学習塾・英会話教室・プログラミング教室・習い事教室などが使う生徒管理・月謝管理・保護者連絡のソフトは、補助対象になり得ます。制度は、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)です。対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールです。生徒に貸し出すタブレット、電子黒板、プロジェクター、入退室用のICカードリーダーなどの機器は、この補助金の対象になりません。

「塾の管理システムは対象?」「映像授業のサービスも入れられる?」「生徒用のタブレットも買える?」というご相談は、確認する点がそれぞれ違います。この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の公募要領の原文をもとに、学習塾・スクールが何を、どの枠で導入できるかを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。

  • 通常枠:公募要領の別紙2に、教育・学習支援業の業種固有プロセス「教P-06」があります。生徒管理、教室管理、教材・テスト、映像教育、保護者コミュニケーション、校務支援(月謝管理・講師管理)などが機能例です
  • 映像教育・教育コンテンツには注意点があります。コンテンツ利用料を補助事業者が顧客に請求する場合は対象外です
  • インボイス枠(インボイス対応類型):ソフトは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものに限られます。生徒管理の機能だけでは、単独では要件を満たしません
  • 学校教育法に基づく学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校は、賃金引上げ計画の申請要件が適用外です。一般の学習塾や習い事教室は、この適用外に当たりません
  • 事業者の側にも条件があります。インボイス枠は過去の交付決定歴、通常枠は12カ月制限などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)

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学習塾・スクール・習い事教室はIT導入補助金で何を導入できる?の記事でわかる3つのこと:教P-06(生徒管理・月謝管理・保護者連絡・映像教育)の対象範囲、生徒用タブレット・電子黒板が対象外になる理由と、映像教材の利用料を生徒に請求する場合の注意点、学校・専修学校・各種学校が賃上げ要件の適用外になる条件と、学習塾が当たらない理由
図解:学習塾・スクール・習い事教室はIT導入補助金で何を導入できる?で最初に押さえたい3つのポイント

学習塾・スクールで対象になるもの・ならないもの

登録されたソフトであれば、生徒管理・月謝管理・保護者連絡などは通常枠の対象になり得ます。生徒用の端末、教室の機器、内装工事は、通常枠でもインボイス枠でも対象外です。よく検討される導入物を公募要領の原文に沿って整理すると、次の表のとおりです。

導入したいもの通常枠インボイス枠(インボイス対応類型)
生徒管理(基本情報・受講進捗・学習時間の分析・面談記録)のソフト対象になり得る(教P-06)「会計」「受発注」「決済」の機能を含む登録ソフトなら対象になり得る。生徒管理の機能だけでは要件を満たしません
月謝管理・講師管理・運営管理(校務支援)のソフト対象になり得る(教P-06)同上
教室割当・残席管理、時間割・教材の作成、テスト・検定の作成支援対象になり得る(教P-06)同上
保護者への連絡、登下校・入退室の通知(見守りシステム等)のソフト対象になり得る(教P-06)同上
映像授業・デジタル教材・ドリル教材のサービス対象になり得る(教P-06)。ただしコンテンツ利用料を顧客に請求する場合は対象外同上
体験授業・面談の予約管理のソフト対象になり得る(共P-01 予約受付台帳)同上
月謝の請求・入金消込のソフト対象になり得る(共P-02)「会計」「決済」などの機能を含むかを確認
会計・経理のソフト対象になり得る(共P-04)「会計」の機能として対象になり得る
講師の勤怠・シフト・給与計算のソフト対象になり得る(共P-05)「会計」「受発注」「決済」の機能を含むかを確認
オンライン授業に使うWEB会議システム汎用プロセス(汎P-07)。単独では申請できず、ほかのプロセスと組み合わせると1プロセスとして数えられる「会計」「受発注」「決済」の機能を含むかを確認
生徒用のタブレット・PC、電子黒板、プロジェクター、ICカードリーダー、教室の内装工事対象外(補助対象はソフトウェア・オプション・役務のみ)対象外(機器として対象になるのは、会計・受発注・決済のソフトを使うためのPC・タブレット等と、レジ・券売機に限られます)

この表は機能の分類を示したもので、特定の製品が対象になる保証ではありません。公募要領が定めるのは、どの機能がどのプロセスに分類されるかまでです。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。「塾管理システム」「スクール管理アプリ」のように製品の呼び名で考えるのではなく、その製品がどのプロセスで登録されているかで判断します。

申請できない事業者・使えない枠を先に確認

導入したいソフトが対象でも、申請する事業者が対象外に当たる場合は申請できません。学習塾・スクールで特に確認が必要なのは、フランチャイズ本部や大手企業との資本関係、教室ごとに法人を分けている場合の「みなし同一法人」、過去の受給歴の3つです。

通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)

公募要領2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。

  • 発行済株式の総数の2分の1以上を同一の大企業が所有している事業者など、大企業との資本関係が深い事業者((1)①〜⑤)。大手の教育会社が出資している運営会社は、出資比率と役員の兼任を確認します
  • 確定している(申告済みの)直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者((1)⑥)
  • 「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません((2))。親会社が議決権の50パーセント超を有する子会社がある場合や、個人が複数の会社のそれぞれの議決権を50パーセント超保有する場合が該当します。代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者が同じ法人も該当します。配偶者・親子など生計を同一にしている者は全て同一の個人として扱われ、過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人も同様に扱われます
  • IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者((3))
  • 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者(通常枠は(6)、インボイス枠は(7))
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークルなど)(通常枠は(8)(9)、インボイス枠は(9)(10))。宗教法人が設置する幼稚園のように、申請者が宗教法人になる場合は申請できません。保護者会やサークルとして運営している教室も、法人格がなければ対象外です

公募要領は、申請するすべての事業者に「製品・サービスの生産・提供など、生産活動に資する事業を行っていること」を求めています。導入するITツールも、生産性向上に資するものであることが必要です。

申請の単位と回数、12カ月制限

  • 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。教室ごとに別の法人にしていても、みなし同一法人に当たれば申請できるのは1社です。通常枠の公募要領は、同じ期間中に他の枠(インボイス枠〔インボイス対応類型・電子取引類型〕、セキュリティ対策推進枠)も申請し、交付決定・交付を受けることは可能としています
  • ただし、デジタル化・AI導入補助金2026でもう一方の枠(通常枠から見ればインボイス枠〔インボイス対応類型・電子取引類型〕、インボイス枠から見れば通常枠)に申請している、または交付決定を受けている場合は、審査で減点措置の対象になります(公募要領 3-3(2)②)。複数申請で補助対象経費の二重計上が疑われると、交付決定の取消しや全額返還になる場合があります
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者も減点の対象です。前回と同じ機能(会計・受発注・決済)を持つITツールを導入する場合は、さらに減点されます。IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトウェアとプロセスが重複する場合も減点され、プロセスが完全に一致する場合は不採択です(公募要領 3-3(2)②)
  • IT導入補助金2024以降で賃金引上げ計画の加点を受けて採択され、加点要件を達成できなかった事業者も減点の対象です。やむを得ない理由によるものは除きます
  • IT導入補助金2025の通常枠および複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12カ月以内は2026の通常枠で申請できません。グループ構成員も含みます

インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外

インボイス枠の公募要領は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています(2-1-2(4))。

  • IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
  • IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
  • IT導入補助金2024・2025のインボイス枠

IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)も、交付決定日から12カ月以内は2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません。

過去の補助金で会計ソフトや月謝の請求ソフトを入れた塾・スクールは、インボイス枠の対象外に当たる場合があります。その場合は通常枠を検討することになりますが、通常枠にも12カ月制限があります。再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方で先に確認してください。

事業者の規模:学習塾の会社と学校法人で基準が違う

申請できる中小企業・小規模事業者等の範囲は、業種・組織形態ごとの資本金または常時使用する従業員数で決まります(公募要領 2-1-1(1))。学習塾・スクールに関係する区分は次のとおりです。

業種分類・組織形態定義(公募要領の原文の要約)
サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く)資本金5千万円以下の会社、または従業員100人以下の会社及び個人事業主
その他の業種(上記以外)資本金3億円以下の会社、または従業員300人以下の会社及び個人事業主
学校法人従業員300人以下の者
一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人、NPO法人その主たる業種の区分に記載の従業員規模以下の者

公募要領は、学習塾やスクールがどの業種分類に当たるかを個別には書いていません。業種の区分を考える際は、総務省統計局(e-Stat)の日本標準産業分類が参考になります(公募要領は、別紙2の業種固有プロセスの業種区分について、この分類を参照するよう示しています)。サービス業とその他の業種のどちらに当たっても、資本金5千万円以下または従業員100人以下の会社なら対象です。資本金と従業員数は「または」の関係なので、どちらか一方を満たせば足ります。個人で教室を開いている先生は、個人事業主として申請できます。

インボイス枠で補助率が上がる小規模事業者の定義は、公募要領で次の3区分です。

小規模事業者の区分常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

従業員5人以下ならどの区分でも小規模事業者に当たり、20人を超えればどの区分にも当たりません。6〜20人の塾・スクールは区分によって結果が変わるため、IT導入支援事業者を通じて事務局に確認してから補助額を見積もってください。「常時使用する従業員」は、労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」を指し、会社役員と個人事業主は含みません。

学校法人・社団法人・財団法人・NPO法人は、小規模事業者に当たりません。公募要領は「『中小企業等の定義』における業種分類⑨~⑮に規定する組織形態の者については、小規模事業者に該当しない」としています。学校法人がインボイス枠で申請する場合、ソフトの補助率は小規模事業者の4/5以内ではなく、3/4以内(2機能以上で補助額50万円超の部分は2/3以内)で計算します。

学校・専修学校・各種学校は賃金引上げ計画の要件が適用外

賃金引上げ計画の要件が適用外になる事業者の図解。主な項目:学校教育法に基づく学校・専修学校が適用外、各種学校は修業年限が1年以上などの一定の要件を満たすもの、一般の学習塾・習い事教室は適用外に当たらない、通常枠150万円以上の4プロセス以上と、労働生産性の目標は残る
図解:賃金引上げ計画の要件が適用外になる事業者で押さえたいポイント

学校教育法に基づく学校・専修学校と、一定の要件を満たす各種学校は、賃金引上げ計画の申請要件が適用外です(通常枠 2-1-1(ニ)、インボイス枠 2-1-1(テ))。適用外になる事業者は、公募要領で次の4つと定められています(原文)。

一 健康保険法、国民健康保険法、労災保険及び自賠責保険の対象となる医療等の社会保険医療の給付等を行う保険医療機関及び保険薬局
二 介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービスや施設サービスを提供する介護サービス事業者
三 社会福祉法に基づく第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業及び更生保護事業法に規定する更生保護事業を行う事業者
四 学校教育法に基づく学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校

教育の分野で関係するのは「四」です。適用外になるのは、賃上げの計画を申請の必須要件とする規定で、ほかの要件は残ります。

要件一般の事業者(学習塾・習い事教室を含む)学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校
通常枠で補助額150万円以上のときの賃金引上げ計画(1人当たり給与支給総額の年平均3%以上〔7次締切からは1年後3%以上も〕・事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上・従業員への表明)((ト))必須適用外
IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者の賃金引上げ計画(1人当たり給与支給総額の年平均3.5%以上など。7次締切からは1年後3.5%以上も)(通常枠(テ)(ナ)、インボイス枠(ツ))必須適用外
通常枠で補助額150万円以上のときの4プロセス以上必須必須(適用外の規定はない)
通常枠の労働生産性の目標(1年後3%以上・年平均成長率3%以上。過去の受給歴により4%以上)((ク))必須必須(適用外の規定はない)

学習塾・英会話教室・習い事教室は適用外に当たらない

適用外になるのは、学校教育法に基づく学校・専修学校と、各種学校のうち「修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす」ものです。学校教育法上の学校・専修学校・各種学校として認可を受けていない学習塾や英会話教室、習い事教室は、この「四」に当たりません。一般の事業者と同じく、補助額150万円以上の通常枠の申請や、過去の交付決定歴がある場合には、賃金引上げ計画が必須です。

学校法人が運営していても、適用外に当たるかは、運営する施設が学校・専修学校・各種学校の要件を満たすかで考えます。各種学校の認可を受けているスクールで「一定の要件」を満たすか分からない場合は、申請前にIT導入支援事業者を通じて事務局に確認してください。賃上げの加点の仕組みと未達のときの扱いは賃上げ加点と返還の記事で整理しています。

通常枠:教P-06と共通プロセスの数え方

通常枠で必要なプロセスの数は補助額で変わり、5万円〜150万円未満は1プロセス以上、150万円〜450万円以下は4プロセス以上です(公募要領 2-3)。

補助額必要なプロセス数
5万円〜150万円未満1プロセス以上
150万円〜450万円以下4プロセス以上

プロセスとは、公募要領の別紙2で、ITツールの機能を業務ごとに分類した区分です。共通プロセス(共P-01〜共P-05)、業種固有プロセス(各業種P-06)、汎用プロセス(汎P-07)の7種類があります。

業種固有プロセス(教P-06)

別紙2が教育・学習支援業の業種固有プロセスとして挙げている機能例を、原文の表記で整理します。

機能のまとまり別紙2の機能例(原文)
生徒管理生徒管理(基本情報管理、学習・受講進捗管理、学習時間 分析、目標達成率分析、学習計画策定、学習利用率、動画視聴状況、面談記録)
教室・施設教室管理(教室割当・残席)、施設・設備管理
教材・テスト教材・スケジュール作成、教材・備品管理、テスト・検定(問題作成支援・管理)
映像・コンテンツ映像教育、教育コンテンツ、ドリル教材(注意点:コンテンツ利用料を補助事業者が顧客に請求する場合は、対象外とする。)
授業支援共同学習、画面共有・モニタリング・一斉画面コントロール
保護者・安全保護者コミュニケーション(登下校・連絡)、登下校時防犯対策(見守りシステム等)
運営校務支援(月謝管理、講師管理、運営管理)、複数店舗・FC・代理店管理

「登下校時防犯対策(見守りシステム等)」や「施設・設備管理」は、ソフトが持つ機能の分類です。入退室の打刻に使うICカードリーダーや防犯カメラなどの機器の購入費が補助されるという意味ではありません。「一斉画面コントロール」も、生徒の端末を管理するソフトの機能で、生徒用のタブレットそのものは対象外です。

映像授業・デジタル教材の注意点:利用料を生徒に請求する形は対象外

映像教育・教育コンテンツ・ドリル教材には、別紙2に「コンテンツ利用料を補助事業者が顧客に請求する場合は、対象外とする」という注意点が付いています。補助対象外経費の規定(公募要領 2-2(4)(ア))にも、「補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの」があります。

たとえば、映像授業のサービスの利用料を「映像授業費」「教材費」として生徒・保護者から受け取る料金体系は、この注意点に当たるおそれがあります。月謝に含めて一律に提供する場合も含め、自社の料金体系で対象になるかは、申請前にIT導入支援事業者に確認してください。

共通プロセスで数えられる機能

塾・スクールでは、次の共通プロセスもよく使われます。

プロセス塾・スクールに関係する機能例(別紙2の原文)
共P-01 顧客対応・販売支援CRM(顧客購買履歴及び対応履歴全社共有・顧客分析・販促・アフターケア機能)、予約受付台帳、MA(潜在顧客属性情報及び行動履歴収集、分析、リード管理)
共P-02 決済・債権債務・資金回収受注・売上請求管理、売掛・回収管理、採算管理(売上分析、粗利管理)、決済(POSレジ、券売機システム、多通貨対応)
共P-04 会計・財務・経営仕訳、各種出納帳、総勘定元帳、財務三表、経費精算、管理会計、経営分析(詳しくは会計ソフトの記事)
共P-05 総務・人事・給与・労務…出退勤申請・管理、シフト作成、給与計算、採用(採用応募者管理、面接スケジュール管理)、社内向け研修ツール、電子契約、ワークフロー(詳しくは勤怠管理・給与計算ソフトの記事)
汎P-07 汎用・自動化・分析ツール文書証憑管理ソフト、OCR、グループウェア、WEB会議システム、RPA、チャットボット。ただし汎用プロセスだけを持つITツールは単独では申請できず、共P-01〜各業種P-06と組み合わせると1プロセスとして数えられます

別紙2には、共P-01の注意点もあります。CRMは「単なる顧客情報を保有・表示する機能」が対象外です。予約受付台帳は、店舗側で予約を管理する機能が対象で、顧客側画面を新規制作する費用はスクラッチ開発に当たり対象外です。体験授業の申込みフォームをホームページに新しく作る費用は、この対象外に当たります(ホームページの扱いはホームページ・ECサイトの記事で整理しています)。

プロセス数の数え方と賃上げ要件

  • プロセス数は、ITツールの機能が「どのプロセスに分類されるか」で数えます。たとえば塾向けの製品が教P-06(生徒管理・月謝管理)・共P-01(予約受付台帳)・共P-02(売上請求管理)にまたがる登録なら、3プロセスです。どのプロセスで登録されているかは、公式のITツール検索で確認できます
  • 150万円未満で申請する場合は、1プロセス以上の要件で足ります
  • 150万円以上で申請する場合は、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です。賃上げ要件は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上と、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすることです。学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校は、賃上げ要件が適用外です
  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者は、150万円未満でも賃金引上げ計画が必須です。計画の水準は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上です(公募要領 2-1-1(テ)(ト)(ナ))
  • 7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降)では、上の賃上げ要件に「1年後に1人当たり給与支給総額を3%以上(交付決定歴のある事業者は3.5%以上)向上させること」が加わります。1年度目も達成・未達成を判断しますが、未達成でも補助金の返還は求めないとされています
  • 塾・スクールでは、教P-06(生徒管理・月謝管理)、共P-02(月謝の請求・回収)、共P-04(会計)、共P-05(講師の勤怠・給与)を組み合わせる構成が考えられます。ただし、組み合わせられるかどうかは製品の登録内容で決まります

通常枠にハードウェアの区分はありません

通常枠の補助対象は、大分類Ⅰ「ソフトウェア」、大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」の3つです。生徒用のタブレット、電子黒板、教室のPCなどの機器は、通常枠の補助対象に含まれていません。ソフトのクラウド利用料は最大2年分、オプションの機能拡張は最大1年分、保守サポートは最大2年分が補助対象です。役務(導入コンサルティング・導入設定・保守サポートなど)の補助対象経費は200万円が上限です。

補助率の2/3の条件

通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切(2026年12月1日)からの公募要領(第7回公募以降)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(原文)。

令和7年10月から令和8年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

受付を終了した6次締切(2026年10月30日)までの公募要領では、期間と基準が次のとおりでした(原文)。

令和6年10月から令和7年9月の間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内

この2/3以内の補助率は、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置で、賃上げ要件の達成とは別の基準です。学生アルバイトの講師や受付スタッフが多い塾では当てはまる場合があるため、賃金台帳で月ごとの割合を確かめて判断します。

インボイス枠の要件と補助額:会計・受発注・決済の機能が必要

インボイス枠の要件と補助額の図解。主な項目:「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むソフトが要件、1機能は〜50万円、2機能以上は〜350万円、補助率は補助額50万円で区切る(50万円超の部分は2/3以内)、PC・タブレット等は〜10万円。生徒が授業で使う端末は対象外
図解:インボイス枠の要件と補助額で押さえたいポイント

インボイス枠(インボイス対応類型)で対象になるソフトは、インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むものです。公募要領2-2(3)の原文は次のとおりです。

カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある

塾・スクールでは、会計ソフトや、月謝の請求・決済の機能を持つ登録ソフトが、この要件に当たり得ます。補助額と補助率は次のとおりです(公募要領 2-3)。

項目補助額補助率
ソフト購入費・導入関連費(会計・受発注・決済のうち1機能)〜50万円3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
ソフト購入費・導入関連費(会計・受発注・決済のうち2機能以上)〜350万円補助額50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、補助額50万円超の部分は2/3以内
PC・タブレット等〜10万円1/2以内
レジ・券売機〜20万円1/2以内

役務(導入設定、研修、保守サポートなど)の補助対象経費は200万円が上限です。オプション・役務・ハードウェアを申請できるのは、ソフトとあわせて交付申請する場合に限られます。ハードウェアだけを単独で申請することはできません(公募要領 2-2(3)(イ))。

ハードウェアには、公募要領2-2【補足2】に次の条件があります。塾・スクールで確認したいのは、生徒用の端末がこの範囲に入らないことです。

  • PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機は、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトとあわせて導入する場合に限り対象です。対象は、そのソフトを継続的に利用するのに「必要最低限の機器一式」です
  • 購入先は、ソフトの購入先として選んだIT導入支援事業者に限られます
  • プリンター・スキャナーは、「文書の印刷あるいはスキャン機能を主とし、一般的にプリンター・複合機と呼称される製品」が対象です
  • 価格は経済的合理性があり、市場価格を逸脱していないことが必要です

授業で生徒が使うタブレットは、会計・受発注・決済のソフトを使うための「必要最低限の機器一式」とは別の用途です。教室の台数分の端末をこの枠で申請することはできないと考えて、受付や事務で会計・請求のソフトを使う端末に限って検討してください。

試算例:補助額の計算の仕方

以下は、公募要領の補助率・上限額の計算の仕方を示すための仮の金額での例です(実際の補助額は、登録された製品の価格・機能数・事業者の区分で変わります)。

仮定計算
従業員3人の個人塾が、会計の機能1つの登録ソフト(補助対象経費30万円)を導入(インボイス枠)従業員5人以下なので、どの区分でも小規模事業者に当たり4/5以内。30万円×4/5=24万円が上限の目安
従業員30人のスクール運営会社が、会計・決済の2機能を持つ登録ソフト(補助対象経費100万円)を導入(インボイス枠)小規模事業者に当たらないため、補助額50万円以下の部分は3/4以内、50万円超の部分は2/3以内。経費約66.7万円×3/4=50万円、残りの経費約33.3万円×2/3=約22.2万円で、合計約72.2万円が上限の目安
塾が生徒管理・月謝管理の登録ソフト(補助対象経費80万円)を導入(通常枠・補助率1/2以内)80万円×1/2=40万円が上限の目安。補助額が150万円未満なので1プロセス以上で足ります

インボイス枠の補助率の段階は、経費ではなく「補助額50万円」で区切ります。経費50万円までを3/4で計算すると、補助額を少なく見積もってしまいます。補助金は事務局から補助事業者に直接支払われ、残りの費用は事業者が負担します。

補助対象外になる費用

公募要領は、次の費用を補助対象外としています(通常枠・インボイス枠の公募要領 2-2(4))。

  • 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの(補助事業者にとっての売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
  • 交通費、宿泊費
  • 補助金申請・報告にかかる申請代行費
  • 公租公課(消費税)
  • 交付申請時にITツールの利用金額が定められないもの
  • 対外的に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品
  • 交付決定前に購入したITツール

塾・スクールでは、次のような進め方で補助対象外になる例が起きやすくなります。

  • 生徒数で月額が変わるソフトで、交付申請時に利用金額を確定させていない。公募要領は「交付申請時において、ITツールの利用金額が定められないもの」を対象外としています
  • 映像授業・デジタル教材の利用料を、教材費として生徒・保護者に請求している(顧客が実質負担する費用)
  • 端末とソフトをレンタル契約でまとめて導入している(リース・レンタル契約のITツールは対象外です)
  • 春期講習や新学期に間に合わせようと、交付決定前にソフトの契約や支払いを済ませてしまう

端末・教室の設備や集客に使える制度

生徒用の端末や教室の改装、チラシ・ホームページなどの集客は、この補助金の対象外です。小規模な塾・教室(会社・個人事業主)なら、販路開拓を支援する小規模事業者持続化補助金が候補になります。ただし、学校法人・一般社団法人・一般財団法人・任意団体などは、持続化補助金の補助対象になりません。

やりたいこと検討する制度確認すること
チラシ・看板・ホームページで生徒を集める小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠 第20回。補助上限50万円・補助率2/3)申請受付締切は2026年12月15日(火)17:00。広報費・ウェブサイト関連費の上限とルールは広報費の記事・ウェブサイト関連費の記事で確認
教室の改装・設備を入れて新しいコースを始める小規模事業者持続化補助金対象になる経費・ならない経費は店舗改装・設備の記事で確認
講師・社員の研修人材開発支援助成金対象になる訓練の要件は人材開発支援助成金の記事で確認

持続化補助金の小規模事業者の定義や申請の流れは、持続化補助金 第20回の記事にまとめています。持続化補助金でどの経費が対象になるか、自社が申請条件に合うかは、当社がご提案します。同じ取組で複数の補助金を使う場合は、同じ経費を重ねて申請しないように、費用の範囲を分けて整理しておきます。

賃上げ要件・労働生産性の目標と加点項目

塾・スクールで見落としやすいのは、過去の交付決定歴によって必須になる賃上げの計画と、労働生産性の目標です。加点項目の全体像は加点項目一覧で整理しています。

  • IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者は、賃金引上げ計画が申請要件(必須)です。通常枠の150万円未満の申請でも、インボイス枠の申請でも同じです。1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の計画を策定し、従業員に表明します(通常枠・インボイス枠とも 2-1-1)。7次締切からは、1年後に3.5%以上向上させる要件も加わります。学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校は適用外です
  • 賃上げの計画は、従業員への表明まで行う必要があります。表明したと申告したのに実際は表明していないことが交付決定後に分かった場合、事務局は交付決定の取消しを行います。また、賃上げ要件を事業計画終了時点で達成できなかった場合(期間内に報告しなかった場合を含む)は、補助金の返還を求められます
  • 通常枠で150万円以上を申請した場合は、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする要件も返還の対象です。効果報告時の直近月で未達なら、補助金の全部または一部の返還を求められます。付加価値額増加率が年平均成長率1.5%に達しない場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還を求めません(通常枠 2-1-1【補足1】ケース1)
  • 労働生産性の目標を満たす3年間の事業計画を策定する必要があります(通常枠 2-1-1(ク))。目標は、1年後に3%以上、事業計画期間の年平均成長率3%以上です。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)、IT導入補助金2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は4%以上になります。この目標は学校などにも適用外の規定がありません。詳しくは労働生産性要件の記事をご覧ください

塾・スクールで枠を選ぶ目安

生徒管理・月謝管理・保護者連絡など教室運営の機能を中心に入れるなら通常枠、会計や月謝の請求・決済をインボイス制度に対応させるならインボイス枠が目安です。

状況検討の方向
生徒管理・月謝管理・講師管理のソフトを入れたい通常枠。教P-06を含む登録ソフトか、ITツール検索で確認
保護者連絡・入退室通知のソフトを入れたい通常枠。教P-06を含む登録ソフトか確認。ICカードリーダーなどの機器は対象外
映像授業・デジタル教材のサービスを入れたい通常枠。利用料を生徒・保護者に請求する料金体系なら対象外になるおそれ
生徒管理と請求・会計・勤怠をまとめて入れ、補助額150万円以上で申請したい通常枠。4プロセス以上と賃上げ要件が必須(学校・専修学校などは賃上げ要件が適用外)
会計・月謝の請求をインボイス制度に対応させたいインボイス枠。「会計」「受発注」「決済」の機能を持つ登録ソフトが要件。PC・タブレットは上限10万円
生徒用のタブレット・電子黒板を入れたい、教室を改装したいこの補助金の対象外。ほかの制度を確認
過去にインボイス枠などで交付決定を受けているインボイス枠は対象外の場合あり。通常枠の12カ月制限なども確認

保育所も運営している事業者は医療・介護・保育の記事、教室以外のサービス業も営む事業者は宿泊業・不動産業・美容室・士業の記事も参考になります。枠の考え方の全体像は通常枠とインボイス枠の選び方にまとめています。

申請の流れ:検討するときの確認手順

申請を検討するときの確認手順の図解。主な項目:対象外の事業者・みなし同一法人・12カ月制限を確認する、規模と、学校・専修学校・各種学校に当たるかを確認する、製品の登録とプロセスをITツール検索で確認する、交付決定前に発注・契約・支払いをしない
図解:申請を検討するときの確認手順で押さえたいポイント

申請を検討するときは、申請できる事業者かどうかの確認から始め、次の順に進めます。交付決定までは、発注・契約・支払いをしないことが前提です。

  1. 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限。教室ごとに法人を分けている場合は「みなし同一法人」も)。GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言も申請要件です。GビズIDプライムは申請方法によって発行までに日数がかかります(取得の手順はGビズIDプライムの取得方法)
  2. 業種・組織形態と規模を確認する。資本金5千万円以下または従業員100人以下の会社なら、業種の区分にかかわらず対象です。学校法人は従業員300人以下です
  3. 学校・専修学校・各種学校に当たるかを確認する。当たる場合は賃金引上げ計画の要件が適用外です
  4. 使う枠を決める。教室運営の機能を中心に入れるなら通常枠、会計・月謝の請求をインボイス制度に対応させるならインボイス枠です
  5. 導入したい製品が登録済みか、公式のITツール検索で確認する。どのプロセスに登録されているかも見ておきます
  6. 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
  7. 見積書に、利用金額が決まらない従量課金、レンタル契約、生徒用の端末、申請代行費が混ざっていないか確認する

補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。登録の有無や対象になるかのご質問は、公式LINEでも受け付けています。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。

実務で起きやすいつまずき

当社がご相談を受けるなかで、塾・スクールの導入で起きやすいつまずきは次の4つです。

  • 学習管理のソフトと一緒に、生徒用のタブレットも補助されると考えていた。通常枠はソフトウェアだけが対象で、インボイス枠の機器も会計・受発注・決済のソフトを使うための必要最低限の機器に限られます
  • 映像授業のサービスの利用料を教材費として生徒から受け取っていた。コンテンツ利用料を顧客に請求する場合は、教P-06の注意点で対象外とされています
  • 教室ごとに法人を分けていたので、法人の数だけ申請できると考えていた。代表者及び住所が同じ法人などはみなし同一法人に当たり、申請できるのは1社です
  • 学校法人なので小規模事業者の補助率(4/5以内)で見積もっていた。学校法人は小規模事業者に当たらないため、インボイス枠のソフトの補助率は3/4以内(補助額50万円超の部分は2/3以内)です

締切日と交付決定日(2026年10月24日確認)

デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)は、公式の事業スケジュールで次の日程が公表されています。

締切回締切日時交付決定日事業実施期間・事業実績報告期限
6次締切分(受付終了)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)(予定)交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
7次締切分2026年12月1日(火)17:002027年1月19日(火)(予定)交付決定〜2027年7月30日(金)17:00(予定)
8次締切分2027年1月7日(木)17:002027年2月17日(水)(予定)交付決定〜2027年8月31日(火)17:00(予定)

1次〜5次締切分は受付を終了しています。7次締切分からは、補助率2/3の判定期間と賃上げ要件が上で説明したとおり変わります。8次締切分は2026年10月29日に追加公表されました。公式スケジュールは「確定している募集回のスケジュールのみ公表」とされているため、9次以降の有無・日程は公式サイトで確認してください。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。全募集回の日程はスケジュールの記事にまとめています。

よくある質問

Q. 学習塾の生徒管理・月謝管理のシステムは対象ですか?

登録済みのソフトであれば、通常枠の対象になり得ます。別紙2の教P-06に、生徒管理(基本情報管理・学習・受講進捗管理・面談記録など)と校務支援(月謝管理・講師管理・運営管理)が機能例として載っています。インボイス枠で申請する場合は、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を含むことが必要です。

Q. 生徒に配るタブレットも一緒に補助されますか?

いいえ、補助されません。通常枠の補助対象はソフトウェア・オプション・役務の3つです。インボイス枠のPC・タブレットは、会計・受発注・決済のソフトを継続的に利用するのに必要最低限の機器一式に限られ、補助額の上限も10万円です。授業で生徒が使う端末は、この範囲に入りません。

Q. 映像授業やオンライン教材のサービスは対象ですか?

登録済みのサービスで、利用料を生徒に請求しない形なら、教P-06(映像教育・教育コンテンツ・ドリル教材)として対象になり得ます。別紙2は「コンテンツ利用料を補助事業者が顧客に請求する場合は、対象外」としています。教材費などとして生徒・保護者から利用料を受け取る場合は、申請前にIT導入支援事業者に確認してください。

Q. オンライン授業用にWEB会議システムだけを入れられますか?

いいえ、単独では申請できません。WEB会議システムは汎用プロセス(汎P-07)で、汎用プロセスだけを持つITツールは単独では交付申請できません。教P-06などのプロセスを持つソフトと組み合わせると、1プロセスとして数えられます。

Q. 個人で英会話教室やピアノ教室を開いています。申請できますか?

はい、個人事業主として申請できます。日本国内に補助事業の実施場所があること、GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言などの申請要件は会社と同じです。従業員が5人以下なら、どの区分でも小規模事業者に当たり、インボイス枠のソフトの補助率は4/5以内です。

Q. 学校法人の専門学校です。賃上げの要件はありますか?

学校教育法に基づく専修学校であれば、賃金引上げ計画の申請要件は適用外です(通常枠 2-1-1(ニ)、インボイス枠 2-1-1(テ))。ただし、通常枠で補助額150万円以上を申請する場合の4プロセス以上と、通常枠の労働生産性の目標は残ります。学校法人は小規模事業者に当たらない点にも注意してください。

まとめ

  • 教育・学習支援業の業種固有プロセスは教P-06で、生徒管理・教室管理・教材・テスト・映像教育・保護者コミュニケーション・校務支援(月謝管理・講師管理)などが機能例です
  • 映像教育・教育コンテンツは、コンテンツ利用料を顧客に請求する場合は対象外です
  • 生徒用のタブレット・電子黒板・ICカードリーダー・教室の改装は補助対象外です。インボイス枠の機器も、会計・受発注・決済のソフトを使うための必要最低限の機器に限られます
  • 資本金5千万円以下または従業員100人以下の会社なら、業種の区分にかかわらず対象です。学校法人は従業員300人以下で、小規模事業者には当たりません
  • 学校・専修学校・一定の要件を満たす各種学校は賃金引上げ計画の要件が適用外です。一般の学習塾・習い事教室は当たりません
  • 7次締切(2026年12月1日)からは、補助率2/3の判定期間と賃上げ要件が変わります

補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。業種別では宿泊業・不動産業・美容室・士業、医療・介護・保育の記事も、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。

参考(一次情報)

※本記事は2026年10月24日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツール検索の登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。