農家・農業法人・林業や漁業の事業者が使う生産管理・作業日報・飼育管理・出荷管理のソフトは、補助対象になり得ます。制度は、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)です。対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールです。トラクターなどの農業機械、ドローン、環境センサー、カメラ、漁船の機器は、この補助金の対象になりません。

「営農管理アプリは対象?」「センサーとセットのサービスは?」「個人の農家でも申請できる?」というご相談は、確認する点がそれぞれ違います。この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公募要領の原文をもとに、農業・林業・漁業の事業者が何を、どの枠で導入できるかを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。

  • 通常枠:公募要領の別紙2に、農業・林業・漁業の業種固有プロセス「農P-06」があります。生産管理(生産・出荷・生育管理)、作業管理(日報・作業実績・出荷管理など)、飼育管理、設備管理、資産管理(農地・放牧地・養殖場など)が機能例です
  • 補助対象はソフトウェア・オプション・役務です。農機・ドローン・センサー・カメラなどの機器は対象外で、ソフトと機器が一体で切り分けられないサービスも注意が必要です
  • インボイス枠(インボイス対応類型):ソフトは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものに限られます。生産管理の機能だけでは、単独では要件を満たしません
  • 個人の農家は個人事業主として申請できます。農事組合法人・農業協同組合・漁業協同組合・森林組合も、公募要領に申請を受け付けた組織形態として載っています。ただし組合は小規模事業者に当たらないとされる場合があります(規模の判定)
  • 事業者の側にも条件があります。インボイス枠は過去の交付決定歴、通常枠は12カ月制限などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)

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農業・林業・漁業はIT導入補助金で何を導入できる?の記事でわかる3つのこと:農P-06(生産・出荷管理、作業日報、飼育管理、設備・資産管理)の対象範囲、農業機械・ドローン・センサーが対象外になる理由と、機器一体のサービスの注意点、個人の農家・農事組合法人・農協・漁協の規模の判定と、ほかの国の補助金との重複
図解:農業・林業・漁業はIT導入補助金で何を導入できる?で最初に押さえたい3つのポイント

農業・林業・漁業で対象になるもの・ならないもの

登録されたソフトであれば、生産・出荷管理、作業日報、飼育管理などは通常枠の対象になり得ます。農業機械やドローン、センサーなどの機器、ハウスや倉庫の工事は、通常枠でもインボイス枠でも対象外です。よく検討される導入物を公募要領の原文に沿って整理すると、次の表のとおりです。

導入したいもの通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
生産管理・生育管理・出荷管理(営農管理)のソフト対象になり得る(農P-06)「会計」「受発注」「決済」の機能を含む登録ソフトなら対象になり得る。生産管理の機能だけでは要件を満たしません
作業日報・作業実績・作業履歴の記録、集荷・仕分けの管理のソフト対象になり得る(農P-06)同上
天候・生育環境の記録、データの自動収集のソフト対象になり得る(農P-06)。センサーや計測機器そのものは対象外同上
畜産・養殖の飼育管理(血統・繁殖・体調・治療の記録)のソフト対象になり得る(農P-06)同上
農機・農業設備・漁船・運搬機器の管理、農地・放牧地・養殖場の管理のソフト対象になり得る(農P-06)同上
取引先からの受注・出荷先ごとの請求のソフト対象になり得る(共P-02)「受発注」「決済」などの機能を含むかを確認
資材・収穫物の在庫、出荷・配送の管理のソフト対象になり得る(共P-03)「受発注」などの機能を含むかを確認
会計・経理のソフト対象になり得る(共P-04)「会計」の機能として対象になり得る
直売所・農家レストランのPOSレジのソフト対象になり得る(共P-02 決済)「決済」の機能として対象になり得る。レジ本体は上限20万円・補助率1/2以内
トラクター・田植機などの農業機械、ドローン、環境センサー、カメラ、自動給水などの設備、漁船の機器、ハウス・倉庫の工事対象外(補助対象はソフトウェア・オプション・役務のみ)対象外(機器として対象になるのは、会計・受発注・決済のソフトを使うためのPC・タブレット等と、レジ・券売機に限られます)

この表は機能の分類を示したもので、特定の製品が対象になる保証ではありません。公募要領が定めるのは、どの機能がどのプロセスに分類されるかまでです。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。「営農管理アプリ」「スマート農業システム」のように製品の呼び名で考えるのではなく、その製品がどのプロセスで登録されているかで判断します。

申請できない事業者・使えない枠を先に確認

導入したいソフトが対象でも、申請する事業者が対象外に当たる場合は申請できません。農業・林業・漁業で特に確認が必要なのは、家族で複数の法人を持っている場合の「みなし同一法人」、過去の受給歴、ほかの国の補助金との重複の3つです。

通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)

公募要領2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。

  • 発行済株式の総数の2分の1以上を同一の大企業が所有している事業者など、大企業との資本関係が深い事業者((1)①〜⑤)。食品会社などが出資している農業法人は、出資比率と役員の兼任を確認します
  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者((1)⑥)
  • 「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません((2))。親会社が議決権の50パーセント超を有する子会社がある場合や、個人が複数の会社のそれぞれの議決権を50パーセント超保有する場合が該当します。代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者が同じ法人も該当します。配偶者・親子など生計を同一にしている者は全て同一の個人として扱われ、過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人も同様に扱われます
  • IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者((3))
  • 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者(通常枠は(6)、インボイス枠は(7))
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(通常枠は(8)(9)、インボイス枠は(9)(10))。法人格のない生産者グループなどの任意団体として申請することはできません

公募要領は、申請するすべての事業者に「製品・サービスの生産・提供など、生産活動に資する事業を行っていること」を求めています。導入するITツールも、生産性向上に資するものであることが必要です。

ほかの国の補助金と同じ事業は対象にできない

公募要領は申請要件として、国や中小機構などの独立行政法人の「他の補助金等と重複する事業については、補助事業の対象として含んでいないこと」を求めています(通常枠・インボイス枠とも 2-1-1(2)(キ))。

農業・林業・漁業では、国の農林水産関係の補助事業で機器とシステムをまとめて導入することがあります。同じシステムの費用を、この補助金とほかの国の補助金の両方に入れることはできません。ほかの補助金で入れたシステムとは別の業務・機能に絞るなど、費用の範囲を分けて整理してから申請します。

申請の単位と回数、12カ月制限

  • 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。親の個人経営と子の農業法人のように、生計を同一にする家族が経営する事業者は、みなし同一法人に当たる場合があります。通常枠の公募要領は、同じ期間中に他の枠(インボイス枠〔インボイス対応類型・電子取引類型〕、セキュリティ対策推進枠)も申請し、交付決定・交付を受けることは可能としています
  • ただし、デジタル化・AI導入補助金2026でもう一方の枠(通常枠から見ればインボイス枠〔インボイス対応類型・電子取引類型〕、インボイス枠から見れば通常枠)に申請している、または交付決定を受けている場合は、審査で減点措置の対象になります(公募要領 3-3(2)②)。複数申請で補助対象経費の二重計上が疑われると、交付決定の取消しや全額返還になる場合があります
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者も減点の対象です。前回と同じ機能(会計・受発注・決済)を持つITツールを導入する場合は、さらに減点されます。IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトウェアとプロセスが重複する場合も減点され、プロセスが完全に一致する場合は不採択です(公募要領 3-3(2)②)
  • IT導入補助金2024以降で賃金引上げ計画の加点を受けて採択され、加点要件を達成できなかった事業者も減点の対象です。持続化補助金(第15回公募以降)やものづくり補助金(第17次公募以降)など、中小企業庁が所管するほかの補助金で同じく加点を受けて採択され、加点要件を達成できなかった場合も対象です。やむを得ない理由によるものは除きます
  • IT導入補助金2025の通常枠および複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12カ月以内は2026の通常枠で申請できません。グループ構成員も含みます

インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外

インボイス枠の公募要領は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています(2-1-2(4))。

  • IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
  • IT導入補助金2024・2025のインボイス枠

IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)も、交付決定日から12カ月以内は2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません。

過去の補助金で会計ソフトや直売所のレジを入れた事業者は、インボイス枠の対象外に当たる場合があります。その場合は通常枠を検討することになりますが、通常枠にも12カ月制限があります。再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方で先に確認してください。

規模の判定:農業法人・個人の農家・組合で基準が違う

農業法人・個人の農家・組合の規模の判定の図解。主な項目:農業・林業・漁業は⑧その他の業種の基準が当てはまると考えられる、個人の農家は個人事業主として申請できる(書類は4種類)、農事組合法人・農協・漁協・森林組合は⑬の組合として判定、組合は小規模事業者に当たらず、インボイス枠の補助率は3/4以内
図解:農業法人・個人の農家・組合の規模の判定で押さえたいポイント

申請できる中小企業・小規模事業者等の範囲は、業種・組織形態ごとの資本金または常時使用する従業員数で決まります(公募要領 2-1-1(1))。農業・林業・漁業に関係する区分は次のとおりです。

業種分類・組織形態定義(公募要領の原文の要約)
⑧ その他の業種(①〜⑦以外)資本金3億円以下の会社、または従業員300人以下の会社及び個人事業主
③ サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く)資本金5千万円以下の会社、または従業員100人以下の会社及び個人事業主
④ 小売業資本金5千万円以下の会社、または従業員50人以下の会社及び個人事業主
⑬ 特別の法律によって設立された組合又はその連合会主たる業種(①〜⑧)に記載の従業員規模以下の者

公募要領の①〜⑦には、農業・林業・漁業の名前は挙がっていません。そのため、生産を主な事業とする事業者には⑧その他の業種の基準が当てはまると考えられます。直売所や農家レストランの売上が主になっている場合は、小売業やサービス業に当たる可能性もあります。業種の区分を考える際は、総務省統計局(e-Stat)の日本標準産業分類が参考になります(公募要領は、別紙2の業種固有プロセスの業種区分について、この分類を参照するよう示しています)。資本金と従業員数は「または」の関係なので、どちらか一方を満たせば足ります。

個人の農家は個人事業主として申請できる

個人で営農している方は、個人事業主として申請できます。日本国内に補助事業の実施場所があることが要件です。交付申請では、個人事業主の場合は次の4種類の書類が必要で、代替書類は認められません(公募要領 3-2(2))。

用途必要な書類
本人を確認するもの運転免許証(有効期限内のもの)、運転経歴証明書、または住民票(発行から3カ月以内のもの)
事業実態を確認するもの税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その1」または「その2」)
事業実態を確認するもの税務署が受領した直近分の確定申告書の控え
財務状況を確認するもの所得税の青色申告決算書または収支内訳書

確定申告書は令和7年(2025年)分が原則で、やむを得ない事情がある場合は令和6年分も提出できます。税務署が受領したことが分かるもの(第一表の控えに受付番号と受付日時が印字されている、または受信通知を添付できる)が求められます。この方法で受領を確認できない場合は、「確定申告書 第一表の控え」と同じ年度の「納税証明書(その2所得金額用)」を提出すれば、審査に必要な書類を満たせるとされています。税理士(税理士法人を含む)の印だけが押された書類は、添付資料として扱われません。

農事組合法人・農協・漁協・森林組合

公募要領には参考として、過去のIT導入補助金で申請を受け付けた主な組織形態が載っています。そのなかに、農事組合法人、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、森林組合、森林組合連合会、土地改良事業団連合会が含まれています。

これらの組合は、法律にもとづいて設立される組合として、⑬「特別の法律によって設立された組合又はその連合会」に当たると考えられます。⑬は資本金の基準がなく、主たる業種の従業員規模以下かどうかで判定します。どの区分に当たるかが分からない場合は、IT導入支援事業者を通じて事務局に確認してください。

小規模事業者の判定とインボイス枠の補助率

インボイス枠で補助率が上がる小規模事業者の定義は、公募要領で次の3区分です。

小規模事業者の区分常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

従業員5人以下ならどの区分でも小規模事業者に当たり、20人を超えればどの区分にも当たりません。6〜20人の事業者は区分によって結果が変わるため、IT導入支援事業者を通じて事務局に確認してから補助額を見積もってください。「常時使用する従業員」は、労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」を指し、会社役員と個人事業主は含みません。

組合は、従業員が少なくても小規模事業者に当たりません。公募要領は「『中小企業等の定義』における業種分類⑨~⑮に規定する組織形態の者については、小規模事業者に該当しない」としています。⑬に当たる組合がインボイス枠で申請する場合、ソフトの補助率は小規模事業者の4/5以内ではなく、3/4以内(2機能以上で補助額50万円超の部分は2/3以内)で計算します。

通常枠:農P-06と共通プロセスの数え方

通常枠で必要なプロセスの数は補助額で変わり、5万円〜150万円未満は1プロセス以上、150万円〜450万円以下は4プロセス以上です(公募要領 2-3)。

補助額必要なプロセス数
5万円〜150万円未満1プロセス以上
150万円〜450万円以下4プロセス以上

プロセスとは、公募要領の別紙2で、ITツールの機能を業務ごとに分類した区分です。共通プロセス(共P-01〜共P-05)、業種固有プロセス(各業種P-06)、汎用プロセス(汎P-07)の7種類があります。

業種固有プロセス(農P-06)

別紙2が農業・林業・漁業の業種固有プロセスとして挙げている機能例を、原文の表記で整理します。

機能のまとまり別紙2の機能例(原文)
生産管理生産管理(生産・出荷・生育管理)、自動データ収集、天候・生育環境記録等
作業管理作業管理(遠隔操作、日報、作業実績、資源量、履歴、集荷、仕分け、出荷管理等)
飼育管理飼育管理(血統、生育状況、繁殖、行動履歴、体調管理、治療等)
設備管理設備管理(農耕機械、農業設備、漁船、運搬機器、機材器具)
資産管理資産管理(農地、放牧地、養殖場、植生情報、保守履歴)

業種ごとの使い方に置き換えると、次のような機能が当たります。耕種農業なら、圃場ごとの作付け・作業記録・出荷量の管理です。畜産なら個体ごとの繁殖・体調・治療の記録、林業なら作業日報や資源量の管理が当たります。漁業・養殖では、漁船や養殖場の管理と出荷管理です。

機器は対象外:センサー・ドローン・農機との組み合わせに注意

「自動データ収集」「遠隔操作」「設備管理(農耕機械、農業設備、漁船…)」は、ソフトが持つ機能の分類です。センサー、カメラ、ドローン、自動操舵の装置、農業機械そのものの購入費が補助されるという意味ではありません。

別紙2は、カメラなどの情報を使うAI分析や無人受付システムについて、「ソフトウェアのみが対象であり、ハードウェア部分は対象外とする。また、ソフトウェアとハードウェアが一体となっており、切り分けが困難な場合も対象外とする」との注意点を付けています(共P-01)。環境センサーと閲覧アプリをセットにした月額サービスのように、機器とソフトの費用が分かれていない製品は、同じ考え方で補助対象になるかを確認する必要があります。見積書で、ソフトの費用と機器の費用が分かれているかを先に見てください。

共通プロセスで数えられる機能

農業・林業・漁業では、次の共通プロセスもよく使われます。

プロセス農業・林業・漁業に関係する機能例(別紙2の原文)
共P-01 顧客対応・販売支援CRM(顧客購買履歴及び対応履歴全社共有・顧客分析・販促・アフターケア機能)、予約受付台帳
共P-02 決済・債権債務・資金回収決済(POSレジ、券売機システム、多通貨対応)、発注・仕入管理、買掛・支払管理、受注・売上請求管理、売掛・回収管理、採算管理(売上分析、粗利管理)
共P-03 供給・在庫・物流取引条件管理(取引先、納入条件)、入出庫管理、実地棚卸管理、在庫分析、納品管理(納品先、納品期限、納品商品、配送状況確認等)、配送計画
共P-04 会計・財務・経営予算統制、資金繰り計画、仕訳、各種出納帳、総勘定元帳、財務三表、経費精算、管理会計、経営分析(詳しくは会計ソフトの記事)
共P-05 総務・人事・給与・労務…出退勤申請・管理、シフト作成、給与計算、電子契約、ワークフロー(詳しくは勤怠管理・給与計算ソフトの記事)
汎P-07 汎用・自動化・分析ツール文書証憑管理ソフト、OCR、グループウェア、WEB会議システム、RPA、チャットボット。ただし汎用プロセスだけを持つITツールは単独では申請できず、共P-01〜各業種P-06と組み合わせると1プロセスとして数えられます

別紙2には、共P-01の注意点もあります。CRMは「単なる顧客情報を保有・表示する機能」が対象外です。予約受付台帳は、店舗側で予約を管理する機能が対象で、顧客側画面を新規制作する費用はスクラッチ開発に当たり対象外です。収穫体験や農家民宿の予約を受けるページを新しく作る費用は、この対象外に当たります(ホームページの扱いはホームページ・ECサイトの記事で整理しています)。

プロセス数の数え方と賃上げ要件

  • プロセス数は、ITツールの機能が「どのプロセスに分類されるか」で数えます。たとえば営農管理の製品が農P-06(生産・出荷管理)・共P-02(受注・売上請求管理)・共P-03(在庫管理)にまたがる登録なら、3プロセスです。どのプロセスで登録されているかは、公式のITツール検索で確認できます
  • 150万円未満で申請する場合は、1プロセス以上の要件で足ります
  • 150万円以上で申請する場合は、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です。賃上げ要件は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上と、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることです
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者は、150万円未満でも賃金引上げ計画が必須です。計画の水準は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上です(公募要領 2-1-1(テ)(ト)(ナ))
  • 7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降)では、上の賃上げ要件に「1年後に1人当たり給与支給総額を3%以上(交付決定歴のある事業者は3.5%以上)向上させること」が加わります。1年度目も達成・未達成を判断しますが、未達成でも補助金の返還は求めないとされています
  • 賃金引上げ計画の要件が適用外になる事業者は、公募要領で4つに限られています(通常枠 2-1-1(ニ))。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校です。農業・林業・漁業の事業者はこれに当たらず、一般の事業者と同じ要件です

通常枠にハードウェアの区分はありません

通常枠の補助対象は、大分類Ⅰ「ソフトウェア」、大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」の3つです。農業機械、ドローン、センサー、PCなどの機器は、通常枠の補助対象に含まれていません。ソフトのクラウド利用料は最大2年分、オプションの機能拡張は最大1年分、保守サポートは最大2年分が補助対象です。役務(導入コンサルティング・導入設定・保守サポートなど)の補助対象経費は200万円が上限です。

補助率の2/3の条件

通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(原文)。

令和7年10月から令和8年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

受付を終了した6次締切(2026年10月30日)までの公募要領では、期間と基準が次のとおりでした(原文)。

令和6年10月から令和7年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

この2/3以内の補助率は、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置で、賃上げ要件の達成とは別の基準です。適用を受ける場合は、賃金状況報告シートを追加で提出します。収穫期にパート・アルバイトが増える事業者は、月ごとに従業員の構成が変わるため、賃金台帳で月ごとの割合を確かめて判断します。

インボイス枠の要件と補助額:会計・受発注・決済の機能が必要

インボイス枠の要件と補助額の図解。主な項目:「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むソフトが要件、1機能は〜50万円、2機能以上は〜350万円、補助率は補助額50万円で区切る(50万円超の部分は2/3以内)、PC・タブレット等は〜10万円、レジは〜20万円。農機・センサーは対象外
図解:インボイス枠の要件と補助額で押さえたいポイント

インボイス枠(インボイス対応類型)で対象になるソフトは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものです。公募要領2-2(3)の原文は次のとおりです。

カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある

農業・林業・漁業では、会計ソフトや、飲食店・小売店などへの直接販売の受発注・請求のソフト、直売所のレジのソフトが、この要件に当たり得ます。補助額と補助率は次のとおりです(公募要領 2-3)。

項目補助額補助率
ソフト購入費・導入関連費(会計・受発注・決済のうち1機能)〜50万円3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
ソフト購入費・導入関連費(会計・受発注・決済のうち2機能以上)〜350万円補助額50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、補助額50万円超の部分は2/3以内
PC・タブレット等〜10万円1/2以内
レジ・券売機〜20万円1/2以内

役務(導入設定、研修、保守サポートなど)の補助対象経費は200万円が上限です。オプション・役務・ハードウェアを申請できるのは、ソフトとあわせて交付申請する場合に限られます。ハードウェアだけを単独で申請することはできません(公募要領 2-2(3)(イ))。

ハードウェアには、公募要領2-2【補足2】に次の条件があります。

  • PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機は、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトとあわせて導入する場合に限り対象です。対象は、そのソフトを継続的に利用するのに「必要最低限の機器一式」です
  • 購入先は、ソフトの購入先として選んだIT導入支援事業者に限られます
  • プリンター・スキャナーは、「文書の印刷あるいはスキャン機能を主とし、一般的にプリンター・複合機と呼称される製品」が対象です
  • 価格は経済的合理性があり、市場価格を逸脱していないことが必要です

圃場で作業記録を入力するためのタブレットは、会計・受発注・決済のソフトを使うための「必要最低限の機器一式」とは別の用途です。作業員の人数分の端末をこの枠で申請することはできないと考えて、事務所で会計・受発注のソフトを使う端末に限って検討してください。

試算例:補助額の計算の仕方

以下は、公募要領の補助率・上限額の計算の仕方を示すための仮の金額での例です(実際の補助額は、登録された製品の価格・機能数・事業者の区分で変わります)。

仮定計算
家族経営で従業員2人の個人農家が、会計の機能1つの登録ソフト(補助対象経費20万円)を導入(インボイス枠)従業員5人以下なので、どの区分でも小規模事業者に当たり4/5以内。20万円×4/5=16万円が上限の目安
従業員30人の農業法人が、受発注・決済の2機能を持つ登録ソフト(補助対象経費100万円)を導入(インボイス枠)小規模事業者に当たらないため、補助額50万円以下の部分は3/4以内、50万円超の部分は2/3以内。経費約66.7万円×3/4=50万円、残りの経費約33.3万円×2/3=約22.2万円で、合計約72.2万円が上限の目安
農業法人が生産・出荷管理の登録ソフト(補助対象経費60万円)を導入(通常枠・補助率1/2以内)60万円×1/2=30万円が上限の目安。補助額が150万円未満なので1プロセス以上で足ります

インボイス枠の補助率の段階は、経費ではなく「補助額50万円」で区切ります。経費50万円までを3/4で計算すると、補助額を少なく見積もってしまいます。補助金は事務局から補助事業者に直接支払われ、残りの費用は事業者が負担します。

補助対象外になる費用

公募要領は、次の費用を補助対象外としています(通常枠・インボイス枠の公募要領 2-2(4))。

  • 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの(補助事業者にとっての売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
  • 交通費、宿泊費
  • 補助金申請・報告にかかる申請代行費
  • 公租公課(消費税)
  • 交付申請時にITツールの利用金額が定められないもの
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品
  • 交付決定前に購入したITツール

農業・林業・漁業では、次のような進め方で補助対象外になる例が起きやすくなります。

  • 圃場の数や頭数で月額が変わるソフトで、交付申請時に利用金額を確定させていない。公募要領は「交付申請時において、ITツールの利用金額が定められないもの」を対象外としています
  • センサーや機器とソフトをレンタル契約でまとめて導入している(リース・レンタル契約のITツールは対象外です)
  • 作付けや収穫の時期に間に合わせようと、交付決定前にソフトの契約や支払いを済ませてしまう

機器・施設や販路開拓に使える制度

農業機械・ドローン・センサー、ハウスや加工場の設備は、この補助金の対象外です。農林水産業向けの機器・施設の補助は、国(農林水産省)や都道府県・市町村が実施していることが多いため、地域の制度を確認します。自社に合う制度の候補は補助金かんたん診断や都道府県別の補助金一覧で探せます。

加工品の販売や農家レストランなど、販路開拓の取組には小規模事業者持続化補助金が候補になります。ただし、農業者の扱いには公募要領で次の定めがあります。

区分持続化補助金(一般型 通常枠 第20回)の扱い
系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)補助対象にならない者とされています
農事組合法人、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)補助対象にならない者とされています
個人農業者が農作物の加工や、農作物を用いた料理の提供などを行う事業その加工や料理の提供などに必要な経費は補助対象。農作物の生産自体に必要な経費は補助対象外

持続化補助金の第20回は、申請受付締切が2026年12月15日(火)17:00です(商工会議所地区)。補助上限・小規模事業者の定義・申請の流れは持続化補助金 第20回の記事にまとめています。持続化補助金でどの経費が対象になるか、自社が申請条件に合うかは、当社がご提案します。同じ取組で複数の補助金を使う場合は、同じ経費を重ねて申請しないように、費用の範囲を分けて整理しておきます。

賃上げ要件・労働生産性の目標と加点項目

農業・林業・漁業で見落としやすいのは、過去の交付決定歴によって必須になる賃上げの計画と、労働生産性の目標です。加点項目の全体像は加点項目一覧で整理しています。

  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者は、賃金引上げ計画が申請要件(必須)です。通常枠の150万円未満の申請でも、インボイス枠の申請でも同じです。1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の計画を策定し、従業員に表明します(通常枠・インボイス枠とも 2-1-1)。7次締切からは、1年後に3.5%以上向上させる要件も加わります
  • 賃上げの計画は、従業員への表明まで行う必要があります。表明したと申告したのに実際は表明していないことが交付決定後に分かった場合、事務局は交付決定の取消しを行います。また、賃上げ要件を事業計画終了時点で達成できなかった場合(期間内に報告しなかった場合を含む)は、補助金の返還を求められます
  • 通常枠で150万円以上を申請した場合は、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする要件も返還の対象です。効果報告時の直近月で未達なら、補助金の全部または一部の返還を求められます。付加価値額増加率が年平均成長率1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還を求めません(通常枠 2-1-1【補足1】ケース1)
  • 労働生産性の目標を満たす3年間の事業計画を策定する必要があります(通常枠 2-1-1(ク))。目標は、1年後に3%以上、事業計画期間の年平均成長率3%以上です。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)、IT導入補助金2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は4%以上になります。天候で収量が大きく変わる事業では、計画の前提を保守的に置いておきます。詳しくは労働生産性要件の記事をご覧ください

農業・林業・漁業で枠を選ぶ目安

生産・作業・飼育の管理を中心に入れるなら通常枠、会計や直接販売の受発注・請求をインボイス制度に対応させるならインボイス枠が目安です。

状況検討の方向
生産・出荷管理、作業日報のソフトを入れたい通常枠。農P-06を含む登録ソフトか、ITツール検索で確認
畜産・養殖の飼育管理のソフトを入れたい通常枠。農P-06を含む登録ソフトか確認
センサー・カメラとセットのサービスを入れたい通常枠。機器の費用は対象外。ソフトと機器の費用が分かれているかを見積書で確認
生産管理と受発注・在庫・会計をまとめて入れ、補助額150万円以上で申請したい通常枠。4プロセス以上と賃上げ要件が必須
会計・直接販売の受発注・直売所のレジをインボイス制度に対応させたいインボイス枠。「会計」「受発注」「決済」の機能を持つ登録ソフトが要件。PC・タブレットは上限10万円、レジは上限20万円
農業機械・ドローン・センサーを買いたい、ハウスや加工場を整備したいこの補助金の対象外。ほかの制度を確認
過去にインボイス枠などで交付決定を受けているインボイス枠は対象外の場合あり。通常枠の12カ月制限なども確認

出荷・配送を自社で行う事業者は運送業・物流・卸売業の記事、食品の加工を行う事業者は製造業・建設業の記事も参考になります。直売所・農家レストランを営む事業者は飲食店・小売店の記事もご覧ください。枠の考え方の全体像は通常枠とインボイス枠の選び方にまとめています。

申請の流れ:検討するときの確認手順

申請を検討するときの確認手順の図解。主な項目:対象外の事業者・みなし同一法人・12カ月制限を確認する、規模と組織形態、ほかの国の補助金との重複を確認する、製品の登録とプロセスをITツール検索で確認する、交付決定前に発注・契約・支払いをしない
図解:申請を検討するときの確認手順で押さえたいポイント

申請を検討するときは、申請できる事業者かどうかの確認から始め、次の順に進めます。交付決定までは、発注・契約・支払いをしないことが前提です。

  1. 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限。家族で複数の法人を持っている場合は「みなし同一法人」も)。GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言、交付申請の直近月に事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上であること(収穫期のパート・アルバイトを含む)も申請要件です。GビズIDプライムは申請方法によって発行までに日数がかかります(取得の手順はGビズIDプライムの取得方法)
  2. 業種・組織形態と規模を確認する。組合は⑬に当たるか、小規模事業者に当たらないことも確認します。個人の農家は、受付の印字がある確定申告書の控えと納税証明書を用意します
  3. ほかの国の補助金で同じシステムを入れていないか確認する(重複の禁止)
  4. 使う枠を決める。生産・作業の管理を中心に入れるなら通常枠、会計・受発注・決済をインボイス制度に対応させるならインボイス枠です
  5. 導入したい製品が登録済みか、公式のITツール検索で確認する。どのプロセスに登録されているかも見ておきます
  6. 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
  7. 見積書に、利用金額が決まらない従量課金、レンタル契約、センサーなどの機器、申請代行費が混ざっていないか確認する

補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。登録の有無や対象になるかのご質問は、公式LINEでも受け付けています。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかで、農業・林業・漁業の導入で起きやすいつまずきは次の4つです。

  • 営農管理のソフトと一緒に、環境センサーやドローンも補助されると考えていた。通常枠はソフトウェアだけが対象で、インボイス枠の機器も会計・受発注・決済のソフトを使うための必要最低限の機器に限られます
  • 農事組合法人なので、従業員が少なければ小規模事業者の補助率(4/5以内)になると見積もっていた。⑨〜⑮の組織形態は小規模事業者に当たらないため、インボイス枠のソフトの補助率は3/4以内(補助額50万円超の部分は2/3以内)です
  • 親の個人経営と子の農業法人で、それぞれ申請できると考えていた。生計を同一にしている者は同一の個人として扱われ、みなし同一法人に当たれば申請できるのは1者です
  • 個人の確定申告を紙で出していて、控えに受付番号と受付日時の印字がなかった。公募要領は、税務署が受領したことが分かる控えを求めています。確認できない場合は、同じ年度の納税証明書(その2所得金額用)をあわせて提出します

締切日と交付決定日(2026年10月25日確認)

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)は、公式の事業スケジュールで次の日程が公表されています。

締切回締切日時交付決定日事業実施期間・事業実績報告期限
6次締切分(受付終了)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)(予定)交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
7次締切分2026年12月1日(火)17:002027年1月19日(火)(予定)交付決定〜2027年7月30日(金)17:00(予定)
8次締切分2027年1月7日(木)17:002027年2月17日(水)(予定)交付決定〜2027年8月31日(火)17:00(予定)

1次〜5次締切分は受付を終了しています。6次締切は本記事の公開日と同じ2026年10月30日(金)17:00のため、これから準備を始める場合は7次締切(2026年12月1日(火)17:00)か8次締切(2027年1月7日(木)17:00)が目安です。7次締切分からは、補助率2/3の判定期間と賃上げ要件が上で説明したとおり変わります。8次締切分は2026年10月29日に追加公表されました。公式スケジュールは「確定している募集回のスケジュールのみ公表」とされているため、9次以降の有無・日程は公式サイトで確認してください。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。全募集回の日程はスケジュールの記事にまとめています。

よくある質問

Q. 営農管理アプリや作業日報のアプリは対象ですか?

登録済みのソフトであれば、通常枠の対象になり得ます。別紙2の農P-06に、生産管理(生産・出荷・生育管理)と作業管理(日報・作業実績・履歴・出荷管理など)が機能例として載っています。インボイス枠で申請する場合は、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を含むことが必要です。

Q. ドローンや環境センサー、自動操舵の装置も補助されますか?

いいえ、補助されません。通常枠の補助対象はソフトウェア・オプション・役務の3つです。インボイス枠の機器も、会計・受発注・決済のソフトを使うためのPC・タブレット等と、レジ・券売機に限られます。センサーのデータを記録・分析するソフトの部分は、登録されていれば農P-06として対象になり得ます。

Q. 個人の農家でも申請できますか?

はい、個人事業主として申請できます。GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言などの申請要件は会社と同じです。交付申請では、本人確認書類、所得税の納税証明書(その1またはその2)、受付の印字がある確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書の4種類が必要です。

Q. 農事組合法人や農協、漁協は申請できますか?

公募要領には、過去に申請を受け付けた組織形態として、農事組合法人・農業協同組合・漁業協同組合・森林組合などが載っています。規模は、主たる業種の従業員規模以下かで判定します。⑨〜⑮の組織形態は小規模事業者に当たらないため、インボイス枠のソフトの補助率は3/4以内(補助額50万円超の部分は2/3以内)で見積もります。

Q. 国の農業関係の補助金で入れたシステムに、この補助金で機能を足せますか?

同じ事業・同じ費用を重ねることはできません。公募要領は、国や独立行政法人の他の補助金等と重複する事業を、補助事業の対象に含めないことを申請要件にしています。別の業務の機能として切り分けられるかを、IT導入支援事業者と整理してから判断します。

まとめ

  • 農業・林業・漁業の業種固有プロセスは農P-06で、生産管理・作業管理(日報・出荷管理)・飼育管理・設備管理・資産管理(農地・養殖場など)が機能例です
  • 農業機械・ドローン・センサー・カメラ・ハウスの工事は補助対象外です。ソフトと機器が一体で切り分けられない製品も注意が必要です
  • 個人の農家は個人事業主として申請できます。受付の印字がある確定申告書の控えなど4種類の書類が必要です
  • 農事組合法人・農協・漁協・森林組合は⑬の組合として判定すると考えられ、小規模事業者には当たりません
  • ほかの国の補助金と同じ事業・費用は対象にできません
  • 7次締切(2026年12月1日)からは、補助率2/3の判定期間と賃上げ要件が変わります

補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。業種別では運送業・物流・卸売業、製造業・建設業の記事も、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。

参考(一次情報)

※本記事は2026年10月25日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツール検索の登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。