IT導入補助金で予約システム・受付システムは対象?|予約台帳・無人受付・顧客側画面の線引き【2026】

目次13章
IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)では、店舗側で予約を管理する「予約受付台帳」と「無人受付システム」は、登録済みの製品なら通常枠の補助対象になり得ます。一方、お客様が予約する画面を新しく作る費用や、受付機・発券機の機器代は対象外です。
この記事では、第7回公募(7次締切)からの公募要領の原文をもとに、予約・受付のソフトの線引きを整理します。当社の主な対象である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)を中心に扱います。要点は次の5つです。
- 通常枠:予約受付台帳と、無人受付・無人チェックイン・順番発券機のシステムは「共P-01 顧客対応・販売支援」の機能例です。1プロセスとして単独で申請できます。ただし通常枠の補助額の下限は5万円なので、補助率1/2なら補助対象経費が10万円以上必要です
- 対象は店舗側で予約を管理する機能です。顧客側の予約画面は原則として該当せず、顧客側画面を新規制作する費用はスクラッチ開発として対象外です
- 受付機・発券機などの機器は、通常枠では対象外です。ソフトと機器が一体で切り分けられない製品も対象外になります
- インボイス枠(インボイス対応類型)は、「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含むソフトに限られます。予約の機能だけでは使えません
- 申請できない事業者がいます。通常枠は12カ月制限、インボイス枠は過去の交付決定歴などで、申請自体ができない場合があります(先に確認する)
補助額の目安は見積シミュレーター(無料)で、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。

結論:予約台帳と無人受付は共P-01、店舗側の機能が対象

予約・受付のソフトは、通常枠の公募要領の別紙2で「共P-01 顧客対応・販売支援」に載っています。補助対象は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用です。登録されたソフトは、別紙2の「共P-01」〜「各業種P-06」のプロセスを1種類以上含む必要があります(公募要領 2-2(3)(ア))。
別紙2の機能例のうち、予約・受付・問い合わせ対応に関係するものは次のとおりです(機能例は原文の表記)。
表は左右にスクロールできます
| Pコード | 機能例(原文) | 使い方の例 | 単独での申請 |
|---|---|---|---|
| 共P-01 | 予約受付台帳 | 美容室・整体院・飲食店などの予約を店舗側で一元管理する | できる |
| 共P-01 | 無人受付システム、無人チェックイン、順番発券機システム | 受付の自動化、診療所の順番待ちの管理 | できる(ソフトのみ) |
| 共P-01 | CRM:顧客購買履歴及び対応履歴全社共有・顧客分析・販促・アフターケア機能 | 来店履歴をもとに再来店を促す | できる |
| 汎P-07 | CTI、PBX、IVR | 電話予約の着信表示・自動音声での振り分け | できない |
| 汎P-07 | RPA、チャットボットシステム | 予約や営業時間の問い合わせへの自動応答 | できない |
この一覧は機能の分類で、特定の製品が対象だという保証ではありません。製品が補助対象になるかは、IT導入支援事業者が事務局に登録し、審査を通ったかで決まります。登録状況とプロセスは、公式のITツール検索で確認します。機能概要には、AIの搭載有無も載っています(公募要領 2-2(2))。
予約受付台帳の注意点:顧客側画面の扱い
予約受付台帳について、別紙2は次の注意点を付けています(原文)。
顧客側が利用・予約を行う画面や機能は該当せず、店舗側で予約を管理する機能を対象とする。ただし、顧客側・店舗側で利用する機能の切り分けができない場合は、顧客側機能も対象とする。顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発に該当するため対象外とする。
この注意点を整理すると、次のようになります。
表は左右にスクロールできます
| 費用・機能 | 扱い |
|---|---|
| 予約台帳・空き枠管理・スタッフの予約状況など、店舗側で使う機能 | 対象になり得る |
| お客様が使う予約画面(店舗側の機能と切り分けられる場合) | 該当しない |
| お客様が使う予約画面(店舗側の機能と切り分けられない場合) | 対象になり得る |
| 自社専用の予約画面を新しく作る制作費 | 対象外(スクラッチ開発) |
クラウド型の予約システムでは、お客様の予約画面と店舗の管理画面が1つの料金に含まれていることが多くあります。どこまでが補助対象経費として登録されているかは、製品ごとに違います。見積書の内訳と登録内容を、IT導入支援事業者に確認してください。ホームページの制作費の扱いはデジタル化・AI導入補助金でホームページ・ECサイトは対象?で整理しています。
業種固有プロセスにある予約・受付まわりの機能
業種によっては、予約・受付と組み合わせやすい機能が業種固有プロセス(各業種P-06)に載っています。共P-01とは別の種類として数えられます。
表は左右にスクロールできます
| 業種 | Pコード | 機能例(原文の抜粋) |
|---|---|---|
| 飲食業 | 飲P-06 | テーブル管理(注文履歴、配席・配膳状況、来店履歴、客層分析)、セルフオーダーシステム |
| 宿泊業 | 宿P-06 | サイトコントローラー、チェックイン管理(鍵・本人確認・パスポート情報取得等) |
| 生活関連サービス業 | 生P-06 | カルテ管理、日程表、施設管理(利用状況、混雑状況等) |
| 教育・学習支援業 | 教P-06 | 教室管理(教室割当・残席) |
| 物品賃貸業 | 賃P-06 | 貸出・返却管理(予約・受付・返却・稼働状況) |
| 医療業 | 医P-06 | オンライン診療システム、診療管理 |
医療業のソフトについて、別紙2は「厚生労働省標準規格に基づいたデータの共有や二次利用を円滑に行うことが可能なものである必要がある」としています。業種ごとの導入例は、飲食店・小売店、宿泊業・美容室など、医療・介護・保育、学習塾・スクールの記事にまとめています。
先に確認:申請できない事業者・使えない枠
ソフトが対象でも、申請する側が対象外なら申請できません。製品を選ぶ前に、次の点を確認してください。
通常枠・インボイス枠に共通の対象外(公募要領 2-1-2)
通常枠の公募要領2-1-2は、次のいずれかに該当する事業者を申請の対象外としています(抜粋)。
- 大企業が株式の2分の1以上を同一で所有している中小企業など、大企業との資本関係が深い事業者((1)①〜⑤)
- 確定している直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者((1)⑥)
- 親会社が議決権の50パーセント超を持つ子会社がある場合など、「みなし同一法人」は1社のみしか申請できません((2))
- IT導入支援事業者(構成員を含む)として登録されている、または登録しようとする事業者((3))
- 補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けている事業者、風俗営業等を営む事業者(旅館業の許可を受けた一部を除く)、反社会的勢力に関係する事業者
- 過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けている事業者
- 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークルなど)、他の補助金等で不正行為等を行った事業者
ここでは主な項目を抜き出しています。全項目は公募要領2-1-2で確認してください。インボイス枠の公募要領2-1-2にも、同じ趣旨の項目があります。
インボイス枠(インボイス対応類型)の対象外
インボイス枠の公募要領2-1-2は、次の交付決定を受けた事業者を申請の対象外としています。
- IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
- IT導入補助金2023のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)・同(商流一括インボイス対応類型)
- IT導入補助金2024・2025のインボイス枠
IT導入補助金2025の複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026のインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できません(インボイス枠の公募要領 3-2(4)(ア))。
デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠の申請は、1法人・1個人事業主あたり1回のみです(同時に他の枠への申請は可能)。6次締切までにこの枠で交付決定を受けた事業者は、7次締切以降に同じ枠で申請し直すことはできません。不採択だった場合や、交付決定後に補助金の交付を受ける前に取り下げた場合は、次回以降の締切までに申請できます(インボイス枠の公募要領 3-2(4)(イ))。
申請の単位と回数、12カ月制限(通常枠)
- 交付申請期間中、1法人・1個人事業主あたり1申請のみです(みなし同一法人の考え方を適用)。例外として、同じ期間中に受付中のインボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)とセキュリティ対策推進枠は、あわせて申請し、交付決定を受けることができます(公募要領 3-2(4))
- IT導入補助金2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(グループ構成員を含む)は、交付決定日から12カ月以内は2026の通常枠で申請できません
- IT導入補助金2024・2025で交付決定を受けたソフトのプロセスと、今回のソフトのプロセスが重複すると減点されます。プロセスが完全に一致する場合は不採択です(公募要領 3-3(2)②)。前回も予約システムや顧客管理など共P-01のソフトを入れている場合は、特に確認してください
- IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者全般も、減点の対象です。補助額150万円未満の申請でも、1人当たり給与支給総額を1年後と事業計画期間の年平均で3.5パーセント以上向上させる賃金引上げ計画の策定と、従業員への表明が要件になります(公募要領 2-1-1(テ)。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者など2-1-1(ニ)の適用外の事業者を除く)。事業計画終了時点で達成できない場合は、補助金の返還を求められる場合があります(賃上げ要件)
組み合わせの確認は、再申請の対象外・減点一覧と通常枠とインボイス枠の選び方が役立ちます。
受付機・発券機の機器代は通常枠の対象外
無人受付や順番発券機を入れる場合、通常枠で補助対象になるのはソフトの部分だけです。別紙2は、無人受付システム・無人チェックイン・順番発券機システムについて、次の注意点を付けています(原文)。
受付に設置される受付システム、無人チェックイン、医療業等で使用される順番発券機等を対象とする。ただし、ソフトウェアのみが対象であり、ハードウェア部分は対象外とする。また、ソフトウェアとハードウェアが一体となっており、切り分けが困難な場合も対象外とする。
通常枠の補助対象は、大分類Ⅰ「ソフトウェア」、大分類Ⅱ「オプション」、大分類Ⅲ「役務」の3つで、機器の区分はありません。受付用のタブレットやキオスク端末、発券機、電話機の購入費は、通常枠では補助対象になりません。注意したいのは、機器とソフトが一体で売られている製品です。切り分けが困難な場合は、ソフトの部分も含めて対象外になります。
電話予約の着信表示や自動音声(CTI・PBX・IVR)も、別紙2は「ソフトウェアのみが対象であり、ハードウェア部分は対象外とする」としています。
電話・チャットの自動応答は単独で申請できない(汎用プロセス)
予約の電話を振り分けるCTI・IVRや、問い合わせに自動で答えるチャットボットは、「汎P-07 汎用・自動化・分析ツール」に分類されます。公募要領は次のように定めています(2-2(3)(ア)の注記、原文)。
「汎用プロセス」のみを保有するITツールは、単独では交付申請不可だが、「共P-01」~「各業種P-06」と組み合わせて交付申請することで、1プロセスとしてカウントされ交付申請が可能となる。
チャットボットについて、別紙2は「シナリオ作成費は、カテゴリー6(導入設定・マニュアル作成・導入研修)として登録申請すること」としています。組み合わせごとのプロセス数は次のとおりです。
表は左右にスクロールできます
| 組み合わせの例 | プロセス数の数え方 | 申請の可否 |
|---|---|---|
| チャットボット(汎P-07)だけ | 業務プロセスがない | 申請できない |
| 予約受付台帳(共P-01)だけ | 1プロセス | 補助額5万円以上150万円未満なら申請できる |
| 予約受付台帳(共P-01)+CRM(共P-01) | 共P-01は1種類として1プロセス | 申請できる(150万円未満) |
| 予約受付台帳(共P-01)+カルテ管理(生P-06)+チャットボット(汎P-07) | 3プロセス | 申請できる(150万円未満) |
| 予約(共P-01)+POSレジ(共P-02)+会計(共P-04)+テーブル管理(飲P-06) | 4プロセス | 150万円以上の申請も検討できる |
予約受付台帳・無人受付・CRMは、いずれも共P-01の機能例です。公募要領のプロセス数は「種類」で数えるため、共P-01の機能を複数入れても1種類です。プロセスの実際の数え方は、製品の登録内容で決まります。申請前にIT導入支援事業者に確認してください。
インボイス枠:予約の機能だけでは対象外
インボイス枠(インボイス対応類型)は、予約・受付の機能だけのソフトでは使えません。補助対象のソフトは、公募要領2-2(3)(ア)で次のとおり定められています。
カテゴリー1(ソフトウェア)に区分されるもののうち、インボイス制度に対応しており、かつ「会計」「受発注」「決済」の機能を1種類以上含む必要がある
予約システムでも、POSレジと一体の製品や事前決済の機能を持つ製品は、「決済」の機能で登録されていればインボイス枠の候補になります。予約台帳のどの部分が補助対象かは、登録内容によります。ITツール検索で、インボイス制度への対応と登録されている機能を確認してください。
インボイス枠の補助額と補助率は次のとおりです(インボイス枠の公募要領 2-3【補足3】)。
表は左右にスクロールできます
| 項目 | 機能要件 | 補助額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| ソフトウェア購入費、導入関連費 | 会計・受発注・決済のうち1機能 | 〜50万円 | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内) |
| ソフトウェア購入費、導入関連費 | 2機能以上 | 〜350万円 | 50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内 |
| PC・タブレット等 | ITツールの使用に資するもの | 〜10万円 | 1/2以内 |
| レジ・券売機 | 同上 | 〜20万円 | 1/2以内 |
インボイス枠で機器を買えるのは、次の場合に限られます(インボイス枠の公募要領 2-2【補足2】)。
- PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機:「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトとあわせて導入する場合に限ります。ソフトの購入先として選んだIT導入支援事業者からの購入に限られ、レジ以外の用途のものが対象です
- POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機:「決済」機能を持つソフトで登録されたPOSレジシステムを使うための機器です。IT導入支援事業者がPOSレジとして事前登録したパッケージの中から選びます
受付専用の端末や順番発券機が、これらの機器に当たるかは製品の登録内容によります。予約の受付だけに使う機器を、インボイス枠の機器として当然に申請できるわけではありません。レジ・タブレットの扱いはデジタル化・AI導入補助金でパソコン・タブレット・レジは買える?で詳しく解説しています。
通常枠と同時に申請するときの減点
POSレジ・会計ソフトをインボイス枠、予約システムを通常枠で、と分けて申請することは制度上できます。ただし、通常枠の公募要領3-3(2)②は、インボイス枠で申請している(または交付決定を受けた)事業者を減点の対象としています。さらに、インボイス枠で選んだソフトと同じ機能(会計・受発注・決済)を持つソフトを通常枠で導入すると、さらに減点されます。事前決済の機能つきの予約システムを通常枠で申請する場合は、インボイス枠のPOSレジと「同じ機能」に当たらないかを確認してください。導入設定などの役務やオプションを両方の枠に重ねて計上すると、交付決定の取消しや補助金の全額返還を求められる場合があります(通常枠の公募要領 3-2(4)の申請時の注意事項)。
補助率・補助額の試算
通常枠の補助率は1/2以内です。7次締切からの公募要領(第7回公募〜)は、次の条件を満たす場合に2/3以内とする旨を定めています(公募要領 2-3、原文)。
令和7年10月から令和8年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は、2/3以内
この2/3は、賃上げ計画を立てたかどうかとは関係なく、最低賃金に近い水準で働く従業員の割合で決まる措置です。
試算の例です。美容室が、年額24万円のクラウド型予約システムと、年額12万円のカルテ管理のソフトを、それぞれ2年分申請します。導入設定10万円を加えると、補助対象経費は82万円です(消費税は補助対象外)。
表は左右にスクロールできます
| 費目 | 補助対象経費 | 補足 |
|---|---|---|
| 予約システム(共P-01)2年分 | 48万円 | 年額24万円×2年。店舗側の機能として登録されている部分 |
| カルテ管理(生P-06)2年分 | 24万円 | 年額12万円×2年 |
| 導入設定(役務) | 10万円 | ソフトと対になっている役務に限る |
| 合計 | 82万円 | 2プロセス |
表は左右にスクロールできます
| ケース | 補助額の計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| 通常枠(補助率1/2) | 82万円×1/2 | 41万円 |
| 通常枠(補助率2/3の条件を満たす場合) | 82万円×2/3 | 約54.6万円 |
補助額が150万円未満なので、1プロセス以上の要件を満たせば足ります。3年目以降の利用料は自己負担です。予約件数や店舗数に応じて料金が変わる契約は、申請時に利用金額を確定できるかを事業者に確認してください。交付申請時に利用金額が定められないものは補助対象外です。
補助対象になる費用の範囲には、次の上限があります(公募要領 2-2(2))。
- ソフトウェア(買取形式、月額・年額のサブスクリプション販売形式等):最大2年分
- オプション(機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ):最大1年分
- 役務(導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート):合計200万円が上限。保守サポートは、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分
そのほか、公募要領は次の費用を補助対象外としています(2-2(4)の抜粋)。
- 補助事業者の顧客が実質負担する費用がITツール代金に含まれるもの(補助事業者にとっての売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
- 補助金申請・報告にかかる申請代行費
- 交付申請時に、ITツールの利用金額が定められないもの
- 交付決定前に購入したITツール
- リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)、中古品
- 対外的に無償で提供されているもの
- 交通費、宿泊費、公租公課(消費税)
無料プランで使っている予約システムをそのまま使い続ける場合、その部分は「対外的に無償で提供されているもの」に当たります(通常枠)。インボイス枠の公募要領は、この項目に「ITツール登録が認められたものを除く」と付けています。集客サイトへの掲載料のように、事務局に登録されたITツールでない費用は補助対象になりません。
150万円以上は4プロセスと賃上げ要件が必須(通常枠)
通常枠で補助額150万円以上を申請する場合は、プロセスが4種類以上必要です(公募要領 2-3)。予約受付台帳(共P-01)と業種固有プロセスだけでは2種類なので、POSレジ(共P-02)や会計(共P-04)などとの組み合わせが前提になります。
表は左右にスクロールできます
| 補助額 | 必要なプロセス数 | 賃上げ目標の扱い |
|---|---|---|
| 5万円〜150万円未満 | 1プロセス以上 | 加点項目(IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は必須要件) |
| 150万円〜450万円以下 | 4プロセス以上 | 必須要件 |
補助額150万円以上の場合、公募要領は次の4つをすべて満たす3年間の事業計画を求めています(2-1-1(ト))。基準年度は、交付申請日の属する事業年度です。
- 1年後に、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)を3パーセント以上向上させること
- 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3パーセント以上とすること
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
- 交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を策定し、従業員に表明していること
IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、1と2が3.5パーセント以上になります(2-1-1(ナ))。事業計画終了時点で年平均成長率の要件や事業場内最低賃金の要件を達成できない場合は、補助金の返還を求められる場合があります。期間内に報告しなかった場合も同じです。保険医療機関・保険薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業・更生保護事業を行う事業者、学校等は、賃上げ要件の適用外です(2-1-1(ニ))。賃上げの考え方はIT導入補助金の賃上げ要件と加点で詳しく解説しています。
通常枠には、補助額にかかわらず労働生産性の目標もあります。1年後に労働生産性を3パーセント以上、事業計画期間の年平均成長率を3パーセント以上向上させる計画が求められます。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)などや2024・2025の通常枠・複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者は、4パーセント以上です(2-1-1(ク))。電話予約の対応時間や、受付・予約台帳の転記にかかる時間がどれだけ減るかを、この目標と結びつけて説明できるようにしておくと計画が立てやすくなります。
申請を検討するときの確認手順

申請できる事業者かの確認から始め、製品・組み合わせ・補助額を決めてから発注に進みます。
- 申請できる事業者か確認する(対象外の事業者・12カ月制限)。GビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTION(一つ星または二つ星)の宣言も申請要件です。交付申請の直近月の事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上であることも求められます(公募要領 2-1-1(2))
- 公式のITツール検索で、導入したい予約システムが登録済みか、どのプロセスで登録されているかを確認する
- 見積書で、店舗側の機能・顧客側の画面・機器の費用がどう分かれているかを確認する(顧客側画面の扱い)
- チャットボットやCTIだけで登録されている場合は、共P-01〜各業種P-06のソフトと組み合わせる
- 補助額が150万円未満か以上かを決める。150万円以上なら、4プロセス以上と賃上げ要件が必須です
- 事前決済・POSレジの機能があり、インボイス枠も検討する場合は、通常枠と機能が重ならないか確認する(同時申請の減点)
- 交付決定前に発注・契約・支払いをしない(交付決定前に購入したITツールは補助対象外)
補助額の試算は見積シミュレーターが使えます。当社は登録IT導入支援事業者として、デジタル化・AI導入補助金(通常枠・インボイス枠)の申請サポートを完全成功報酬で行っています。登録の有無や対象になるかのご質問は、公式LINEでも受け付けています。
実務で起きやすいつまずき
当社がご相談を受けるなかで、予約・受付のシステムの導入で起きやすいつまずきは次の4つです。
- 予約サイトのデザイン制作費まで補助対象だと考えていた。顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発に当たるため対象外です
- 受付用のタブレットや発券機をセットで申請しようとしていた。通常枠に機器の区分はありません。ソフトと機器が一体で切り分けられない製品は、ソフトも対象外になります
- 予約システムだけでインボイス枠を使おうとしていた。インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件です。予約の管理が目的なら通常枠で検討します
- 前回のIT導入補助金で入れた顧客管理と同じプロセスだった。2024・2025で交付決定を受けたソフトとプロセスが完全に一致すると不採択です。前回の申請内容を先に確認します
締切日と交付決定日(2026年11月3日確認)
6次締切(2026年10月30日(金)17:00)で受付を終えた後、公表されている締切は7次締切と8次締切です。通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)とも同じ日程です。
表は左右にスクロールできます
| 締切回 | 締切日時 | 交付決定日 | 事業実施期間 |
|---|---|---|---|
| 6次締切分(受付終了) | 2026年10月30日(金)17:00 | 2026年12月10日(木)(予定) | 交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定) |
| 7次締切分 | 2026年12月1日(火)17:00 | 2027年1月19日(火)(予定) | 交付決定〜2027年7月30日(金)17:00(予定) |
| 8次締切分 | 2027年1月7日(木)17:00 | 2027年2月17日(水)(予定) | 交付決定〜2027年8月31日(火)17:00(予定) |
9次締切以降の日程は、2026年11月3日時点で公表されていません。公式サイトは「確定している募集回のスケジュールのみ公表しております」としています。締切日の17:00をもって、申請マイページから申請できなくなります。7次締切で申請する場合、予約システムの契約ができるのは交付決定日(2027年1月19日予定)以降です。全募集回の日程はIT導入補助金のスケジュールにまとめています。
よくある質問
Q. 予約システムだけで通常枠に申請できますか?
はい、登録済みの予約システムなら申請できる可能性があります。予約受付台帳は別紙2の共P-01の機能例で、補助額5万円以上150万円未満なら1プロセスで要件を満たせます。製品の登録状況はITツール検索で確認してください。
Q. お客様が使うWeb予約の画面も補助対象ですか?
原則として該当しません。別紙2は、店舗側で予約を管理する機能を対象とし、顧客側の画面は店舗側の機能と切り分けられない場合に限って対象としています。顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発として対象外です。
Q. 無人受付の端末や順番発券機も補助対象になりますか?
通常枠では、機器は対象になりません。無人受付・順番発券機のシステムはソフトのみが対象で、ソフトと機器が一体で切り分けが困難な場合はソフトも対象外です。
Q. 予約の問い合わせに答えるチャットボットは対象ですか?
チャットボットは汎P-07のため、単独では申請できません。予約受付台帳(共P-01)など業務プロセスのソフトと組み合わせると、1プロセスとして数えられます。シナリオ作成費は導入設定の役務として扱われます。
Q. 予約システムでインボイス枠は使えますか?
予約の機能だけでは使えません。インボイス枠は、インボイス制度に対応し、会計・受発注・決済の機能を1種類以上含むソフトが要件です。POSレジ一体型や事前決済の機能で登録された製品なら、候補になります。
まとめ
- 予約受付台帳と無人受付・順番発券機のシステムは共P-01として、通常枠で単独でも対象になり得ます
- 対象は店舗側で予約を管理する機能です。顧客側画面の新規制作費は対象外です
- 受付機・発券機などの機器は、通常枠では対象外です。一体で切り分けられない製品はソフトも対象外です
- チャットボット・CTIは汎P-07で、単独では申請できません
- インボイス枠は会計・受発注・決済の機能が要件のため、予約の機能だけでは使えません
補助額の目安は見積シミュレーター、自社に合う制度は補助金かんたん診断で確認できます。対象経費の全体像はIT導入補助金の対象経費、顧客管理のソフトはIT導入補助金で顧客管理(CRM)・営業支援は対象?、制度全体はデジタル化・AI導入補助金2026ガイドをご覧ください。デジタル化・AI導入補助金のご質問は公式LINEでも受け付けています。
参考(一次情報)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)第7回公募〜:2-1-1 申請要件(労働生産性・賃金引上げ計画)、2-1-2 申請の対象外となる事業者、2-2 補助対象ITツールの分類・汎用プロセスの扱い・補助対象外となる経費、2-3 補助率・補助額・プロセス数、3-2(4)申請単位と申請回数、3-3(2)② 減点措置、別紙2 業種・プロセス一覧(共P-01・各業種P-06・汎P-07)(本サイトが毎朝自動取得しているスナップショット `data/official/koubo_kaitei_tsujyo.txt`・確認日時2026年11月2日 06:11 JSTで照合)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(インボイス枠・インボイス対応類型)第7回公募〜:2-1-2 申請の対象外となる事業者、2-2(3)補助対象ITツールの要件・【補足2】ハードウェア、2-2(4)補助対象外となる経費、2-3【補足3】補助額・補助率、3-2(4)(ア)申請単位(スナップショット `data/official/koubo_kaitei_invoice.txt`・同日時で照合)
- デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール:6次〜8次締切分の締切日・交付決定日・事業実施期間(スナップショット `data/official/schedule.txt`・同日時で照合)
- デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール検索
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト(中小機構)
※本記事は2026年11月3日時点で確認した公募要領・公式サイトの原文にもとづいています。製品が補助対象かどうかは、ITツールの登録情報と事務局の判断によります。制度内容・スケジュールは変更される場合があるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。
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