デジタル化・AI導入補助金の交付申請で全申請者がそろえる基本書類は、法人なら3種類、個人事業主なら4種類です。公募要領は基本書類について「代替書類は一切認められない」と明記しており、似た書類での代用はできません。

ただし、「必要書類」は交付申請で終わりではありません。補助金を実際に受け取るには、事業完了後の実績報告で請求書や支払いの証憑を提出する必要があり、その前提として支払方法にも制限があります。この記事では、申請前の事前手続きから実績報告・保管義務まで、必要書類を時系列で一気に整理します。

先に要点をまとめます。

  • 交付申請の基本書類は法人3種・個人事業主4種。代替書類は認められない
  • 事前手続きはGビズIDプライムSECURITY ACTIONの2つ。GビズIDは取得ルートで所要期間が大きく違う(マイナンバーカードのオンライン申請なら最短即日、書類郵送は最大1か月
  • 交付決定前に契約・発注・納品・支払いをすると補助金は受けられない
  • IT導入支援事業者への支払いは原則、銀行振込またはクレジットカード1回払い。現金払い・分割払いは不可(口座振替は条件付きで可)
  • 実績報告では請求書類・支払証憑・受取口座情報・ITツールの利用キャプチャを提出する
  • 補助事業の書類は完了年度終了後5年間の保管義務がある

なお、書類をそろえる前にそもそも申請できる枠かどうかの確認が先です。過去の交付決定歴によって、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)で12カ月の申請制限や申請対象外に当たる場合があります。判定条件は再申請時の対象外・12カ月制限・減点で整理しています。制度の全体像から確認したい方はデジタル化・AI導入補助金の完全ガイドをご覧ください。

必要書類の全体像|どの段階で何が要るか

まず時系列の地図を持ってください。当社が申請サポートでご相談を受けていて感じるのは、交付申請の書類だけ調べて「実績報告で証憑が要ること」「支払方法に制限があること」を知らずに事業を始めてしまうケースの多さです。ここでつまずくと、申請が通っても補助金を受け取れません。

段階必要な書類・守るべきルール
① 申請前(事前手続き)GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言
② 交付申請基本書類(法人3種・個人事業主4種)+該当者のみ追加様式
③ 交付決定まで契約・発注・納品・支払いをしない(フライングは補助金を受けられない)
④ 事業実施中原則、銀行振込またはクレジットカード1回払いで支払い、証憑をすべて保管
⑤ 実績報告請求書類・支払証憑・補助金受取口座の情報・ITツールの利用を証する資料
⑥ 事業完了後全書類を完了年度終了後5年間保管

以下、この順番で解説します。

① 先に取る2つの事前手続き

交付申請の要件になっている手続きが2つあります。デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領(通常枠・インボイス枠)で必須とされている事前手続きはこの2つです。過去年度のIT導入補助金の解説で見かける「みらデジ経営チェック」は、2026年の公募要領には要件として記載されていません(2026年8月時点)。

GビズIDプライム|取得ルートで所要期間がまったく違う

GビズIDプライムのアカウント(ID・パスワード等)が交付申請の要件です。注意したいのは、申請ルートによって発行までの期間が大きく異なることです。

取得ルート発行までの期間(2026年8月時点)
マイナンバーカードによるオンライン申請最短で即日発行
書類(申請書+印鑑証明書等)の郵送申請審査期間が従来の最大2週間から最大1か月に変更

GビズIDの公式サイトは、書類申請の審査期間が従来の最大2週間から最大1か月に変更されたと案内しています。以前の感覚で「2週間前に出せば間に合う」と考えていると、書類郵送ルートでは間に合わないおそれがあります。

実務的な逆算は次のとおりです。

  • マイナンバーカードを持っている:オンライン申請が最速です。それでも入力不備などを考え、締切の1〜2週間前には済ませておくと安心です
  • マイナンバーカードがない・オンライン申請が難しい:書類郵送は最大1か月かかるため、締切の1か月半前には申請書を発送してください

当社のサポートでも、最初に確認するのはGビズIDプライムの有無です。ここが未取得だと、他の準備がどれだけ進んでいても申請できません。

SECURITY ACTION|「★一つ星」と「★★二つ星」の違い

SECURITY ACTIONは、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報セキュリティ対策の自己宣言制度です。「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言が交付申請の要件で、申請作成時に「宣言済アカウントID」の入力が必要です。宣言済アカウントIDの発行までおおむね2〜3日かかります。

一つ星と二つ星は宣言する内容が異なります。

★一つ星★★二つ星
宣言する内容「情報セキュリティ6か条」に取り組むことの宣言「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施したうえで、「情報セキュリティ基本方針」を策定・外部公開することの宣言
事前準備不要(対策の実施前でも申込可自社診断の実施+基本方針の策定・公開(自社サイト掲載や会社案内への掲載等)
補助金の要件としてどちらでも可どちらでも可

補助金の要件としてはどちらでも構いません。初めて宣言する場合、事前準備なしで申し込める一つ星で足ります。自社サイトでセキュリティ方針をすでに公開している、または取引先への信頼性アピールに使いたい場合は二つ星を選ぶとよいでしょう。

なお、一つ星の宣言対象は「情報セキュリティ6か条」です(2026年8月時点のIPA公式の表記)。古い解説では5か条と書かれていることがありますが、現在の公式表記に沿って確認してください。

② 交付申請の基本書類

法人の基本書類(3種類)

用途必要な書類
実在を証明するもの履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)
事業実態を確認するもの税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)
財務状況を確認するもの直近分の貸借対照表及び損益計算書

履歴事項全部証明書には「発行から3カ月以内」という期限があります。申請準備が長引くと期限切れになるため、取得のタイミングは書類の中で最後にするのが実務的です。

なお、交付申請の段階で印鑑証明書や通帳のコピーは不要です(補助金を受け取る口座の情報は、後述の実績報告の段階で提出します)。また、法人の交付申請に確定申告書の控えは求められていません。「過去2期分の決算書」といった要求もなく、貸借対照表と損益計算書は直近分です。

設立初年度で納税証明書がまだ無い場合

設立して間もなく、法人税の納税証明書を発行できない法人については、公募要領に明文の救済規定がありません(2026年8月時点)。書類がそろわないまま申請しても差し戻しになるだけなので、申請前に事務局のコールセンター(0570-666-376、受付9:30〜17:30/土日祝・年末年始を除く)に取り扱いを確認してください。

個人事業主の基本書類(4種類)

用途必要な書類
本人を確認するもの運転免許証(有効期限内のもの)、運転経歴証明書、若しくは住民票(発行から3カ月以内のもの)
事業実態を確認するもの① 税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)<br>② 税務署が受領した直近分の確定申告書の控え
財務状況を確認するもの所得税の青色申告決算書又は収支内訳書

個人事業主は事業実態の確認に2点必要なため、合計4種類になります。開業届の控えは基本書類に含まれていません。

確定申告書について補足すると、かつての「確定申告書B」という様式区分は廃止され、現在は「確定申告書」に一本化されています。古い様式名で案内している情報を見ても、手元の直近分の確定申告書(第一表)で問題ありません。

交付申請でつまずきやすい4つのルール

公募要領の「提出書類の注意点」には、実際に差し戻しが起きやすい条件が並んでいます。当社の申請サポートの経験でも、差し戻しの多くはこの4点のどれかです。

1. 納税証明書は「その1」か「その2」

納税した領収書ではありません。必要なのは税務署が発行した納税証明書で、税目は法人税(個人事業主の場合は所得税)の直近に納税されているものです。市区町村が発行する納税証明書や、納付書の控えは該当しません。

2. 確定申告書は「令和7年(2025年)分」

公募要領は確定申告書について「令和7年(2025年)分のものとする」と定めています。ただし、やむを得ない事情がある場合は令和6年分の提出も可能とされています。

3. 確定申告書は「税務署が受領したことが分かるもの」のみ|受付印は要件ではない

ここが最もつまずきやすい部分です。公募要領が定める受領確認の方法は次の2つです。

  • ①「確定申告書 第一表の控え」に受付番号と受付日時が印字されていること
  • ②「確定申告書 第一表の控え」と「受信通知(メール詳細)」が添付できること

「税務署の受付印(収受印)が押された控えが必要」と考えている方が多いのですが、受付印は要件に含まれていません。そもそも2025年以降、税務署では申告書の控えへの収受印の押なつ自体が廃止されています。確認手段は上記の①か②です。

税理士(税理士法人を含む)の印のみが押印された書類は、適切な添付資料として取り扱われません。顧問税理士から受け取った控えをそのまま出して差し戻されるケースがここに当たります。

上記の方法で受領が確認できない場合は、「確定申告書 第一表の控え」と「同一年度の納税証明書(その2所得金額用)」を提出することで審査に必要な書類を充足できます。この場合は、納税証明書の添付の際に納税証明書(その2所得金額用)を添付します。

4. マイナンバー等は黒塗りにする

添付書類は、原則マイナンバー、保険者番号等の個人情報が記載されていない書類を提出します。記載されている場合は、記載箇所を黒塗りにするなど判別できないようにする必要があります。

該当する人だけ追加で出す様式

次に当てはまる場合は、基本書類に加えて所定の様式が必要です。様式は本事業ホームページからダウンロードします。

対象必要な様式
通常枠で補助率2/3以内の適用を受ける場合(最低賃金近傍の事業者であることを示す場合)および該当の加点を受ける場合賃金状況報告シート(補助率引上げ・加点措置①用)
IT戦略ナビwith」の加点を受ける場合実施結果(IT戦略マップ)をPDF形式で出力したもの。本事業の申請に用いたGビズIDプライムが確認できること
交付申請の直近月における事業場内最低賃金を、令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上の水準にした加点を受ける場合賃金状況報告シート(加点措置②用)

2026年8月28日改訂で、IT戦略ナビwithと同じ加点項目に「IT経営サポートセンター」の利用も追加されました(2026年8月1日以降の利用申込が条件)。こちらは交付申請時に添付する専用の様式は定められておらず、利用申込時に入力した法人名・住所・法人番号等を事務局側で確認する形です。詳細は加点項目一覧の記事をご覧ください。

補助率2/3以内の適用を受ける条件は、公募要領では「令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上あること」を示すものとされています。

なお、補助率2/3以内への引上げ措置は通常枠のみの規定です。インボイス枠(インボイス対応類型)には補助率引上げの措置はなく、同じ賃金状況を示して加点を受ける場合の様式は「賃金状況報告シート(加点措置①用)」となります。

これは賃上げ要件とは別の措置です。賃上げ計画そのものの扱いは賃上げ加点と返還リスクの記事で整理しています。加点項目の全体像は加点項目一覧の記事をご覧ください。

なお公募要領は、上記のほかにも「必要に応じて、追加書類の提出を求める場合がある」としています。

申請までの手順|「事業計画書」という提出書類は無い

公募要領に示されている交付申請までの流れは次のとおりです。

  1. 本事業ホームページや交付規程・公募要領を読み、補助事業について理解する
  2. IT導入支援事業者・ITツールを選定する(この時点では契約しません
  3. GビズIDプライムを取得する
  4. IT導入支援事業者による「申請マイページ」への招待
  5. 「申請マイページ」を開設する(申請者情報の入力)
  6. 「IT事業者ポータル」にてIT導入支援事業者が事業計画、ITツール情報を入力・申請内容を確認する
  7. 「申請マイページ」にてITツール情報の確認・事業計画の確認・宣誓を行う
  8. 「申請マイページ」にて申請者から事務局へ交付申請を提出する(交付申請完了)

補助金に慣れた方ほど「事業計画書を作らなければ」と考えがちですが、この補助金に申請者が単独で作成して提出する「事業計画書」という書類はありません。事業計画の内容は、申請マイページとIT事業者ポータル上でIT導入支援事業者と共同で入力する情報です。とはいえ審査対象であることに変わりはなく、生産性向上の数値計画は重要です。書き方の考え方は事業計画と生産性向上の記事で解説しています。

申請マイページはIT導入支援事業者からの招待で開設します。自分だけでは申請を始められないため、パートナー選びが先です(IT導入支援事業者の選び方)。当社も登録IT導入支援事業者(申請番号ITP04-0002803)として申請サポートを行っています。

③ 交付決定前の契約・発注・支払いは厳禁

書類の話とセットで必ず押さえてほしいルールです。公募要領は「交付決定前に契約、発注、納品、支払い等を行った場合は、補助金を受けることができない」と明記しています。

手順2で「選定」とあるのはこのためです。ITツールを決めてベンダーと話を進めていても、契約書の締結・発注・導入作業・支払いは、交付決定の通知を受けてからです。「先に導入して後から申請すればよい」は、この補助金では通用しません。せっかく書類をそろえて申請が通っても、フライング契約が1つあるだけで全額が対象外になります。

交付決定後の進め方(契約・納品・支払いの順序)は交付決定後にやることの記事で詳しく解説しています。

④ 支払方法の制限|原則、銀行振込かクレジットカード1回払い

実績報告の証憑をそろえる前提として、支払方法そのものに制限があります。公募要領は、支払いの事実に関する客観性の担保のため、IT導入支援事業者への支払方法を原則、銀行振込及びクレジットカード1回払いのみとしています。

つまり、次の支払い方は補助金を受けられません

  • 現金払い(手渡しのほか、金融機関窓口・ATMからの現金振込も不可。必ず補助事業者名義の口座からの振込にする)
  • クレジットカードの分割払い・リボ払い
  • 補助事業者(申請者)名義でない口座からの支払い(代表者個人の口座から法人の経費を払う、家族名義の口座から払う等)

なお、「原則」とあるとおり例外が1つあり、口座振替による支払いも認められます。ただしその場合は、振込明細書に代わる「口座振替依頼書」と、通帳等で支払いの事実・金額・支払日が確認できる書類の提出が条件です。

特に注意したいのが名義の問題です。法人で申請したなら法人名義の口座・カードから、個人事業主なら事業主本人名義から支払ってください。当社のサポート経験では、経理を家族に任せている個人事業主の方が家族名義の口座から振り込んでしまいそうになるケースがありました。支払う前に名義を必ず確認してください。

⑤ 実績報告で必要になる書類(証憑)

交付決定を受けてITツールを契約・導入・支払いしたら、事務局に実績報告を行います。公募要領は「事業の実績報告時には以下の証憑類等を提出する必要があるため、適切に保管すること」として、次の書類を挙げています。

区分必要な書類
請求に係る書類請求書・請求明細書
支払いに係る書類銀行振込の場合:振込明細書、通帳の表紙と取引該当ページ等<br>クレジットカードの場合:カード利用明細
補助金の交付を受ける口座情報通帳の表紙+表紙裏面等(キャッシュカード不可・国内口座限定
ITツールの利用を証する資料ソフトウェア名や利用者が分かる画面キャプチャ

実務上のポイントを3つ挙げます。

  • 証憑は「後から取り寄せればよい」と考えない。ネットバンキングの振込明細は一定期間で照会できなくなる場合があります。振り込んだその場でPDF保存しておくのが確実です
  • 口座情報はキャッシュカードの写真では通りません。通帳を発行していないネット銀行の場合は、金融機関名・金融機関コード・支店名・支店番号・口座番号・口座名義人名(カナ含む)が確認できる画面を用意します。海外口座は使えません
  • 利用キャプチャは「誰が・何を使っているか」が写っていること。ログイン後の画面で、ソフトウェア名とアカウント名(利用者)が同時に確認できる状態で撮っておくとスムーズです

なお、そもそもどの費用が補助対象になるかは補助対象経費の記事で整理しています。

⑥ 書類は提出して終わりではない|5年間の保管義務

補助事業に係る書類は、実績報告で提出したら捨ててよいわけではありません。公募要領は、交付決定通知・契約書・注文書・納品書・請求書・振込受領書等、補助対象事業に係る全ての書類等の情報を、補助事業の完了(廃止の場合を含む)の日の属する年度終了後5年間保管し、検査の際には閲覧・提出等に協力することを義務付けています。

紙で保管する必要はなく、データで整理しておけば十分実務に耐えます。当社では、交付決定通知から振込記録まで補助事業ごとに1つのフォルダにまとめて保存する運用をおすすめしています。後年の検査や、翌年度以降に別の補助金を申請する際の実績資料としても役立ちます。

申請できる回数

交付申請期間中、中小企業・小規模事業者等(1法人・1個人事業主)当たり1申請のみです(交付決定についても同様)。なお、不採択となった場合や、交付決定後から補助金の交付を受けるまでに取下げをした場合は、次回以降の締切りまでに交付申請が可能とされています(詳しくは再申請時の減点の記事)。

ただし、同期間中に交付申請受付中のインボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)およびセキュリティ対策推進枠を申請し、交付決定及び補助金の交付を受けることは可能とされています。複数申請を行う場合はIT導入支援事業者と相談のうえ、公募要領の注意事項を確認してください。

その際、インボイス枠には過去の受給歴による対象外規定がある点に注意が必要です。インボイス枠公募要領「2-1-2 申請の対象外となる事業者」では、IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)、2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・商流一括インボイス対応類型)、2024・2025のインボイス枠で交付決定を受けた事業者は申請対象外と定められています。また、IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内はインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません。インボイス枠の制度内容はインボイス枠の解説記事をご覧ください。

なお、IT導入補助金2025の通常枠及び複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内にデジタル化・AI導入補助金2026の通常枠で申請することはできません。枠の選び方は通常枠とインボイス枠の比較記事で整理しています。

よくある質問

Q. GビズIDプライムはどのくらい前に申請すべきですか?

取得ルートによります(2026年8月時点)。マイナンバーカードによるオンライン申請なら最短で即日発行されますが、書類郵送申請は審査期間が従来の最大2週間から最大1か月に変更されています。書類郵送で取得する場合は締切の1か月半前、オンラインでも余裕を持って1〜2週間前には済ませてください。締切に間に合わなかった場合の救済はなく、事務局は「締切時間を過ぎた場合は、いかなる理由であっても受付対応は一切いたしかねます」としています。募集回ごとの締切は申請スケジュールの記事で確認できます。

Q. SECURITY ACTIONは一つ星と二つ星のどちらを選べばいいですか?

補助金の要件としてはどちらでも構いません。一つ星は「情報セキュリティ6か条」に取り組むことの宣言で、対策の実施前でも申し込めます。二つ星は自社診断を実施したうえで情報セキュリティ基本方針を策定・外部公開する宣言のため、準備が必要です。初めてであれば、事前準備なしで申し込める一つ星で足ります

Q. みらデジ経営チェックは必要ですか?

デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領(通常枠・インボイス枠)に、みらデジ経営チェックを必須とする記載はありません(2026年8月時点)。過去年度のIT導入補助金では事前手続きとされていた時期があるため、古い解説記事と混同しないようにしてください。必須の事前手続きはGビズIDプライムとSECURITY ACTIONの2つです。

Q. 履歴事項全部証明書の代わりに現在事項証明書ではだめですか?

公募要領は必要書類を「履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの)」と特定し、「代替書類は一切認められない」と明記しています。指定された書類を取得してください。

Q. 開業したばかりで確定申告をしていません。申請できますか?

確定申告書の控えと所得税の納税証明書は個人事業主の必須書類です。直近分が存在しない場合の取り扱いは公募要領に明文の規定がないため、申請前に事務局のコールセンター(0570-666-376、受付9:30〜17:30/土日祝・年末年始を除く)に確認してください。設立初年度で納税証明書を発行できない法人も同様です。創業間もない場合に使える他の制度もありますので、補助金かんたん診断もあわせてご利用ください。

Q. 確定申告書の控えに税務署の受付印(収受印)は必要ですか?

必要ありません。そもそも2025年以降、税務署では控えへの収受印の押なつが廃止されています。公募要領が定める受領確認は、①第一表の控えに受付番号と受付日時が印字されていること、②第一表の控え+受信通知(メール詳細)——のいずれかです。どちらも用意できない場合は、第一表の控え+同一年度の納税証明書(その2所得金額用)で充足できます。

Q. 税理士に確定申告を任せています。控えはどう用意しますか?

税理士の印のみが押印された書類は認められません。e-Tax(電子申告)であれば、受信通知(メール詳細)か受付情報が印字された控えを税理士から受け取ってください。顧問税理士に依頼する際は、受信通知まで含めて送ってもらうよう伝えるとスムーズです。書面申告などでどちらも用意できない場合は、前問のとおり納税証明書(その2所得金額用)との組み合わせで対応します。

Q. ITツールの代金を現金や分割払いで支払ってもいいですか?

補助金を受けられなくなります。支払方法は原則、銀行振込またはクレジットカード1回払いです。現金払い(金融機関窓口・ATMからの現金振込を含む)・分割払い・リボ払いは不可で、補助事業者(申請者)名義でない口座からの支払いも認められません。例外として口座振替は、口座振替依頼書と通帳等で支払いの事実が確認できることを条件に認められます。実績報告で振込明細やカード利用明細を証憑として提出するため、支払い時点で正しい方法・正しい名義になっている必要があります。

Q. 事業計画書は自分で作って提出するのですか?

独立した提出書類としての「事業計画書」はありません。事業計画の内容は、申請マイページとIT事業者ポータル上でIT導入支援事業者と共同で入力します。ただし審査対象なので、労働生産性の向上計画などの中身は重要です(事業計画の書き方の記事)。

Q. 書類はいつ取得するのがいいですか?

履歴事項全部証明書と住民票には「発行から3カ月以内」の期限があります。一方でGビズIDプライムは取得ルートによって最大1か月かかります。先にGビズIDとSECURITY ACTIONを進め、期限のある証明書類は申請直前に取得するのが失敗しにくい順番です。

まとめ

  • 全申請者の基本書類は法人3種・個人事業主4種。代替書類は認められず、該当者は追加様式も必要
  • 事前手続きはGビズIDプライムとSECURITY ACTIONの2つ。GビズIDはマイナンバーカードのオンライン申請なら最短即日、書類郵送は最大1か月(2026年8月時点)——取得ルートを先に決めて逆算する
  • 納税証明書は領収書ではなく「その1」か「その2」、確定申告書は受付番号の印字か受信通知で受領確認(受付印は要件ではない・税理士の印のみは不可
  • 交付決定前の契約・発注・納品・支払いは補助金を受けられない
  • 支払いは原則、銀行振込かクレジットカード1回払い(口座振替は条件付きで可)。実績報告で請求書類・支払証憑・口座情報・利用キャプチャを提出するため、証憑は事業実施中から保管する
  • 補助事業の全書類は完了年度終了後5年間の保管義務がある

自社のケースで補助額がいくらになるかは見積もりシミュレーターで試算できます。書類の準備や取得ルートの判断で迷ったら、登録IT導入支援事業者である当社の公式LINEからお気軽にご相談ください。

参考(一次情報)