aで事業を譲り渡そうとして譲り渡せなかった中小企業者等が対象です。M&Aを試みずに単に廃業したい場合は、単独申請の対象になりません(他の枠との併用申請なら該当条件が異なります。併用可否参照)。

4つの枠の補助率・補助上限額【比較表】

4つの枠の補助率・上限額の図解。主な項目:事業承継促進枠:2/3または1/2以内・上限800万円(賃上げで1,000万円)、専門家活用枠(買い手・売り手):上限600万円(DD実施で+200万円)、PMI推進枠:上限はPMI専門家活用類型150万円・事業統合投資類型800万円、廃業・再チャレンジ枠:上限300万円(単独申請・他枠との併用とも)
図解:4つの枠の補助率・上限額で押さえたいポイント

事業承継・M&A補助金の補助率は、枠・類型や事業者の区分に応じて2/3以内または1/2以内です(100億企業特例は※3参照)。補助上限額は、事業承継促進枠とPMI推進枠(事業統合投資類型)が800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)です。専門家活用枠(買い手支援類型・売り手支援類型)は600万円(DD実施で+200万円)です。

補助額はいずれも補助対象経費に補助率を掛けた金額で、事業完了後の精算払い(実費弁済)です。枠・類型ごとの補助率・下限額・上限額を比べると、次の表のとおりです。

枠・類型補助率補助下限額補助上限額(通常)廃業費の併用上乗せ
事業承継促進枠小規模事業者等※1 2/3以内/それ以外 1/2以内100万円800万円(賃上げ要件※2達成で1,000万円)+300万円
専門家活用枠(買い手支援類型)※32/3以内50万円600万円(DD実施で+200万円。M&A不成立の場合は300万円※4)+300万円
専門家活用枠(売り手支援類型)営業利益率低下・直近赤字のいずれかに該当で2/3以内/非該当 1/2以内50万円600万円(DD実施で+200万円。M&A不成立の場合は300万円※4)+300万円
専門家活用枠(小規模売り手支援類型)2/3以内なし450万円(M&A不成立の場合は50万円※4)+150万円
PMI推進枠(PMI専門家活用類型)1/2以内50万円150万円+300万円(単独申請のみ)
PMI推進枠(事業統合投資類型)小規模事業者等※1 2/3以内/それ以外 1/2以内100万円800万円(賃上げ要件※2達成で1,000万円)+300万円
廃業・再チャレンジ枠(単独=再チャレンジ申請)2/3以内50万円300万円—
廃業・再チャレンジ枠(他枠と併用)併用先の枠の補助率に従う50万円300万円—

※1 小規模事業者等の定義は対象者の章を参照。

※2 賃上げ要件=「補助事業完了日を含む事業年度(基準年度)」と比較した「翌年度の従業員1人当たり給与支給総額」の上昇率が3%以上となる賃上げを、公募申請時までに全ての従業員又は従業員代表者、役員へ表明のうえ達成すること。達成できなかった場合は、補助上限額の引き上げ額(最大200万円)の返還を求められます。事業計画期間中の各事業年度末時点で上昇率の水準を維持できていない場合も同様です(天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除く)。

※3 上記は通常の買い手支援類型(Ⅰ型)です。将来の売上高100億円を目指す買い手向けの別枠「100億企業特例」では、補助上限額が2,000万円(廃業費併用でさらに300万円)になります。独自の雇用維持要件・返還規定も設けられています。別の公募要領で公募されており、買い手が誰でも使える枠ではありません。公募要領は、たとえば次のような条件を定めています。最低譲渡価額が5億円以上であること、公募申請時に補助事業者の「100億宣言」が「100億企業 成長ポータル」で公表されていること、被承継者の従業員の雇用を3年間維持すること、などです。補助率は1,000万円以下の部分が1/2以内、1,000万円超〜2,000万円の部分が1/3以内(下限50万円)で、通常の買い手支援類型の2/3とは異なります。通常の買い手支援類型・売り手支援類型(DD実施時の上限800万円)との同一公募回内の併願はできません。不採択になっても、通常の買い手支援類型へは移行しません。

※4 ここでいうM&A不成立は、補助事業期間内に経営資源の引継ぎが実現しなかった場合(クロージングしなかった場合)を指します。この場合に補助上限額が変わります。

補助率は「〜以内」という上限の表現で、実際の補助額は審査で確定した補助対象経費に率を掛けた額です。事業承継促進枠・PMI推進枠(事業統合投資類型)は、補助額のうち800万円を超え1,000万円以下の部分は補助率1/2以内になります。

事業承継促進枠とPMI推進枠の生産性向上要件

事業承継促進枠とPMI推進枠(事業統合投資類型)には「生産性向上要件」もあります。補助事業期間を含む5年間の補助事業計画が、「付加価値額」または「1人当たりの付加価値額」の伸び率3%/年の向上を含むことが必要です。付加価値額は、営業利益+人件費+減価償却費です。専門家活用枠・PMI専門家活用類型・廃業・再チャレンジ枠の公募要領に、この要件はありません。

枠ごとの詳しい解説

M&Aの仲介手数料・FA費用・DD費用に使う専門家活用枠は、3類型の選択と「M&Aが成立しなかった場合の上限額の変更」が実務の要点です。詳細は専門家活用枠の3類型で解説しています。

親族内承継・従業員承継の後継者が使う事業承継促進枠は、承継予定者の3年要件と「実質的な事業承継とみなされない9類型」が申請可否を分けます。詳細は事業承継促進枠の要件で解説しています。

M&Aで譲り渡せずに廃業する場合の廃業・再チャレンジ枠は、単独申請に「2020年以降にM&Aに着手したが成約に至らなかった」要件があります。詳細は廃業・再チャレンジ枠の条件で解説しています。

M&A後の経営統合に使うPMI推進枠は、PMI専門家活用類型の「単独申請と同時申請」の選択と、事業統合投資類型の補助率の段差が要点です。詳細はPMI推進枠の2類型で解説しています。

対象者:中小企業者・小規模事業者等の定義

事業承継・M&A補助金の対象は、中小企業基本法の定義に準じた中小企業者等です。業種によって資本金・従業員数の基準が異なり、いずれか一方を満たせば対象になります。業種ごとの基準は次の表のとおりです。

業種分類定義
製造業その他(ゴム製品製造業の一部除く)資本金3億円以下、または従業員300人以下の会社・個人事業主
卸売業資本金1億円以下、または従業員100人以下の会社・個人事業主
小売業資本金5千万円以下、または従業員50人以下の会社・個人事業主
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)資本金5千万円以下、または従業員100人以下の会社・個人事業主

(ゴム製品製造業の一部は資本金3億円以下または従業員900人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下または従業員300人以下、旅館業は資本金5千万円以下または従業員200人以下)

補助率が引き上がる「小規模事業者等」は、商工会・商工会議所法に準じて別に定義されます。従業員数のみで判定し、資本金の基準はありません。

業種分類定義
製造業その他従業員20人以下の会社・個人事業主
商業(卸売業・小売業)・サービス業従業員5人以下の会社・個人事業主
サービス業のうち宿泊業・娯楽業従業員20人以下の会社・個人事業主

個人事業主も対象ですが、青色申告者であり、確定申告書Bと所得税青色申告決算書の写しを提出できることが条件です。

専門家活用枠・PMI推進枠の対象は、さらに「申請時点で設立登記および3期分の決算・申告が完了している法人」「開業届・青色申告承認申請書の提出から5年が経過している個人事業主」に限られます。3期分の決算が未了の法人や、開業から5年未満の個人事業主は対象外です(各枠の公募要領 5(1)・注記)。

枠の併用可否:同じ公募回で組み合わせられる枠

同じ公募回での枠の併用ルールの図解。主な項目:事業承継促進枠は、専門家活用枠・PMI推進枠と併用できない、専門家活用枠(買い手)とPMI専門家活用類型は同時申請で組み合わせ可、専門家活用枠(買い手)と事業統合投資類型は併用できない、廃業・再チャレンジ枠は他の3枠すべてと併用できる
図解:同じ公募回での枠の併用ルールで押さえたいポイント

事業承継・M&A補助金の枠は、組み合わせ方によって「併用できない」「同時申請という形でのみ組み合わせられる」「他枠との併用が前提」と扱いが異なります。枠選びで見落とされやすいのが、この併用ルールです。

  • 事業承継促進枠は、同じ公募回で専門家活用枠・PMI推進枠と併用できません。公募要領に「専門家活用枠、PMI推進枠との同一公募回での申請は不可とする」と明記されています
  • 専門家活用枠(買い手支援類型)とPMI推進枠(PMI専門家活用類型)は、「同時申請」の形でのみ組み合わせられます。PMI専門家活用類型には「単独申請」と「同時申請」の2パターンがあります。単独申請は、公募申請時点でM&Aの基本合意ができている場合が対象です。同時申請は、専門家活用枠で申請するM&Aと同一案件について統合準備を進める場合が対象です
  • 専門家活用枠(小規模売り手支援類型)は、売り手支援類型(上限800万円となる公募)と同一公募回で申請できません。買い手・売り手の両面を持つ会社でも、同じ回に併願する前提では計画を立てないでください
  • 専門家活用枠(買い手支援類型)とPMI推進枠(事業統合投資類型)は併用できません。事業統合投資類型の公募要領にも「専門家活用枠(買い手支援類型)と同一公募回での申請は不可」「PMI専門家活用類型(単独申請)との同一公募回での申請は不可」と明記されています
  • 廃業・再チャレンジ枠は、他の3枠すべてと併用できる前提の枠です。単独申請(再チャレンジ申請)は、M&Aで譲渡できなかった事業者向けです

廃業・再チャレンジ枠の併用申請には、次の4パターンが定められています。廃業費の補助率は、併用先の枠の補助率にそのまま従います。

  • 事業承継促進枠との併用(承継後に既存事業の一部を廃業)
  • 専門家活用枠・買い手支援類型との併用(譲り受けにあたり一部廃業)
  • 専門家活用枠・売り手/小規模売り手支援類型との併用(M&A後に手元に残った事業を廃業)
  • PMI推進枠との併用(統合後に一部廃業)

自社がどの立場(後継者・買い手・売り手・統合後の経営)に当てはまるかで、選べる枠の組み合わせが変わります。判断に迷う場合は、申請前にご相談ください。どの枠が該当するか、申請条件に合うかを当社からご提案します(LINEでのご質問も受け付けています)。

加点事由:既存の認定・計画がそのまま使える

事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠では、経営革新計画やBCP(事業継続力強化計画)、くるみん・えるぼしなどの認定があると審査で加点されます。次のいずれかに該当すれば加点の対象で、該当を証する書類の提出が必要です。他の補助金の加点準備で取得済みの認定が、そのまま使えるものも多くあります。

  • 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用
  • 「経営革新計画」の承認、「経営力向上計画」の認定、「先端設備等導入計画」の認定(公募申請時に有効な期間のもの)
  • 「(連携)事業継続力強化計画」(BCP)の認定
  • 「健康経営優良法人」の認定
  • 「くるみん認定・えるぼし認定」、または従業員100人以下で一般事業主行動計画を公表している事業者
  • 地域おこし協力隊としての委嘱、地域未来牽引企業、アトツギ甲子園の出場(地方予選を含む)、サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用
  • 事業化状況報告時点で従業員1人当たり給与支給総額の上昇率2%以上の賃上げを、公募申請時に表明していること。上記の補助上限額の賃上げ要件(3%以上)とは別の加点で、率の基準が異なります

くるみん・えるぼし・健康経営優良法人・経営革新計画・BCPは、新事業進出・ものづくり補助金やデジタル化・AI導入補助金など、他の大型補助金でも共通の加点項目です。取得・更新にかかる準備期間は補助金の加点項目一覧と準備ガイドにまとめています。日頃の準備にお使いください。

申請方法とスケジュール(16次公募)

事業承継・M&A補助金16次公募の申請受付は、2026年10月2日から11月6日17:00までです。申請はJグランツによる電子申請のみで、郵送・窓口持参はできません。Jグランツの利用にはGビズIDプライムアカウントが必要です。

GビズIDプライムの発行までの目安は、公募要領では1週間から2週間程度(混雑時は3週間程度)です。GビズIDの公式サイトでは、マイナンバーカードを使うオンライン申請なら最短で即日(FAQの比較表では即日〜数日)です。書類郵送申請は、書類に不備がない場合で最大1か月です(2026年7月9日に最大2週間から変更)。書類郵送申請になる場合は、1か月を見込んで逆算してください。

16次公募の日程は次のとおりです。

項目日程
公募要領の情報開示2026年9月4日(金)〜
申請受付期間2026年10月2日(金)〜2026年11月6日(金)17:00(厳守)

この日程は4つの枠すべてで共通です(各公募要領「13.本公募に係る申請期間」より)。締切日時を過ぎてからの申請は受け付けられません。

事業承継促進枠・廃業・再チャレンジ枠は、申請時に認定経営革新等支援機関の確認書が必須です。事業承継促進枠の公募要領は、締切の直前は確認を依頼しても間に合わない場合があるとして、余裕をもった依頼を求めています。廃業・再チャレンジ枠も、締切から逆算して早めに支援機関へ相談してください。専門家活用枠・PMI推進枠では確認書の提出は必須とされていません。ただし、経費(専門家費用)の相見積り(原則2者以上)の準備に時間がかかるため、早めに着手してください。

事業承継促進枠の事業承継対象期間(承継を完了させる期限)は、16次公募の申請期日である2026年11月6日から5年後の2031年11月5日までです。

他の大型補助金との違い

事業承継・M&A補助金は、事業承継の段階そのものを対象にする点で、他の大型補助金と異なります。同じ中小機構が運営する大型補助金でも、目的はそれぞれ違います。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、新製品・新サービス開発や新市場進出への設備投資が対象です。事業承継そのものは要件になりません
  • 中小企業省力化投資補助金は、人手不足解消のための省力化設備の導入が対象です
  • 事業承継・M&A補助金(本記事)は、後継者への引き継ぎ、M&Aの買い手・売り手支援、統合後のPMI、廃業・再チャレンジを対象にします。事業承継のフェーズそのものを対象にする点が独自です

補助金全体の違いは補助金と助成金の違い、申請の基本ステップは補助金申請の流れ5ステップを参照してください。個人事業主が使える補助金の全体像は補助金は個人事業主でも使える?でも解説しています。

よくある質問

Q. 後継者は決まっているのですが、まだ株式や経営権を渡していません。申請できますか?

はい、申請できます。事業承継促進枠は、公募申請時点で事業承継が実施されている必要はありません。公募申請期日(16次公募は2026年11月6日)から5年以内に承継を完了させる計画であれば対象です。ただし、承継予定者の要件(役員・従業員としての経験年数や親族関係)を満たすことと、認定経営革新等支援機関による蓋然性の確認を受けた計画書が必要です。

Q. 代表者を交代するだけで、株式は移転しません。対象になりますか?

いいえ、対象になりません。事業承継促進枠は「経営権と所有権(株式、持分等)のいずれも被承継者から承継者へ譲渡されること」が要件です。経営権と所有権のいずれもの移転を伴わない代表者交代は、実質的な事業承継が行われたとみなされず対象外です。

Q. 事業を譲り渡したい(売却したい)のですが、まだ買い手が見つかっていません。使える枠はありますか?

はい、専門家活用枠(売り手支援類型・小規模売り手支援類型)が使えます。買い手探索やデュー・ディリジェンス等にかかる専門家費用が対象です。M&Aが補助事業期間内に成立しなかった場合は補助上限額が調整される規定があるため(売り手支援類型は上限300万円、小規模売り手支援類型は上限50万円に変更)、この点は申請前に確認してください。

Q. 事業承継促進枠と専門家活用枠を同じ公募回で両方使えますか?

いいえ、使えません。事業承継促進枠は「専門家活用枠、PMI推進枠との同一公募回での申請は不可」と公募要領に明記されています。組み合わせのパターンは併用可否で整理しています。

Q. 過去に「経営資源引継ぎ補助金」を受け取ったことがあります。申請できますか?

事業化状況報告を適切に行っていれば、この規定による対象外には当たりません。対象外になるのは、事業化状況報告の実施義務が生じているにもかかわらず、期日までに適切に報告していない場合です。なお別途、申請時点から過去18か月以内に中小企業庁所管の他の補助金で賃上げ加点の要件等が未達成だと、減点対象になる規定もあります。あわせて確認してください。

Q. 交付決定前に専門家への委託契約を結んでしまっても大丈夫ですか?

いいえ。交付決定前の契約・発注・支払いは補助対象外になります。この補助金に限らず、大型補助金に共通するルールです。交付決定通知書を受理してから契約・着手してください。申請全体の流れは補助金申請の流れ5ステップでも解説しています。

Q. 事業承継・M&A補助金の申請はいつまでですか?

16次公募の申請受付は、2026年10月2日から2026年11月6日17:00までです。4つの枠すべてで共通の日程で、締切日時を過ぎてからの申請は受け付けられません。申請はJグランツによる電子申請のみで、GビズIDプライムアカウントが必要です。

まとめ

  • 事業承継・M&A補助金は「事業承継促進枠」「専門家活用枠」「PMI推進枠」「廃業・再チャレンジ枠」の4枠構成。専門家活用枠・PMI推進枠にはさらに類型がある
  • みなし大企業・課税所得15億円超・資本金5億円以上法人の100%子会社は全枠共通で対象外。過去18か月以内の他補助金での賃上げ加点未達成は減点対象
  • 上限額は事業承継促進枠・PMI推進枠(事業統合投資類型)が1,000万円(賃上げ要件達成時)、専門家活用枠(買い手支援類型)が800万円(DD実施時)。いずれも廃業費の併用で+300万円
  • 事業承継促進枠・PMI推進枠(事業統合投資類型)は、5年計画で付加価値額等の伸び率3%/年という生産性向上要件が前提
  • 事業承継促進枠は専門家活用枠・PMI推進枠と併用不可。専門家活用枠とPMI専門家活用類型は「同時申請」で組み合わせ可能。廃業・再チャレンジ枠は他の3枠すべてと併用できる設計
  • 経営革新計画・BCP・くるみん・えるぼし・健康経営優良法人など、他の補助金でもおなじみの認定がそのまま加点として使える
  • 16次公募の申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00(4枠共通)。事業承継促進枠・廃業再チャレンジ枠は認定経営革新等支援機関の確認書が必須

自社がどの枠に当てはまるか分からない方、他の補助金との使い分けに迷う方には、どの制度が該当するか、申請条件に合うかを当社からご提案します。まずは2分でわかる補助金かんたん診断をお試しください。補助金のご質問はLINEでも受け付けています。

参考(一次情報)